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144.やつれたレイカ

 ミューと私は、新たな関係になった。お金で済むので、非常に楽だった。レイカの家の事は、ミューが言って、処理することになった。それから、私の城にレイカを連れてくることになった。ミューの言うとおり、レイカが言いなりなら、有り難い。


 そして、この新しい関係は、誰にも言わないように、いや、言えないようにしておいた。こちらは、お金の力ではなく、魔法の威力でだが。


 数日後、レイカとミューが城にやって来た。予め用意しておいた部屋にそれぞれが住むことになった。


 「シュープル、これから、一緒にこの城で生活するレイカとミューだ。よろしく頼むよ。」


 私は、シュープルの耳元で小さな声で言った。


 「レイカは、私の側室だ。そのつもりで、丁重に接してくれ。それから、ミューは、レイカの家庭教師だ。ミューが望むのなら、お金はいくら使っても構わないよ。足らなかったら、私に言ってくれ。」


 「はい、テラ様、そのように。」


 「ヤーロンを私の書斎に呼んでくれ。」


 私は、自分の書斎に入っていった。暫くして、ヤーロンがやって来た。


 「テラ様、何か、御用ですか。」


 「私は、この城にいつもいるわけでないので、私の代わりの目と耳になってくれ。」


 「私は、どうしたらいいのですか?」


 「ヤーロンが猫耳族だということはしっている。だから、頼むのだ。」


 「はい、何なりと仰ってください。」


 「これから、レイカとミューの行動を記録してくれ。出来れば、何をしゃべっているのかをすべて記録してくれ。」


 「はい、わかりました。」


 「それじゃ、早速、動いてくれ。」


 「はい。行ってきます。」


 私は、失敗しても構わない。というか、このヤーロンが見張っていて、気づかない者など、居ないだろう。誰かが、見張らせていると思って貰うだけで十分だ。


 私は、隠密魔法で、姿を消して、ミューの部屋に入っていった。


 「レイカ、ここでの生活は、私の言うとおりにしなさいよ。」


 「はい。」


 レイカは、俯いたまま、ミューと目を合わそうとしない。


 「まず、一人で、外に行かないこと。いい?」


 「はい、外にいきません。」


 「テラから、誘われたら、ミューと一緒がいいというのよ。」


 「はい、そうします。」


 何だか、レイカがマリオネットに見えて来た。どこかに、糸がないか、調べたくなってしまった。


 どうして、こんな関係になったのかな。よくわからない。


 「ミュー、私、疲れた。部屋で寝るね。」


 「いいわ。起きたら、すぐに、私を呼ぶのよ。」


 「はい。」


 レイカは、静かに、自分の部屋に帰って行った。ミューは、服を楽な物に着替えている。


 この部屋は、客室として、用意したもので、部屋の中には、すべて揃っている。風呂やトイレはもちろん、簡単な料理が出来る様にキッチンもある。


 今日は、ここにやって来るのに、馬車を使ったようだ。ミューは、シャワーで、汗を流すつもりの様だ。暫くは、部屋を出ないだろう。


 私は、ミューの部屋を出て、隠密魔法を解除してkら、レイカの部屋に行った。


 「入るよ。」


 私は、レイカの返事も待たずに部屋に入っていった。レイカは、ベッドで、寝ているようだ。本当に疲れているのかもしれない。


 私は、念のためスキル鑑定で、レイカの健康状態を調べてみた。特に、病気ではないようだが、栄養不足になっている。食事を取っていないようだ。


 「レイカ。大丈夫か?」


 私は、アイテムボックスから、赤のポーションを一本取り出し、無理やり、レイカに飲ませた。


 「もう、何をするの。咽てしまうよ。」


 「暫く見ない間に、やつれたね。」


 「そうよ。テラのせいよ。無理やり、私を側室にして。それに、魔法学院も退学になったのよ。」


 「すまない。僕の我儘で、迷惑を掛けたね。」


 「何故、すぐに会いに来てくれなかったの。寂しかったのよ。」


 「だって、レイカが僕の事を嫌がっていただろう。だから、落ち着くまで、待っていたよ。」


 「テラのバカ、どうして、私の事が分からないの。」


 「ちゃんと、話してくれないと、分からないよ。口に出して、言ってよ。」


 「テラなら、言わなくても分かるでしょ。」


 「そんなことは、ないよ。レイカがどうして欲しいのか、教えてよ。」


 「今は、特にないわ。」


 私は、ベッドに入って、レイカを抱きしめた。


 「いやよ。今は、止めて。」


 私は気にせずに、顔中にキスをした。


 「レイカ、今でも、ミュー先生が嫌いか?」


 「テラ、急にどうしたの?」


 「今日も、ミュー先生と一緒にこの城にやって来ただろう。どうして?」


 「それは、テラが希望したのじゃないの?ミュー先生と一緒に城に来て欲しいって。」


 私は、首筋にキスをしながら、耳たぶを揉んだ。


 「それは、誰から聞いたの?」


 「ミュー先生よ。テラ、違うの?テラの希望じゃないの?」


 「僕は、レイカが来れば、それだけで、満足だよ。」


 「そうなんだ。そしたら、ミュー先生がこの城に来たかったの。」


 「僕には、分からないよ。両親を説得してもらうことは、頼んだよ。僕では、無理かもしれないから。」


 「テラでも、大丈夫だったと思うよ。そんなに、怒っていなかったから。一番怒っていたのは、ミュー先生だもの。そのミュー先生が急に、テラの側室になる方がいいって、変よね。」


 私は、レイカの服を脱がしていった。


 「レイカは、この城のお姫様だよ。何の遠慮もいらないからね。気に入らないことがあれば、僕が何とかするよ。だから、何も我慢しないでね。」


 私は、裸のレイカをしっかりと抱きしめた。今日は、レイカを離さない。

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