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51.セーロンからの依頼

 セーロンから、連絡が入った。特許を取っていた遠隔投影接続器テレビジョン・コネクタの売れ行きが好調で、月10セット販売していた量を増やして欲しいということだった。増やす量は、こちらに任すそうだが、できらば、10倍は欲しいらしい。


 月100セットなら、問題なく作れるので、セーロンには、了承したと連絡を入れておいた。早速、創り始めた。前回、100セットを2時間で作り上げたが、今回は、慣れたので、1時間に短縮できた。


 前回のストックもあるので、もう、4時間作り続けて、約半年分を作り上げた。


 セーロンには、2か月分を納入しておいた。これで、暫くは、安心できるだろう。


 後日、また、セーロンから、連絡が入った。今度は、遠隔通話器(テレ・ボイス)の納品数の相談だった。最低でも、数年は、メンテなしで利用できるため、以前までの商品にとって代わりそうだ。


 以前までの商品は、月に1回のメンテが必要で、その時に手数料を取られる。そのうえに業者の手配が必要で、煩雑だ。それらが無くなるということで、ほぼ全員が買い替えを希望している。


 問い合わせが殺到して、処理できなくなるほどだという。そこで、月100個では、到底足らないという訳だ。それに、他国にも情報が伝わり始めているらしい。そうなると、更に注文が殺到すると考えられる。


 最低でも、月に1万個ほしいと、言って来た。直ぐには、返事できないので、少し考えさせて貰うことにした。


 遠隔通話器(テレ・ボイス)ばかり作っていても、到底難しい。そこで、私達が作る部分を減らすことを考えた。


 以前の商品を作っていた魔法師から、途中の商品を買い取り、その後を作るということだ。


 まず、セーロンに依頼して、遠隔通話器(テレ・ボイス)の箱の部分のみを作成で、いくらで出来るのか、それをつくれる技術者は、何人いるか、ということを調べて貰った。


 遠隔通話器(テレ・ボイス)の箱の部分は、初級の土魔法で、作成できるので、かなり安く手に入れることができる。また、それを作ることのできる魔法師も多数いるということだ。


 そこで、セーロンに、遠隔通話器(テレ・ボイス)の箱の部分を1個金貨10枚で、買い取るという依頼を出して貰った。ただし、最低でも月500個以上納品できることを条件に付けて貰った。


 それで、先着30名を雇うことにした。実際には、20人で十分だが、余裕を持たせた。


 遠隔通話器(テレ・ボイス)の箱の部分に、必要な魔法陣を刻印し、魔石を組み込み、闇魔法でコーティングして、完成だ。


 つまり、買い取った箱に、「魔方陣を刻印する」「魔石を組み込む」「闇魔法でコーティングする」

の3つの工程を加えると、完成する。


 「魔方陣を刻印する」と「魔石を組み込む」の作業は、魔法が使えなくても実施できる。更に、魔法陣を置く刻印する部分をスタンプを押すことで実現するように変えた。また、「闇魔法でコーティングする」部分の工程を、魔法陣を使って行うように変更した。これによって、闇魔法が使えなくても、魔法が使えれば、出来る様になった。


 以上の変更で、私達でなくても、作成することが出来る様になった。ただ、作成方法を秘密にするために、利用する道具を闇魔法の結界で効果を隠蔽した。


 これら、3つの工程をそれぞれ、別の工房で行うことにした。これで、作成方法の秘密はかなり、守られると考えた。当然、各工房で利用している道具類は、工房の外に持ち出せないように、結界を張っておいた。


 各工房で働く人をセーロンに依頼して、募集してもらった。1つの工房で、3人も雇えば、十分だった。


 これで、大量生産が私達の頑張りがなくても、実現できるようになった。


 セーロンからの依頼も順調にこなすことができたので、ドワーフの鍛冶屋であるサンドールに会いに行くことにした。ドワーフの村の事も、報告しておきたかった。


 「こんにちは。サンドールはいる?」


 「おう、こっちに来いよ。」


 「サンドール、私達は、森の中を抜けて、村まで、行ってきたよ。」


 「そうか、ありがとう。それで、森の中の魔物は倒してくれたのかい。」


 「言われてたような魔物はいなかったよ。だから、これからは、気にせずに森の中を通れるよ。」


 「そうか、まあ、確認して貰えただけで、十分だよ。ありがとう。」


 「それから、別の村と共同で、オリハルコンを採鉱することになったよ。」


 「そうか、オリハルコンも、利用し易くなるのだな。」


 「そうだね。もし、良ければ、魔道具を作るのを見せて貰えないか。」


 「別にいいよ。時間があれば、見るだけじゃなくて、作ってみないか。」


 「いいの、うれしい。」


 「おれは、弟子を取らないのだが、お前達には、世話になったから、恩返しだ。」


 私達は、サンドールに教えて貰いながら、鍛冶屋の修業をした。少し、時間は、かかったが、一通りの技術は習得することが出来た。特に、魔石を利用して、武器を作ったり、オリハルコンを使った武器は、興味深かった。


 鍛冶屋として、私とサルビアは、一人前だとサンドールのお墨付きを貰えた。


 鍛冶屋の技術を習得しながら、考えたことがあった。それは、魔石の事だ。魔石は、魔物を狩ったときに得られるものだが、それ以外に人工的につくれないかを考えてみた。つまり、魔石と同じ成分の鉱石を探してくれば、後は、魔力を込めれば、魔石として使えるのではないかと考えた。


 すぐに、実現することは困難かもしれないが、できそうに思えた。

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