140.テラ・ワールド貴族用商品
私は、リンダが起きるまで、一緒にベッドの中にいた。スピアと寝ているときのように、不思議に安心感があった。リンダと寝るのは、初めてなのに違和感がなかった。いつもの1日のように、しっくりしている。
「リンダ、起きた?」
「テラ、ごめんね。途中で、寝てしまったわ。」
「いいよ。気にしなくて。良く寝ていたよ。最近、疲れているの?」
「そうね。少し働きづめかな。少しは、セーブするわ。特に、テラからの仕事が最近増えたのよ。」
「ごめん。つい、リンダを頼ってしまって。」
「冗談よ。気にせずに、頼ってね。テラは、昨日寝れたの?」
「大丈夫だよ。1日ぐらい寝なくても。」
「狭いベッドでごめんね。」
私は、シングルベッドで、リンダと裸で寝ていた。私が、リンダの服を脱がしていた。
リンダのふわふわで、温かい肌が、私を温めている。
思わず、布団の中に潜り込んで顔を擦り付けていた。
「テラ、くすぐったいよ。」
「ごめん、気持ちが良かったから。」
私は、布団の中から、リンダの顔を覗き込んだ。ふくよかな胸の上から、リンダの笑顔が見えた。
「そろそろ、起きるね。」
リンダは、ベッドを出ると、素早く服を着て、開店の準備を始めた。いつの間にか、バイオレットもリンダの横で、開店の準備を手伝っていた。
「なんだか、姉妹みたいだね。息ぴったり。」
「テラは、今日、どうするの?」
「特に、予定はないよ。」
「もう1泊する?」
リンダは、開店の準備を終えて、朝食の準備を始めた。
「そうだね。リンダ、今日の予定は?」
「いつもと同じよ。特別な予定は、入っていないわ。」
「そうか、少しだけ、時間をくれる?」
「いいわよ。食事が出来たから、食べながら、話さない。」
私達は、テーブルの前のソファに座り、並べられた料理を食べ始めた。
「テラ、紅茶で、よかった?」
「昨日も飲んだよ。美味しかった。」
「そう、バイオレットが入れたのね。あの子は、紅茶を入れるのが上手なの。」
「そのようだね。」
「それで、どんな話なの?」
「実は、2つあるんだ。1つは、加盟店のことだけど、出来るだけ早く、ヘノイ王国まで、広げたいんだ。」
「ヘノイ王国が、最終目標なの?」
「そうなんだ。実は、誰にも言っていないけど、ヘノイ王国を乗っ取ろうと思っている。」
「テラ、そんなこと、ここで話していいの?」
「いいよ。リンダとバイオレットは、信じているよ。」
「危険なこともあるかも知れないけど、リンダには、味方で居て欲しい。」
「いつでも、テラの仲間だよ。いっそのこと、家族になる?」
「そうだね。リンダといると落ち着くよ。」
「そう。嬉しいわ。もう、家族と思って、何でも言ってね。」
「わかった。そうするよ。」
「バイオレット、あなたも、私達の家族だからね。いいね。」
「はい、嬉しいです。リンダさんと家族になれて。」
「これからは、リンダさんじゃなくて、リンダ姉と呼んでね。」
「はい、リンダ姉。」
「良い感じね。」
リンダとバイオレットは、食べ終わった皿などを片付け始めた。
「もう一つは、何?」
「貴族用の商品を詰めておこうと思って。」
私は、考えて来た内容をメモ書きした物をリンダに渡した。
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陶器 金貨300枚
オルゴール 金貨600枚
家具
テーブル 金貨300枚
椅子 金貨100枚
ソファ 金貨1000枚
本棚 金貨500枚
サイドテーブル 金貨300枚
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「そうか、家具の種類が多いから、デザイナーの数が多いのね。」
「そうなんだ。メインを家具にするつもりなんだ。」
「それから、土地の事を言ってたわね。借りるだけでなく、買えないかと。」
「そうなんだ。買い取って完全に自分の物にしたいんだ。」
「ミヤーコ王国なら、何でも、金次第よ。多分、テラが思っていることが出来るよ。」
本店に、従業員が集まって来た。リンダとバイオレットは、多くの従業員に指示を出していた。
バイオレットが、急に大きくなったように感じた。仕事ぶりは、大人顔負けだ。
「テラ、どうする?暫くは、バタバタしてしまうわ。」
「また、連絡するよ。そうだ、リンダの部屋に魔方陣を描いてもいい?いつでも来れる様に。」
「いいわよ。遠慮せずに、いつでも来てね。」
「それじゃ、バイバイ。バイオレットも、バイバイ。」
「はい、テラ、失礼します。」
私は、一旦、城に転移魔法で、戻った。すでに、執事が働いていた。侍女に指示をして、家具の配置換えをしていた。庭にも、綺麗な花が咲いていた。
「あっ、これは、テラ様、いつお越しになられました。気が付かずに、申し訳ありません。」
「私は、馬車を使わないんだ。これは、内緒にして欲しい。いいかな?」
「はい、もちろんでございます。申し遅れましたが、私は、執事長のシュープルと言います。」
「よろしく。」
「こちらに控えてますのが、テラ様専属の侍女ヤーロンです。」
「私が、ヤーロンです。まだまだ、新米ですが、よろしくお願します。」
「ヤーロンは、ここが初めてなので、どうか、長い目で見てやって下さい。何か、あれば、私に言ってもらえるとありがたいです。」
「分かった。そうするよ。暫く、書斎にいるから、紅茶を持ってきてくれ。」
「はい、分かりました。」
侍女のヤーロンは、台所に向かって、走って行った。執事長のシュープルは、少し、顔色が変わった。
「それでは、私は、失礼します。」
執事長のシュープルは、庭に出て従業員に指示をしている。こちらは、新米ではないようだ。