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222.赤の竜人と遺跡

 マリーに調査依頼をしていたが、直ぐに、マリーから、魔法陣の映像が送られてきた。それを見ると、転移魔法用の魔法陣であることは分かった。ただ、通常の物とは違い、大量の物や人を転送することが出来る大掛かりな物だった。おそらく、50人程度であれば、一度に転送することが出来そうだ。


 私は、直ぐに、マリーと合流して、赤の竜人(ルーブロマ・ドラコ)のいるダンジョンに向かった。マリーの部下のカモミールとダリアも同行させた。


 私達は、隠密魔法で、姿を消して、ダンジョンの中に入って行った。マリーの先導で、遺跡のある最下層まで、一気に進んで行った。


 「ムーン様、ここです。あの遺跡が報告したものです」


 マリーは、最下層の中央にある遺跡を指し示した。


 「分かった。一緒に、転移しよう」


 「「はい」」


 私は、周りに誰もいないことを確認してから、魔法陣に魔力を注ぎ、全員で、転移をした。


 移動した先も、同様の遺跡の中だった。そして、そこには、5つの魔法陣が描かれていた。中央の魔法陣は、元に戻るための物だと、直ぐに分かった。残りの4つは、それぞれ、別の場所に転移するための物だ。


 「マリー、この周辺を調べてくれ」


 「はい」


 マリーは、カモミールとダリアに指示をして、3人で、遺跡の中を調べ始めた。


 暫くして、3人が戻って来た。


 「ムーン様、特に、何もありません。ただ、定期的に大量の物資を運んでいた形跡があります」


 「何、大量の物資を運んでいただと!」


 「はい」


 「それでは、この遺跡の外を調べるぞ」


 「「はい」」


 私は、外に出る前に、スキル探索で、魔物の存在を知れべることにした。しかし、遺跡の周りには、特に、危険な魔物はいないようだった。それでも、初めての場所なので、用心しながら、遺跡から出ることにした。


 「マリー、周りに注意しろ」


 「はい」


 遺跡のあった場所は、地下3階で、直ぐに、外に出ることが出来た。外の景色は、この場所が小さな島のように見えた。ただ、不思議なのは、島の外には、海がなく、雲のようなものが見えているということだ。


 私達は、綺麗に舗装された道を進むことにした。暫く歩くと、倉庫のような建物が複数見えて来た。私は、マリーに指示をして、倉庫の中の物を調べさせた。


 「ムーン様、倉庫の中には、食料や日用品が収められています」


 「武器は、なかったか?」


 「はい、一つずつ中を確認していきましたが、武器のような物はありませんでした」


 「そうか。食料などが収められていたか」


 私は、もう一度、スキル探索で、この島全体を調査した。しかし、私達以外には、動くものはなさそうだ。


 「今日は、一旦帰ることにする。深入りは危険だから」


 「「はい」」


 私達が、遺跡の地下に潜っていくと、反対に下から、上がってくるものがいた。


 「マリー、誰かが上がってくる。そこで、隠れろ」


 私達は、隅に潜んで、上がってくる者を確認することにした。上がって来たのは、4人の魔人だった。ただ、私には、どの部族の魔人なのかは、見分けがつかない。だが、魔王軍の魔人ではなさそうだ。


 4人から、少し遅れて、赤の竜人(ルーブロマ・ドラコ)がやって来た。4人の魔人は、慣れている感じで、遺跡を出て行った。赤の竜人(ルーブロマ・ドラコ)は、私達の方を軽く見たが、特に、立ち止まることなく、4人の魔人の後について、遺跡から出て行った。


 私は、用心のために、思念伝達で、マリーに連絡を取った。


 「今日は、このまま、帰るぞ」


 「はい」


 マリーが、直ぐに返事を帰して来た。私達は、遺跡の最下層にある転移用の魔法陣の前に来た。そして、私が、魔法陣に魔力を注ぎ、起動した。


 直ぐに、元のダンジョンの最下層の遺跡に移動することが出来た。


 「マリー、カモミール、ダリア、私の傍に来なさい」


 「「はい」」


 私は、3人を抱き閉めて、全員が私に密着していることを確認してから、転移魔法で、秘密の基地に移動した。


 私達は、隠密魔法を切って、姿を現した。そして、引き続き、赤の竜人(ルーブロマ・ドラコ)を監視するように、マリーに指示した。


 「赤の竜人(ルーブロマ・ドラコ)は、魔人族と交流があるようだ。どの魔人族と、どのような交流があるのか、調べてくれ」


 「了解」


 マリーは、カモミールとダリアに指示をして、早速、監視を始めさせた。


 「マリー、魔人族の中に、密偵を潜り込ますことは、可能か?」


 「はい、可能です。どうも、隠密魔法は、魔人にも有効なようです。ですから、気付かれずに、潜り込むことが可能です」


 「それじゃ、頼む。それから、魔人族を区別できる者を探して欲しい。できれば、冒険者のモリーロ以外で、探してくれ」


 「了解」


 私は、後は、マリーに任せて、カタリナの居る城に転移魔法で、移動した。


 直ぐに、カタリナの部屋に行き、中に入って行った。


 「カタリナ、帰ったよ」


 「ムーン、こっちに来て」


 私は、カタリナの傍に行き、肩を抱きしめて、耳元に囁いた。


 「好きだよ」


 「私も、好きよ」


 カタリナは、私を抱き返して、顔を私の胸に埋めた。カタリナを幸せにしたいが、何が夢だろう?

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