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217.魔人族の交流関係

 炎の魔人族、氷の魔人族、雷の魔人族は、それぞれ、魔法が使える。炎の魔人族は、火魔法に特化しており、氷の魔人族は、水魔法に特化している。そして、雷の魔人族は、水魔法と風魔法の両魔法に特化している。


 だから、土の魔人族の冒険者モリーロが、魔法を使えないと言っていたことが、気になった。あれは、単に攻撃魔法が使えないと言う意味だったのか?


 そして、土の魔人族だけが、田や畑を耕して生活している。その他の魔人族は、狩猟民族の様だ。魔物や動物を狩って、生活している。


 ただ、不思議なのが、食べることは、狩猟で賄えるが、日常生活に必要な物は、どうしているのだろう?


 何等かの方法で、交換しているのだと思う。そのあたりをもう一度、調べて貰おう。


 私は、思念伝達で、マリーに連絡を取って、それぞれの民族の交流関係を調べて貰うように依頼した。


 イーデン王国のカーブム国王に依頼された病気自体を勉強する機関を作ることにした。しかし、他国で、最初に作るのは気が引けた。そこで、カタリナに話して、ヘノイ王国で、先に作ることにした。


 私は、ムーンに姿を変えてから、カタリナの居る城に転移魔法で、移動した。


 「カタリナ、少し相談があるんだが、今、いいかな?」


 「はい、何ですか?」


 「この国に、病気を勉強する施設を作りたいのだが、許可して貰えるかな?」


 「何故、私に、許可を求めるの。ムーンが決めたら、それで、いいわよ」


 「だが、王女には、知っておいて欲しい」


 「あら、すべてムーンに任せて良かったのじゃないの? それとも、私も、何か、仕事をしないといけないの?」


 「すまない。うっかりしていたよ。カタリナは、今のままでいいよ。私の傍に居てくれるだけで、いいよ」


 「まあ、嬉しい」


 カタリナが、私に飛びついて来た。もう、すっかり、大人になっている。私は、ふくよかなカタリナの身体を抱きしめて、おでこにキスをした。


 「ムーン、今日は、私に付き合ってくれる?」


 「いいよ。何か、買い物かい?」


 「特に、何も、決めていないわ。ただ、ムーンと一緒にいたいだけよ。ムーンたら、最近、私の傍に居ないから」


 「分かったよ。今日は、一日、カタリナと一緒にいるよ」


 最近、ルナとムーンとを同時にこなしているので、カタリナをおろそかにしていたかもしれない。


 最初の目的だった国王と魔王との関係については、カタリナが王女になる時に、知ることが出来た。その為、カタリナを疎かにしていた。でも、カタリナを一人の女性として、大切にしてあげないといけない。私の我儘で、カタリナを不幸にはしたくなかった。


 私達は、街に出かけて、普通の恋人同士のように楽しんだ。そして、夕食を取った後、城に戻って来た。


 「カタリナ、今日は、楽しんだかい?」


 「えぇ、楽しかったわ」


 「良かった。私も、仕事ばかりでなく、カタリナと一緒にいたいな。今日は、嬉しかったよ」


 「あら、もう、どこかに出かけそうな感じね。今日は、まだ、終わっていないわ」


 「まだ、何処にも行かないよ。今日は、カタリナと一緒にいるよ」


 カタリナは、私の手を取り、自分の部屋に私を連れて行った。


 「もう、私も大人よ。ムーン、一人の女性として扱って欲しい」


 「分かった」


 私は、カタリナを抱き上げて、ベッドに寝かせた。


 「今日は、カタリナは、私だけのものだ」


 「いつも、私は、ムーンの物よ。そして、ムーンは、私だけの物」


 「好きだよ。カタリナ」


 「私も、ムーンが大好き」


 結婚して、5年も経ったが、初めて、カタリナを愛していることに気が付いた。そして、カタリナも、私を愛してくれている。


 私は、カタリナを抱きしめて、優しくキスをした。すると、カタリナも返して来た。


 私達は、そのまま、朝まで、一緒に楽しく過ごした。朝になると侍女が朝食を持ってきた。2人で、一緒に朝食を取ってから、私は、カタリナに仕事に出かけることを告げた。


 「ムーン、今日も、ここに帰って来てね」


 「分かったよ。仕事が終わったら、直ぐに戻るよ」


 私は、思念伝達で、サルビアに連絡を取った。


 「サルビア、少し、相談したいことがあるのだけど、今から、会えるかな?」


 「いいわ。私の屋敷に来てくれる」


 「直ぐに、行くよ」


 私は、カタリナの部屋を出てから、転移魔法で、サルビアの屋敷に移動した。


 「サルビア、久しぶり。実は、新しい学校を造ろうと思っている。それを、サルビアに手伝って欲しい」


 「どんな学校を創るの?」


 「実は、魔法学院では、光魔法で、治癒魔法を教えているが、病気その物を教えていない。だから、表面上の治癒に終わっていることがある。それでは、病気を治したと言えないので、病気のことを勉強できる場所が必要だと思っている。そして、そこで、病気の事を研究して貰いたい」


 「それは、いいことね。私も、手伝いたいわ」


 「良かった。もっと、具体的な事が決まったら、また、連絡する」


 「私も、何が必要なのか、考えておくわ」


 「ありがとう」


 私は、サルビアと別れて、テラ・ワールドの本店に転移魔法で、移動した。これから、忙しくなるぞ。

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