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42.帝国への納入

いよいよ、帝国に商品を納入する日になった。1000個の特級のアイテムボックスは、すべて、私自身でスキル鑑定で、確認済みだ。


 1個が、1辺10cmの立方体なので、1000個だと、1辺1mの立方体になる。全体を土魔法で囲んで、硬化させて、強度を上げておいた。


 「スピア、悪いけど、持って行ってくれる?」


 「うん。持っていくよ。」

 

 「ありがとう、お願いね。」


 私達は、商業ギルドに商品を納入するためにやって来た。スピアに荷物を持ってもらい商業ギルドのセーロンを呼び出した。


 「セーロン、何処の置いたらいい?」


 「こちらに、お願いします。」


 「スピア、お願いね。」


 「うん。持っていく。」


 荷物置いてから、暫くすると、帝国の軍人が10人ほど、やって来た。荷車も押している。


 「これは、ベルーナ大佐、直々に御出でとは、思わなかったです。」


 「何、これほどの商品を短期間で揃えたという、商人テラにも、お会いしたかったからね。」


 「そうですか。こちらにおられるのが、テラ様とその従魔のスピア様です。」


 「ほう、従魔を連れた商人か。これは、珍しいワーキャットではないか。」


 「お初にお目にかかります。テラと言います。こちらは、私の従魔のスピアです。

 お見知りおきをお願い致します。」


 「若いのにしっかりしているな。まあ、当然か、このような商売ができるのだからな。年齢は関係ないか。」


 「それでは、検分をさせて貰うよ。」


 「ベルーナ大佐、どうぞ、この場を自由にお使いください。」


 軍人たちは、私が土魔法で創ったコーティングを壊して、中の商品を荷車に移し始めた。


 その時、何個かが、その場に残された。何をするのかと、見ていると、数人の軍人がそれぞれ1個ずつの箱の前に立ち、詠唱を始めた。


 「あれ、スキルじゃないんだ。」


 「テラ殿、どういうことだ。詠唱するとおかしいか?」


 「いえ、初めて見たので、驚いただけです。」


 「私は、見慣れた風景だが、検分の時は、検分専属の軍人が詠唱で、商品を鑑定するのだが、違うのか。」


 「いえ、それで、結構です。気にしないでください。」


 どうも、セーロンも気にしていないようだ。この場では、私だけのようだ、この詠唱を気にしているのは。よく見てみると、検分専属の軍人は、神具を手に持っていた。余りにも小さいので、見過ごしていたが、確かに、神具を握って、詠唱を行っている。

 

 そうか、スキル鑑定の代わりに、魔法陣による魔法を使って鑑定を行っているようだ。どうも、闇魔法の魔法陣が刻印されているようだ。しかし、小さいので、魔法陣自体はよく見えない。


 できれば、借りたい。そんな欲求が抑えきれないでいたら、無事終了してみたいだ。


 「大佐、検分を終わりました。問題は見つかりませんでした。」


 「ご苦労、列に戻りなさい。それから、そこの商品も荷車に積んでおくように。」

 

 「はい、大佐。」


 「テラ殿、確認は、終わりました。支払いは、商業IDで清算でよろしいかな。」


 「はい、それで結構です。また、何かあれば、何なりと申し付け下さい。」


 「そうか、今後とも、よろしく。」


 「すこし、お聞きしてもよろしいでしょうか。」


 「構わないが、何かな?」


 「先ほどの軍人を検分専属と仰ってましたが、訓練する機関があるのですか?」


 「ほぉ、変わったことに興味があるのだな。それについては、ここで話すことはできない。

 ただし、テラ殿が、我が軍隊の基地に入隊されるのなら、別だがな。」


 「いえいえ、私は、商人です。軍人には、成れそうにありません。

 失礼しました。」


 「構わないよ。また、お会いする機会を楽しみにしているよ。」


 「はい、ベルーナ大佐、今後とも御贔屓にお願いします。」


 私達は、無事商談を終え、セーロンとも別れて、支店に戻った。


 「それじゃ、特許を取った商品を作ろうか。」


 「うん、作ろう。テラ、手伝う。」


 「そうか、手伝ってくれるの。ありがとう。」


 私は、土魔法で鏡を作り始めた。先日は、手鏡だったが、もう少し大きな方が、良さそうなので、A4の大きさの鏡にした。それを、取り敢えず、ひたすら作り続けた。


 2時間で、100セット分完成した。次に、魔法陣を刻印して、コーティングした。最後に、セットに同じ番号を刻み、闇魔法で、コーティングした。これで、すぐには、セットの番号は、見えないだろう。


 出来上がった商品を10セット分だけ、アイテムボックスに入れて、商業ギルドに行った。


 私達は、2回の商業ギルド長の部屋に入っていった。


 「おぉ、テラ、もう出来上がったのか。」


 「はい、10セットお持ちしました。それぞれ、セットで梱包しています。必ず、セットで売ってくださいね。」


 「その点は、よく理解しているよ。心配はいらん。」


 「それでは、よろしくお願いします。」


 「分かっていると思うが、売れた分だけでの清算で、清算日は、翌月の3日になっている。」


 「はい、結構です。清算日に来れないときは、どうすれば、いいですか?」


 「清算日に、商業ギルドに来られる必要はない。商業ギルドの職員がすべて手続きを行う。その結果は、即座に商業IDに反映される。」


 「わかりました。よろしくお願いします。」


 これで、当面の仕事は、終わりだ。今日は、早いがスピアと一緒に寝てしまおう。

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