72.シルバへの依頼
久しぶりに、シルバに思念伝達で連絡を取った。
「シルバ、元気?」
「あっ、テラ、元気です。」
「もう、後任の指導は終わったかな?」
「教える事は、終わったのですが、もう少し、見てくれと言われて、遅くなっています。」
「後の事は、リンダに任せて、こっちに来てくれる?」
「いいです。それでは、リンダに連絡を取ったら、すぐに、行きます。」
「待ってるよ。それじゃ。バイバイ。」
シルバには、読み・書き・算数の教室の管理をまずして貰うつもりだ。
ウイドールから、オリハルコンの鉱山について、報告があった。かなり、有望な鉱山だということだ。
私達は、早速、ウイドールに会いに行った。
「ウイドール、ご苦労様。」
「テラ、時間が掛かってけれど、見つかって良かった。」
「本当に、ありがとう。ウイドールが頑張ってくれたおかげだよ。」
「実際に、掘り始めるには、少し、準備がいると思うけど、指導できるものはいるかい。」
「実は、それについて、相談したかったんだ。ウイドールが、暫く、指揮を執ってくれないかな。」
「そうだね。一度、ドンゴに戻りたいんだが、いいか。」
「構わないよ。こっちの鉱山はこれからだから、しっかり、準備してから、採鉱を始めてもいいよ。」
「それじゃ、すぐに、戻って来るよ。」
「ウイドール、待っているよ。」
私は、ウイドールと別れた。ウイドールは、ドンゴの村でもリーダー的存在だから、無理に引き留めることはできない。
鉱山開きは、少し、先になるが、仕方がない。それより、ドンゴからウイドールが戻ってきたら、すぐに始められるように、採鉱する人を募集しておこう。せっかくだから、シルバに頼むことにした。
私は、思念伝達で、シルバに連絡を取った。
「シルバ、テラだよ。」
「テラ、遅いよ。連絡を待っていたのに。」
「ゴメン、色々忙しくて、申し訳ない。急いで、来てもらったのに、待たせてしまったね。」
「それじゃ、いよいよ、仕事の話ね。」
「そうだよ。少し、多いのだけど、大丈夫かなぁ。」
「何、言っているのよ。仕事をしに来たのに、多くて結構。頑張るよ。」
「そう行って貰えると、助かるよ。」
「一つは、オリハルコンの鉱山を見つけたんだが、そこの事務をやって欲しい。」
「事務って、何をするの?具体的に教えてくれる。」
「まず、採鉱する人を20人ほど、集めてほしい。その人たちには、仕事がない間も、一定の給料を払うと言ってもらっていいよ。住むところは、鉱山の近くに無料の宿泊施設を作っておくね。」
「はい、わかったわ。」
「それから、食事の世話をする人を3人、雇ってくれる。この人たちも同じ扱いだけど、通いでも大丈夫だよ。」
「はい、それから?」
「実際に、鉱山での採掘が始まったら、ウイドールという、採掘の指揮をする人の指示に従って、事務仕事をして欲しい。疑問な事があれは、ウイドールに、何でも、聞いてくれる?」
「はい、わかったわ。」
「販売ルートについては、もっと、先でいいよ。取り敢えず、保管だけしておいてね。」
「はい。」
「それから、もう一つ、仕事をお願いしたいのだけど、大丈夫かな?」
「多分、大丈夫だよ。 言ってみて。」
「実は、読み・書き・算数の教室を作っているんだけど、そちらは、ガーベラが指揮ッているの。
その横に、魔法学院を創りたいと思っているの。そこの理事長をやってくれない?」
「魔法学院の理事長って、私でいいの?」
「私も、手伝うから、お願いできないかな?」
「わかったわ。テラの期待に応えて見せるわ。」
「まずは、教師の手配をガーベラに相談しながら、やってくれない?最初は、3人雇えればいいよ。」
「わかった、すぐに、ガーベラに連絡をとるね。」
「それじゃ、よろしく。」
私は、シルバとの会話を終えて、すぐに、薬草の農場に移動した。そこにある「読み・書き・算数の教室」(リテラシー・スクール)を見学した。確かに、大勢が熱心に勉強している。子供だけだと思っていたけど、以外にも大人が3割もいた。暫くは、この状態でもいいけど、出来るだけ早く、大人は全員がリテラシー・スクールの卒業生程度の学力をつけて貰いたい。
私は、シルバの魔法学院の校舎を土魔法で、創った。その近くに、演習用の広場も作っておいた。そこで、魔法の練習をして貰う。他の場所にいる人に迷惑が掛からないように、広場は、高さ5mの壁で囲んで、全体を闇魔法で、結界で覆っておいた。これで、魔法が、広場から外に放たれないと思う。結界が魔法のマナを吸収してくれるだろう。
建物を創り終わったので、思念伝達で、シルバとガーベラに報告しておいた。それから、リンダにシルバに依頼した内容を伝えておいた。あっ、ミーヤ国から、誘拐してきた男達5人のことも、遅まきながら、リンダに伝えた。
そうそう、これは、ガーベラにも、伝えておいた。予想通り、すごい、怒りようだった。
でも、逃げないと、船を取られてしまうから、仕方がなかったと、思っておこう。