145.日記の新な1ページ
今朝は、城の書斎で、昨日の出来事を日記に書き加えた。新たな1ページが書き込まれた。
私は、ヤーロンが来るのを待っている。朝の紅茶を頼んでいる。
「テラ様、お持ちしました。」
「ありがとう。そこに置いてくれる。それから、何か、話はないかな?」
「特にありません。」
「そうか、下がっていいよ。」
ヤーロンが部屋を出て行った。やはり、無理だった。ヤーロンがレイヤやミューを監視するって。
私は、スピアに思念伝達で連絡を取った。
「スピア、久しぶり。どう?」
「もう、落ち着いたわ。レンゲーだけでも、もう大丈夫ね。」
「それじゃ、一緒に出掛けないか。」
「いいわよ。でも、仲間はどうするの?」
「暫く、ヘノイ王国のテラ・ワールドの基地で待機して貰ってくれる。」
「わかったわ。仲間に伝えておくよ。
それで、私は、どうするの?」
「今から、スピアを迎えに行くよ。」
「それじゃ、待っているね。」
最近、スピアは、言葉が上達している。もう、普通に話せるようになっている。
私は、転移魔法で、未知の大陸の港にある基地に移動した。
「スピア、お待たせ。」
「テラ、元気そうだ。」
「スピアの背中に乗せてね。」
「いいよ。それで、どこに行くの?」
「このまま、北に突っ走って行ってね。川の所で、止まってくれる。」
「テラ、しっかり掴まっていてね。それじゃ、行くよ。」
スピアは、速い、風より速い。遠くにあると思っていた川が、もう、見えている。って思ったら、到着した。
「テラ、着いたよ。」
「それじゃ、少し待っててね。」
私は、川のこちら側に、港と同じ基地を作った。5階建ての基地だ。ついでに、地下も5階にしておいた。そして、地下5階に転移用の魔法陣を描き、操作盤も立てておいた。
次に、今作った基地を囲んで、高さ20mの塀を作った。ちょうど、真上から見ると、基地が半円の中心になって、川が弦のように見えるはずだ。
次に、川に橋を架けた。橋には、魔法で、結界で覆って、魔物が通れないようにした。
「スピア、また、乗せてね。」
「いいよ。どこへ行くの?」
「目の前の橋を渡ってくれる。」
「はい。着いたよ。」
私は、スピアの背に乗り、橋を渡った。スピアにかかると、20mの橋は、一瞬だった。
「少し、待っていてね。」
私は、先ほど作った、基地と岩の壁を川のこちら側にも作った。
「スピア、いいよ。また、乗せてね。
今度は、川の西の端に行って欲しいんだけど、ゆっくり行ってね。」
「いいよ。速すぎたら、言ってね。」
「わかった。」
「それじゃ、い・く・よ。」
スピアは、ゆっくりと、川に沿って、西に向かって移動を始めた。私は、スピアの動きに合わせて、川に沿って、高さ20mの岩壁を作っていった。
漸く、西の端に到達した。今度は、川をジャンプで、飛び越えて貰い、東に向かって進んで貰った。
そして、東の端に着いたら、また、川をジャンプで、飛び越えて、西に向かって進んで貰った。
これで、川の両岸に岩壁がそそり立った。私は、川の南側をスキル探索で魔物を調査した。
気になるような群れはいないようだ。これで、川の南側は、テラ・ワールドの領土になった。
私は、思念伝達でレンゲーに連絡を取った。そして、川の両側に基地を作ったので、兵士を100名ずつ待機させておくように伝えた。
「それじゃ、スピアの仲間の所へ行こうか。」
「はい、行こう。」
私は、スピアの腰に抱き付いて、転送魔法で、ヘノイ王国のテラ・ワールドの基地に移動した。
「それじゃ。今度は、このヘノイ王国に、テラ・ワールドの領土を創るよ。」
私は、勝手に、森の近くに地下基地を創り、結界で、森に入れないようにした。それを、ヘノイ王国の人の居ない森すべてに行った。
それから、スピアの仲間に、すべてのダンジョンを制圧して貰った。これで、ヘノイ王国のダンジョンはすべて消えた。
おそらく、ヘノイ王国の冒険者は、他の国に流れて行くだろう。
「スピア、仲間に暫くは、ヤガータ国で、暮らしてくれるように頼んでくれる?」
「いいよ。でも、いつまで?」
「まだ、よく分からないけど、スピアの仲間は森の中の方がいいの?」
「そうだね。街より、森の中の方が好きだよ。」
「それなら、さっき、待機してた森はどう?」
「あそこなら、良いと思うよ。普通に生活できそうだよ。」
「そしたら、そこで、暫く暮らして貰うように言ってくれる。」
「いいよ。」
スピアは、仲間の了解を取ったようだ。
「それじゃ、この後は、どうする?」
「僕たちの城を建てたから、そっちへ、行こうか。」
「テラが、城と建てたの。見てみたい。」
私は、スピアに抱き付いて、転移魔法で、私達の城へ移動した。
「スピア、着いたよ。」
「大きいね。それに、綺麗だ。」
私は、出迎えに来たシュープルをスピアに紹介した。
「この城の執事長のシュープルだよ。」
「こんばんわ。スピアと言います。」
「お初にお目にかかります。執事長のシュープルです。よろしくお願いいたします。」
「スピアは、私の相棒だから、丁重に扱ってね。そうだ、スピアの部屋を決めよう。シュープル、客室の1つをスペアの部屋にするよ。どこがいいか、案内して。」
「それでは、テラ様、スピア様、こちらにどうぞ。」
私達は、シュープルについて、城の中に入って行った。城の中は、前より、従業員が増えているように感じた。何故か、やけに多いな。
私達は、2階の奥の部屋に案内された。
「この部屋をお使いください。」
「ドアに、スピアの部屋と分かるようにしておいてくれる。」
「それでは、直ちに、何か作ってきます。それでは、失礼します。」
私達は、スピアの部屋に入っていった。
「スピア、この部屋でいい?」
「気に入ったよ。ここで、いいよ。」
「大きなベッドだね。」
私は、ベッドに飛び込んだ。すると、スピアも私の横に来た。久しぶりのスピアだ。私は、スピアに抱き付いて、尻尾を手に持って、顔をうずめた。モフモフだ。気持ちいい。
私は、スピアを抱き枕の様にして、少し、眠りについた。