177.カタリナのお城
私は、マリーからの思念伝達で、連絡を受けて、直ぐに、カタリナに居る城に転移魔法で、移動した。
「マリー、ご苦労。」
「カタリナ様がお待ちです。」
「すぐ、行くよ。」
私は、また、転移魔法で、カタリナの部屋に移動した。すると、侍女キョーリンがお茶を入れているところだった。
「カタリナ、お待たせ。」
「あっ、ムーン、来てくれたの。」
「もちろんだよ。カタリナの呼びかけには、直ぐに答えるよ。」
「うれしい。」
私は、カタリナの傍のソファに腰を掛けて、侍女キョーリンが入れたお茶を飲んだ。
「ムーンに、お願いがあるの。」
「何だい。遠慮せずに、言ってごらん。」
「今度、社交界デビューをするけど、お父さんが、今の屋敷では狭いって言うのよ。」
「確かに、狭いかも知れないね。ダンスは好きかい?」
「はい、大好き。夜通しでも踊れるわ。」
「そうか。それなら、お城が良いんじゃないか?」
「えっ、ムーンも、お城がいいと思うの?」
実は、エドから、カタリナの希望を事前に聞いていた。だから、私に方から、言ってあげた。
「そうだよ。カタリナの社交界デビューだからね。できるだけ、広い所でやってあげたいよ。」
「良かった。私も、お願いしようかと思っていたの。それで、どこにあるの。そのお城?」
「それじゃ、一緒に作ろうか。」
「本当!私の思っている城にしてくれる?」
「カタリナは、絵が上手かな?」
「まあまあよ。それじゃ、今から、お城の絵を描くね。」
「いいよ。待っているよ。」
私は、思念伝達で、ナターシャに連絡を取り、エドの屋敷の近くの森を購入するように、指示を出した。少ししてから、ナターシャから、思念伝達で、「購入できた」と連絡が入った。
カタリナの方も、絵が出来上がったようだ。外観だけど、なんとなく、イメージできる。
「出来たようだね。」
「うまく書けなかったけど、こんな感じにしたいの。」
「それじゃ、創りに行こうか。」
「これから、行くの?」
「早い方がいいだろう。」
私は、カタリナに手招きで、私の方に来るように指示した。
カタリナが、私の横に来たので、私は、カタリナを抱き上げて、転移魔法で、エドの屋敷に移動した。ここにも、事前に、転移魔法用の魔法陣を描いておいた。
「あれ、此処は、お父さんの屋敷よ。」
「そうだよ。この近くの森に作るよ。」
「森って、この横にあるところ?」
「そうだよ。そこに作るよ。」
「でも、あの土地は、別の貴族の土地よ。勝手に作っていいの?」
「もう、あそこは、カタリナの土地だよ。カタリナの名前で購入したよ。」
「すごい、ムーンって、すごい、お金持ちね。」
「まあね。カタリナの希望する物なら、何でも買ってあげるよ。それじゃ、あそこに行こうか。」
私は、カタリナを抱きかかえて、森の中に移動した。そして、土魔法で、森の一部を更地にして、城を立てる場所を確保した。
「カタリナ、さっきの絵を見せてくれる。」
「はい、これです。」
私は、カタリナから、絵を預かった、それに近いイメージの城を作った。そして、内装は、ダンスを中心に作った。ここで、暮らすことはないので、今回の社交界デビューだけを最優先にした内容にした。
「さあ、出来たよ。中に入ろうか?」
「はい、ムーン。」
私は、カタリナを抱いたまま、城の中に入っていった。
「内装は、カタリナが好きな物を飾るといいよ。好きにしていいよ。」
「うれしい。」
カタリナは、喜んで、私を抱きしめた。そして、私のほほにキスをしてくれた。
私は、思念伝達で、マリーに連絡した。そして、城を完成させたことを伝えた。そして、転移魔法用の魔法陣を作ったことを伝えた。マリーは、神具を使って、転移用魔法陣を使って、移動してきた。
「カタリナ、マリーは、知っているね。」
「うん。知っているわ。」
「マリーといっしょに、内装や、食事などを決めなさい。遠慮はいらないよ。」
「はい、わかった。」
「それじゃ、マリー、後はよろしく。」
「はい、ムーン様。承りました。」
私は、カタリナを下に降ろして、頭を撫でてから、挨拶をして、元の城に転移魔法で移動した。
何だか、急に人恋しくなってしまった。でも、ガーベラには、今、会うことができないし、レイカとは、以前のようには、会うことができない。リンダとの関係も微妙だ。
考えたすえ、ミューに会いに行くことにした。私は、転移魔法でミューの部屋に移動した。
「ミュー、久しぶり。」
「ムーン、本当ね。いつまで、私を放っておくのよ。」
「だから、こうして、やって来ただろう。」
私は、ミューの近くに行き、唇を奪った。そして、抱きかかえた。今の身体だと、ちょうどいいみたいだ。やっと、ミューと大人の関係が築けるようだ。
私は、ミューをベッドに放り投げた。そして、その上に覆いかぶさった。
「そろそろ、ミューに働いて貰いたいなぁ。」
「いいわよ。ムーンの為なら、何でもできるわよ。」
私は、ミューの柔らかい太ももに顔を埋めながら、ミューを生まれたときの姿に変えていった。
ミューなら、オーガネッチの時のように、カネーダを手玉にとれそうだ。私は、安心して、ミューとの関係を楽しむことが出来た。