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92.初めての魔法の授業

 カーリンから、思念伝達で、連絡が来た。まだ、原油は出ていないが、頑張って、掘っているらしい。今回は、鉄の棒と機械2台を追加したいらしい。試掘の場所を増やしたいらしい。


 早速、創って、送ってあげた。ついでに、改良型の手榴弾タイプの掘削用球も使えきれないほど、送っておいた。


 後は、原油が出たという報告を聴くだけだが、何時になる事やら。でも、最後まで、カーリンに、任せることにした。まあ、他に出来る者もいないしね。


 私達は、魔法学院に転移魔法で、移動した。シルバが居たので、声を掛けた。


 「シルバ、ちょうどよかった。頼みがあるの。」


 「どうしたの?」


 「ここの生徒になりたいの。」


 「えっ、教師の間違いじゃないの?」


 「いや、生徒がいいの。」


 「別にそれは、構わないけど。仕事は大丈夫?」


 「今は、それぞれのポジションに有能な人材が集まっているから、大丈夫だよ。」


 「本当?」


 「本当だよ。だから、私が生徒になっても、大丈夫だよ。仕事に影響はないよ。」


 「本当ね。」


 「しつこいな。本当だよ。仕事に影響はないよ。断言するよ。」


 「じゃ、いいわ。魔法学院の生徒になっても。」


 「ありがとう。それじゃ、部屋と制服を貰える。それから、従魔は、連れていていいよね。」


 「すぐに、用意するわ。スピアも一緒でいいよ。教室でも、どこでも。他に従魔を従えている生徒はいないけどね。」


 「ありがとう。感謝するよ。」


 「どういたしまして。私こそ、感謝してます。願ってもない、申し出で。」


 「うーん。どういう意味?」


 「私が、学院長よ。」


 「知っているよ。だから、頼んだんだよ。」


 「それだけよ。しっかりと、覚えておいてね。私、シルバが魔法学院の学院長だってことをね。」


 「だーかーら、知っているって、言ってるじゃない。」


 「それじゃ、またね。」


 何故か、シルバは、ニヤニヤしながら、去っていった。


 「シルバ、ニヤニヤしてたね。」


 「うん。テラ、大丈夫。」


 「スピア、何を言っているの。私は、元気よ。」


 「うん。スピア、心配。」


 私は、事務員から、制服と部屋を貰った。部屋で着替えてから、教室に入っていった。


 「まだ、授業は、始まっていないようだね。」


 「うん。まだ、みたい。」


 「あそこが空いてるよ。」


 「うん。行く。」


 皆は、出来るだけ前の席に座っていた。後ろの方の席は空いていた。


 私達は、部屋の奥の隅の席に座った。最初の授業は、水魔法の初級講座らしい。上級教師のユーキが入って来た。


 「私は、初級水魔法の講座を担当するユーキと言います。」


 ユーキは水魔法の人形を作り、空中でダンスをさせた。


 「まずは、掌の上で、水の球を作って下さい。それから、それの形を好きな動物の形に変形します。最後に、掌の上で動かしてください。」


 授業を受講している生徒達は、言われた通りに水魔法で動物を創り、動かしていた。講座を受講するためには、その講座の属性に適合していないといけない。だから、この講座では、全員が水魔法を使える。


 「はい、いいですね。よく出来ています。それでは、同じことを氷でやってみて下さい。」


 「えっ、氷。私、出来ない。」


 「私も、やったことないよ。氷って、初級なの?」

 

 すでに、氷を作り、動かしている生徒も何人かいるが、大半の生徒が戸惑っている。


 「はい。分かりました。それでは、そこのあなた、前に出て来てくれる。」


 「私の事ですか。ユーキ先生。」


 「そう。あなたよ。名前は?」


 「私は、レイカと言います。」


 「それでは、レイカ、前に出て来て、もう一度やってくれるかな。」


 「はい。」


 レイカは、ユーキ先生の横で、氷の人号を創り、踊らせた。


 「よく、見ましたか?」


 「「はい。」」


 「それでは、イメージが出来たと思います。それでは、他の人も、もう一度やってみてください。」


 「おっ、出来た。氷ができたよ。」


 「私も、出来た。氷は、初めて。綺麗ね。」


 今度は、多くの生徒が氷をつくり、動物の形にしていた。まだ、動かすことができない者が多いが、確かに、氷が出来ている。


 やはり、魔法はイメージが大事だ。出来ている生徒の魔法を見るだけで、イメージ作りは、できるということだね。ユーキは、慣れているようだ。その後も授業は順調に進み、終了した。


 「あっ、テラ。レイカよ。」


 レイカが手を振っている。私達を見つけたようだ。先ほど、前に出て行った時に、こちらを見ているような気がしていたが、その時に、見つけていたのだろう。


 「レイカ、この講座を取っているの?」


 「私、出来るだけ、多くの講座を取っているのよ。今の所、すべて、出席よ。テラは?」


 「私は、少しずつ取っているの。結構、休みがちなの。」


 「そう。病気には、見えないけど、身体が弱いの?」


 「そうでもないよ。元気よ。」


 「出席できなかった講座は、私が教えるよ。いつでも聞いてね。」


 「でも、すべての講座を取っていると忙しくない?」


 「1講座が90分で、1日に最大3講座しかないから、余裕よ。それに、魔法以外の講座は、免除されているの。」

 

 「魔法以外って、何があるの?」


 「今は、リテラシーっていって、読み・書き・算数の講座があるの。後期からは、格闘術が入るみたい。」


 「私、説明のとき、寝てたから。よく覚えていないの。」


 「そうか。でも、私が居るから、何でも聞いてね。」


 「テラ、お腹、空いた。」


 「あら、スピア、何か食べたいの?」


 「うん。食べたい。」


 「テラ、少し早いけど、食堂に行く?ここの食堂は、いつでも行けるの。」


 「それじゃ、行こうか。スピア、行くよ。」


 「うん。行く。」


 私達が食堂に入っていくと、周りから、何だか見られているようだ。スピアのせいか、あるいは、レイカのせいか、分からないけど。注目されているようだ。ちょっと、気を付けないと、いけないな。目立つのは、良くない。

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