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203.ストレプトマイシン

ショーバェから思念伝達で、連絡が来た。新しい商品の販売が可能な状態になったようだ。


 「ムーン、先日言っていたストレプトマイシンの大量生産が可能になりました」


 「わかった。それでは、販売を開始するよ」


 私は、ショーバェとの思念伝達を切って、リンダに思念伝達で、連絡を取った。


 「リンダ、今、ショーバェから連絡がきたよ。ストレプトマイシンの大量生産を開始した。そこで、販売も開始したいと思う。いいかな?」


 「はい、大丈夫。ところで、それは、どのような病気に効くの?」


 「結核、ペストに適用がある。それ以外にも効果があるけど、今は、この2つをターゲットにして、販売していこう」


 「はい、わかったわ。また、こっちの様子も、見に来てね」


 「わかったよ」


 私は、リンダとの思念伝達を切った。そして、ミューに会いに、転移魔法で移動した。


 「あら、ムーン。どうしたの?」


 「どうしたのって、この間、お願いしたことは? 忘れたの?」


 私は、とぼけているミューの顔を覗き込んだ。すると、いきなり抱き付かれた。


 「覚えているわ。そして、進展もしているわ」


 「それなら、どうして、とぼけたの?」

 

 「仕事だけ押し付けて、ムーンが来ないからよ」


 「悪い、少し、忙しかったんだ」


 私は、ミューを抱き上げた、キスをしてあげた。すると、ミューは、嬉しそうに、話し出した。


 「実は、神殿長と接触することが出来たの。それは、カミーリというのだけど、どうも、お金に弱いみたい。最近は、何か、自慢できる物を探しているらしいわ」


 「そうか、それなら、何か、お土産を持っていけば、いいかもしれないね」

 

 「何か、いい物は、ないの?」


 「最近テラ・ワールドで売り出したオルゴールや陶器はどうだろう?」


 「確かに、高価だけど、既に手にしているかもしれないわ」


 「そうだね。一般に売り出しているから、希少価値がないね。そうだ。一点ものを作って、それを持っていくかい?」


 「どう違うの?」


 「売っている物とは、違うデザインや細工を施しておくということだよ」


 「そして、それは、一般には、売り出さないということね」


 「そうだ。よくできました」


 私は、ミューを抱き上げて、ご褒美をあげた。そして、再度、神殿長のカミーリに接触してもらうことにした。お土産には、金貨をたっぷり入れたアイテムボックスも付けることにした。


 私は、直ぐに作成して、ミューに持っていって貰うことにした。これで、こちらに都合の良いように動いて貰えれば、安いものだ。まずは、カタリナを国王にすることが最優先事項だ。


 現国王レーモンは、反対することは無いと思うが、最後まで、慎重に事を運ぶ必要がある。私は、年の為に、カタリナの城に転移魔法で移動し、念押しをしておくことにした。


 「エドは、いるかな?」


 私は、侍女に声を掛けた。すると、キョーリンが横からやって来た。

 

 「ムーンさん、私が呼んできます。カタリナも呼んだ方がいいですか?」


 「いや、カタリナには、私の方から会いに行くよ。だから、エドだけでいいよ」


 「はい、それでは、応接室でお待ちください」


 私は、応接室に入り、ソファで、待つことにした。暫くしてから、キョーリンがエドを連れて、現れた。


 「ムーンさん、お待たせしました」


 「これは、ムーンさん。今日は、どうしましたか?」


 「私とカタリナの結婚発表も無事に終わり、私も、この国の宰相としてスタートすることが出来ました」


 「ええ、私も、伺っています。そして、嬉しく思っています」


 「そこで、いよいよ、カタリナに国王になって貰おうと思っています。そこで、確実に国王になるまで、用心して貰おうと思って、来ました。今は、どのようなことも、慎重にして貰いたいのです。できれば、何もせずに頂けるとありがたいです」


 「分かりました。この城に籠っています」


 「ありがとうござい」


 私は、エドと別れて、2階に上がって行った。カタリナの部屋に入り、声を掛けた。


 「こんにちわ、カタリナ」


 「あら、ムーン。久しぶりね」


 「カタリナも、元気そうで、よかった」


 「今日は、何か、用事?」


 「特に何もないよ。カタリナの顔を見に来ただけだよ」


 「最近は、城に籠っているだけで、退屈なの。ムーン、何とかして」


 「何がしたいんだ?」


 「取り敢えず、外に行きたいわ」


 「買い物かな?」


 「それもあるけど、何か、いままで、見たことが無いものを見てみたいの」


 「それは、旅行をしたいということかな?」


 「できれば、他の国を見てみたいわ」


 「どこに行きたいの?」


 「アータキ国の都市コーリマに行きたいの」


 「急にどうしたの?」


 「フラン連合国の中でも、一番華やかな街だと聞いたの」


 「確かに、華やかな街だ」


 「ムーンは、行ったことがあるの?」


 カタリナが急に、私の横まで、やって来た。多分、甘えるつもりなのだろう。


 「あるよ」


 「ムーンだけ、ずるい」


 カタリナは、私の腕を取って、振り回し始めた。


 「分かった。連れて行くよ。でも、少しだけ待ってくれる?」


 「何日待てばいいの?」


 「そうだね。2日だけ待って欲しい」


 「いいわ。約束よ」


 「約束だ」

 

 私は、カタリナの我儘を許すことにした。まあ、特に、問題は、起こらないだろう。


 私は、思念伝達でアンジと連絡を取って、アータキ国の都市コーリマにあるテラ・ワールドの支店にカタリナを連れて行くことを伝えた。そして、買い物に適した店をリストアップしておくように指示をだ出した。それと、以前依頼した官吏を募集の件を報告して貰うことを伝えて、思念伝達を切った。


 カタリナの旅行に合わせて、少し、仕事も片づけて行くことにした。誰を同行させるか、少し悩ましいが、出発前に決めておくことにした。

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