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86.魔法学院の生徒募集

 いよいよ、魔法学院の生徒募集が始まった。都市デンロンの街でも、話題になっている。一番大きいのが、貴族でなくても良いということだ。


 でも、魔法が使えないといけないので、結果的に貴族が多くなってしまう。


 魔力は、遺伝するようだ。大きな魔力を持った親の子供は、大きな魔力を持って、生まれてくることが多い。皆、そう思っているようだ。


 でも、私は、このことに関しては、少し疑問だ。まあ、今は関係がないけど。


 「シルバ、募集の方はどうかな?」


 「はい、順調です。もう、希望者が50人を超えました。」


 「そんなに、集まっているのか。まだ、募集を開始して、3日だろ。」


 「魔法学院の校舎は、半年以上前に立っているので、貴族は既に準備していたようです。」


 「そうか。貴族にとっては、細かな条件は、関係がないからな。自分の子供を行かせるか、どうかだけ、考えればいいからね。」


 「そうですね。それに、家庭教師を雇って、魔法の特訓を遣っている家もあるようです。」


 「それは、熱心なことですね。」


 「シルバ、試験問題は、厳重に管理しておいてくださいね。」


 「はい、分かっています。今回は、各教師に3題ずつ問題を提出して貰っています。」


 「そんなに沢山の問題、必要ないだろう。」


 「テラ、当り前です。その集めた問題の中から、上級教師が、使える問題か、どうかを調べて、使える問題だけを残しました。そして、1題の問題は、2人以上3人以下の上級教師が、評価しています。従って、すべての問題を見た上級教師はいません。」


 「確か、教師は、各種魔法毎に採用して、その中から、1人ずつ上級教師にしていたね。」


 「はい、そうです。だから、上級教師は、5人です。それ以外の教師は、各種魔法毎に4人います。」


 「そうすると、教師は、総勢で、25人だね。」


 「はい、そうです。」


 「最終問題は、誰が選ぶのかなぁ。」


 「テラ、何を言っているのですか。決まっているでしょ。」


 「そうだね。学院長のシルバが作るのだね。」


 「何をバカな事を言っているのですか?」


 「えっ、今、私のことをバカって言ったの。」


 「そうですよ。バカにバカと言って、何か問題でも?」


 「いや、問題はないよ。ところで、そのバカに、誰が作るのかを教えてやってくれるかな。」


 「当然でしょ。誰が作るかは。テラ、あなたしかいないでしょ。」


 「えぇっ、私が作るの?そりゃないよ。シルバ、私も忙しいよ。」


 「また、また、長期に旅行するぐらい、忙しいって。」


 「参ったなぁ。やりますよ。やればいいんでしょ。」


 「そうですよ。テラが、やるしかないのです。」


 そういって、シルバは、私に封筒を渡した。


 「この封筒は、厳重に保管してくださいね。それでは、私は、魔法学院に戻ります。」


 「ちょっと、待ってよ。」


 シルバは、聞こえない振りをして、行ってしまった。


 「参ったなぁ。どうしよう。スピア。」


 「うん。スピア、食事、行くね。」


 何と、私一人残されてしまった。最近は、仕事を丸投げしていたが、まるで、丸投げ返しだよ。


 私は、思念伝達で、シロッコスに連絡を取った。


 まだまだ、兵士が足らない。あと、1万5千人は、雇いたい。


 そこで、アストーリア大陸のキャメール村以外の村から、希望者を集めて貰うように依頼した。


 ただ、ミーヤ国には、極力知られないようにして欲しいと希望を言っておいた。


 最悪、ミーヤ国に知られても仕方がないが、その時は、ソーロン帝国と戦争になるかもしれない。


 準備をしておかないとだめかもしれない。もし、ソーロン帝国と戦争になったら、多分、海から攻めてくるだろう。というのも、陸路であれば、ヤガータ国に攻めてくる軍隊を、ミーヤ国とフークシ国を通過させなければならない。


 ミーヤ国は、通過させるだろうが、フークシ国は、通さないだろう。軍隊が通過するだけとは、限らない。そんな危険なことを許すわけがない。


 そうすると、我々は、まず、海からの攻撃を想定して、守りを固める必要がある。


 これは、レンゲーに丸投げすべき事案だな。私は、勝手に、丸投げすることに決めた。


 思念伝達で、レンゲーに連絡を入れた。


 「テラだけど、今、時間はあるかな?」


 「大丈夫です。何でしょうか?」


 「前に、港湾の改善計画を立てて貰ったのだけど、一つ、条件を追加したい。」


 「はい、どのような条件でしょうか。」


 「海からの軍隊の攻撃に備えて、防壁の建設と、軍隊の配置計画を立てて欲しい。仮想敵国は、ソーロン帝国だ。そして、ミーヤ国が船の支援をすると、想定しておいてくれ。」


 「はい、わかりました。至急、検討します。」


 「よろしく、頼むよ。」


 私は、思念伝達を切った。


 「ヤッタ、丸投げ出来たよ。ん、思念伝達は切っているよね。

 うん、大丈夫。」


 「スピア、ミーヤ国が、ソーロン帝国と同盟を結ぶってことは、ないよね。」


 「テラ、スピア、分からない。」


 「えぇっ、私もわからないよ。どうしよう?やっぱり、備えないといけないかな?」


 私は、少し不安になったので、ミーヤ国との国境に、高さ5mの硬化した壁を作った。ついでに、見張り塔も一定の間隔で作っておいた。


 これで、一気に攻められることはないだろう。見張り塔には、スピアの仲間に行ってもらうことにした。あとで、スピアに頼んで置こう。

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