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53.基地の研究所

 鉱山で取って来た魔石の材料は、そのままでは、使えない。火魔法で、ドロドロに溶かして、精錬して、型にはめて行った。精錬した魔石の原料は、持って帰って来た量の80%ほどになった。結果的に、型に嵌めて使えるのは、600万立法センチメートルになった。


 遠隔通話器(テレ・ボイス)に使う魔石は、親指1本ほどの大きさで十分だった。つまり、3立法センチメートルほどなので、200万個の魔石の部品が得られたことになる。


 ただ、この部品は、まだ、十分な魔力がなかったので、魔力を補充する必要があった。私は、当面必要な分だけ魔力を注ぎ込み使える状態にした。


 残りの部品は、ダンジョンに接続している農園に持っていった。周りのマナを多少でも吸収するだろうと考えた。


 これで、セーロンの依頼の目途がたったので、私達は、次の行動を起こすことにした。


 「リーベンの基地におられるベルーナ大佐をお願いします。」


 「少々、お待ちください。」


 私は、遠隔通話器(テレ・ボイス)を用いて、ベルーナ大佐に連絡を取った。以前、約束していた研究所の見学の日時を決めるためだ。


 「ベルーナ大佐だ。テラ、お待たせした。」


 「先日の見学の件ですが、私の方は、いつでも行けます。」


 「そうか、それなら、明日は、どうかな。」


 「はい、大丈夫です。」


 「それなら、朝10時で、お待ちしています。」


 「はい、わかりました。楽しみにしています。」


 約束の日時まで、余裕ができたので、のんびりと、街を見て回ることにした。


 いくつかの商店を覗いて行ったが、どの店にも、軍関係の商品は、置いて無かった。


 「テラ、どこも、同じような物しか置いていないね。」


 「そうだね。食べ物か、服ぐらいだね。それも、同じようなものばかりだね。」


 「テラ、あそこに、古ぼけた家があるよ。行ってみない?」


 「いいよ。行ってみようか。」


 街の本通りから、少し離れた所に、その古ぼけた建物はあった。どうやら、骨董品を置いているようだ。


 「すみません。少し、商品を見せて貰えませんか?」


 「どうぞ、遠慮なしに見て行ってね。」


 「ありがとう。」


 「サルビア、スキル鑑定を使ってみて。」


 「はい、やってみます。」


 サルビアは、スキル鑑定で、商品を調べた。


 「どうかな?面白い物、あった?」


 「そこの端にある魔導書が、面白そうです。」


 サルビアが言った本は、5冊がセットになって、置かれていた。


 「すみません。この魔導書は、いくらですか?」


 「あぁ、それね。中身は白紙だよ。外は革で作られているので、高級そうだけど、役には立たないよ。」


 「別にいいですよ。飾るだけだから。」


 「そう、それなら、金貨5枚でいいよ。」


 「それでは、これ貰いますね。包装は、いいです。」


 私達は、金貨を渡して、店を出た。


 「これ、結界で守られているね。」


 「サルビアは、これの解除できる?」


 「はい、やってみます。」


 サルビアは、難なく、結界を解除してしまった。


 「魔導書って、変わった物が多くて、最初の一人しか、読めない物もあるの。」


 「テラ、そうなんですか。」


 「そうよ。だから、サルビアが、最初の1冊を見て、くれる?」


 「えっ、いいんですか?」


 「いいよ。サルビアが見つけた魔導書だから。」


 「それでは、見てみます。」


 サルビアが本を開くと、本が光り輝き、魔法が起動した。


 「あぁ、頭の中に魔法が入ってきました。」


 「どんな魔法かな?」


 「闇魔法の初級です。」


 「それは、良かったね。これで、サルビアも闇魔法が使えるよ。」


 「後、4冊あるね。どうしようかな?私も、2冊見てもいい?」


 「はい、いいですよ。私は、次の2冊を見ますので、テラは、最後の2冊を見て下しさい。」


 魔導書は、最初の3冊が闇魔法の初級・中級・上級に対応していた。これで、サルビアは、闇魔法をすべてマスターした事になった。


 残りの2冊は、召喚魔法に関するもので、4冊目は、転生魔法が書かれており、最後の5冊目は、召喚魔法が書かれていた。

 

 私は、それらを使えるようになった。ただし、色々起動するための条件があるようで、すぐには、使えそうになかった。


 覚えてから、すこし後悔した。というのも、賢者サビオに教えて貰えば、私は、これらの魔法も、使える様になるはずだ。だから、サルビアに覚えて貰った方が良かったのではと。


 まあ、終わってしまったこと後悔しても仕方がない。


 「私の方は、転生魔法と、召喚魔法だったよ。」


 「私は、闇魔法がマスターできて、嬉しいです。これで、もっと、テラの役に立てます。」


 「そうだね。光魔法と闇魔法が使えるというのは、凄いことだよ。」


 「ありがとうございます。これらの魔法を練習して、使いこなせるようにしておきます。」


 「あまり、無理をしないでね。」


 「はい、わかっています。」


 「サルビア、この街で売る商品を服にしない?」


 「服ですか。でも、服なら、この街にも沢山の商店が扱っていますよ。」


 「でも、どの店の商品も画一で、面白くないでしょ。」


 「そうですね。どれを見ても同じ様に見えました。」


 「だから、私達は、前の街のように、華やかな服だけを扱うの。」


 「テラ、それって、いいですね。」


 早速、商業ギルドのナツに相談に行った。すると、服であらば、大丈夫と了承された。これから、この街を華やかにしていこう。

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