21.ランクアップを目指して
今日は、店の収支を考えることにした。
すべて、無人販売用の機械で、商品を売っている。その種類は、8種類になる。
青のポーション(初級)【金貨1枚】
青のポーション(特級)【金貨10枚】
赤のポーション(初級)【金貨1枚】
赤のポーション(特級)【金貨10枚】
毒消し(初級)【金貨1枚】
毒消し(特級)【金貨10枚】
アイテムボックス(初級)【金貨1枚】
アイテムボックス(中級)【金貨10枚】
金貨10枚の商品は、売れていない。売れたのは、金貨1枚の商品だけだ。
そして、青のポーション<毒消し<赤のポーション の順に売れている。
そこで、売る商品を変えることにした。
青のポーション(初級)【金貨1枚】
青のポーション(中級)【金貨2枚】
毒消し(初級)【金貨1枚】
毒消し(中級)【金貨2枚】
赤のポーション(初級)【金貨1枚】
赤のポーション(初級)【金貨2枚】
赤のポーション(特級)【金貨10枚】
アイテムボックス(初級)【金貨1枚】
これで、暫くようすを見ることにした。
1階に行って、開店の準備をしてから、冒険者ギルドに行った。
「ローララ、お早う。
ちょっと、相談があるんだけど、いい?」
「いいよ。何?」
「私、今は、Dランクなんだけど、後、どれぐらいで、Cランクになるか知りたいの。」
「ちょっと、冒険者IDを貸してくれる。見てみるよ。」
「はい、これで、お願いします。」
「ちょっと、待ってね。
あと、僅かね。
サーペイントを3匹でいいよ。」
「ありがとう。ローララは、いつも綺麗ね。行ってきます。」
「ありがとう。気を付けてね。」
冒険者ギルドを出るとすぐに、中級ダンジョンに転移魔法で移動した。
「サーペイントを探すね。
第20階層、第21階層に1匹ずついるね。レベルも45で、やりやすいね。
行くよ。」
「うん。行く。」
私達は、目的のサーペイントの居る第20階層まで、一気に進んで行った。途中の魔物は、出来るだけ無視した。
「スピア、居たよ。
まずは、風魔法の風カッターで、鱗を削るよ。」
私は、連続で、風カッターを放った。鱗が数枚剥がれた。スピアが、すかさず、鱗が剥がれた部分を爪で引っ掻いた。すると、肉が削り取られ、スピアは倒れた。
「スピア、良くやった。
強くなったね。」
「うん。強くなった。」
サーペイントから飛び出した魔石を回収してから、第21階層へ潜った。
途中に出くわしたワーウルフの群れを倒しながら、2匹目のサーペイントの所まで来た。
「さっきと同じでいくよ。」
「うん。頑張る。」
私は、先ほどと同じように、サーペイントの胴体の同じ所に、風カッターを連続で放った。すると、鱗が数枚剥がれ、地面に落ちた。と、同時にスピアが、サーペイントの胴体を切り裂いた。
スピアは、サーペイントの魔石も回収してくれた。さあ、後1匹だ。
私は、もう一度、スキル探索で、サーペイントの位置を調べた。
すると、同じ階層に3匹、固まっていた。すこし、厄介だ。
3匹が固まっている以上に、その中の1匹がポイズン・サーペイントだったからだ。
私は、毒耐性を持っているのでいいのだが、スピアは、まだ、持っていない。
ポイズン・サーペイントにぶつかると思っていなかったので、準備不足だった。
仕方がないので、いままでの闇魔法での結界とは別に、スピアを強化することにした。私は、光魔法で、スピアの毒耐性を強化した。
「さあ、行くよ。
毒を吐くので、避けてね。」
「うん。分かった。」
まずは、2匹の普通のサーペイントを倒すことにした。まず、1匹目は、これまでと同じように倒す。その前に、土魔法で、各サーペイントの間に壁を作った。高さ10mにも達するもので、サーペイント同士が連携を取るのを阻害した。
次に、ポイズン・サーペイントの下半身を泥沼の中に埋めておいた。
一番手前のサーペイントの鱗を風カッターで剥がし、次のサーペイントの鱗も同様に風カッターで剥がした。
スピアの攻撃は、的確で素早い。私が、剥がした鱗の下から、血しぶきが上がっていく。
2匹のサーペイントを倒した。最後のポイズン・サーペイントの鱗を風カッターで剥がした。
しかし、毒を吐くので、スピアの攻撃が届かない。わたしは、闇魔法でポイズン・サーペイントの口を結界で覆って、毒が掛けられないようにした。
「スピア、今よ。」
「うん。」
スピアの声が聞こえると同時に、ポイズン・サーペイントの胴体が切断された。
スピアは、毒を避けながら、魔石を回収した。
目的が達成できたので、私達は、冒険者ギルドに向かった。
「ローララ、戻ったよ。」
「テラ、早かったね。」
「引き取ってくれる。」
「いいよ。ここに入れてね。」
「スピア、入れてね。」
「うん。入れる。」
スピアは、今日の収穫であるサーペイントの魔石などをトレーに入れて行った。
「サーペイントが2匹、ポイズン・サーペイントが1匹、ワーウルフが23匹ね。
冒険者IDを貸してね。」
「はい、これです。」
ローララは、冒険者IDをトレーに接触させて、結果を記録した。
「やったね。Cランクになったよ。」
「本当。やっと、Cランクだ。これで、上級ダンジョンにチャレンジできる。」
「おめでとう!」
私は、嬉しくなって、ローララの手を両手で、握っていた。そして、その手を上下に振っていた。
「バイバイ。また、来るね。」
今日の主な目的は達成できた。私達は、一旦店に戻る事にした。
店に戻ると、珍しい客が居た。