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170.ムーンの専属の密偵

 私は、ナターシャに城を購入するように指示をした。このまま、13人の患者を治していくと、何人の侍女を雇うことになるか、分からないからだ。


 それと、もう一つ、ナターシャに指示をしたことがある。それは、私の社交界デビューだ。社交界にデビューして、私の顔と名前を売ることが、この貴族を買った主な目的だから。


 普通は、もう少し若い時にデビューするものだが、そんなことは、言ってられない。ナターシャに、社交界へのお披露目パーティーを企画して貰うことにした。ナターシャも、詳しくないということなので、フットーヒ侯爵に相談するように言っておいた。


 さて、今日は、マリーの洗脳から始めるとしよう。私は、マリーを書斎に呼んだ。最初、書斎と聞いて、マリーは驚いた。というのも、先日、私が外出するときに、誰もいれるなと厳命していたからだ。


 「あのー、ムーン様、私が書斎に入ってもいいのでしょうか?」


 「必要だから、呼んだ。無駄な事を喋らすな!」


 私は、少し大声で、マリーを怒鳴りつけた。マリーは、少し、怯えているようだ。しかし、本当の恐怖は、これからだ。


 私は、闇魔法で、結界を創り、書斎全体を覆い尽くした。これで、外部から、この部屋の様子を探ることは出来ない。つまり、この部屋の音は、外に漏れないということだ。


 「今、私は、この書斎に結界を張った。これが、どういう意味か分かるか?」


 「いいえ、分かりません」


 私は、土魔法で、マリーの手と足を拘束した。そして、ソファの上に運んでいった。


 「今から、何をするか、分かるか?」


 「いいえ、分かりません。私は、何か、しましたか? ムーン様のご不興を買うようなことをしましたか?」


 「まだ、気が付いていないのか? まあ、よい。直ぐに、分かるよ」


 「何が、分かるのですか? ムーン様に、逆らうことはありません。だから、止めてください」


 「ほぉ、今から、私がすることが分かるのか?」


 「いえ、だから、分かりません。でも、止めてください」


 「可笑しな奴だな。何をされるか、分からないのに、何を止めればいいのだ」


 「だから、何も、しないでください。お願いします。何でもしますから」


 「ほう、何でもしてくれるというのだな」


 「はい、そうです」


 マリーは、すっかり怯えているようだ。勝手に想像しているようだ。どんな想像をしているのか、興味があるが、それは、またの機会にしよう。


 「それでは、お前の目的を話せ」


 「えっ、何の事でしょうか?」


 「俺は、短気だと言ったのに、まだ、分かっていないようだな」


 私は、火魔法で、顔ぐらいもある炎を出して、ソファの上で寝ているマリーの傍に近づけた。


 「ムーン様、熱いです。止めてください」


 私は、黙って、更に顔に近づけた。


 「分かりました。言います。だから、止めてください」


 私は、聞こえてない振りをして、更に近づけた。もう、1cmもないぐらいだ。暑さで、耐えれないほどに成っているはずだ。


 「熱い、熱い、顔が燃えてしまう。止めてください」


 私は、少し、ほほに火傷を負わせた。


 「痛い、痛い」


 マリーは、顔を炎から離そうとしたが、それは、無駄なことだ。私は、更に近づけようとした。


 「私は、この屋敷を監視するために来ました。何でも言いますから、聞いてください」


 私は、火魔法を消した。そして、ほほの火傷を治癒してやった。


 「やっと、話す気になったようだな。こんなに待ったのは、初めてだ。俺が、短気だということは、まだ、分かっていないようだな」


 「いえ、もう、分かりました。本当です」


 マリーは、泣きながら、私に訴えかけた。これで、少しは、話すようになったようだ。


 私は、火傷が治ったほほを撫でてあげた。マリーは、私の手を避けて、顔を背けそうになったが、すぐに、止めて、私がするがままにした。


 私は、それを確かめる様に、もう一度、ほほを撫でてあげた。すると、今度は、全く身動きをせずに、私に身を任せていた。


 私は、時間をゆっくりかけて、マリーを私専属の密偵に仕上げていった。所謂2重スパイだ。それと共に、密偵としての技術をこれから教えていくつもりだ。マリーを暗殺者としても、育て上げるつもりだ。


 同じような事を、カモミールとダリアにも、順番に行っていった。そして、それを何度も繰り返し、完全に洗脳してしまった。


 これで、私の手駒として、働いて貰える。この数を増やしていこう。早く、城に移らないとだめだな。

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