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137.テラの社交界デビュー

 ヤガータ国の宰相と結婚したテラの名は社交界での話題となった。しかも、ウェーリィ国王の許可した結婚である。つまり、国王のお墨付きとなった。


 テラの噂のみ独り歩きし始めていた。だが、当の本人は、社交界など、全く眼中になかった。


 朝から、思念伝達でリンダに連絡を取った。


 「リンダ、以前の加盟店の計画はどうなっているの?」


 「あれは、順調よ。ヤガータ国の8割がたの商店は加盟したよ。一部の大手お商店は、敵対しているけどね。特に、オーガネッチは、同じようなシステムを創ろうとしているよ。」


 「オーガネッチか、そういえば、マテーダ王女は、どうしてる?」


 「なによ。その、どうしてる?って。私は、ほとんど知らないわ。」


 「ごめん、幅広く仕事をしているから、王宮にも顔が利くと思い込んだいたよ。」


 「確かに、これまでは、普通の商店や国民相手の仕事が中心で、貴族に対するものは、加盟店では扱っていないね。そのせいで、貴族エリアの商店の加盟店の参加は、ほどんどないよ。」


 「まあ、貴族エリアは、今後考えて行くとして、先に、ミヤーコ王国の加盟店をヤガータ国の加盟店程度にしておきたいね。」


 「それは、時間の問題よ。ミヤーコ王国の各街には、すでに、支店を1店舗以上作っているし、加盟店もどんどん増えているよ。」


 「それじゃ、イーキ王国はどうかな?」


 「こちらも、ミヤーコ王国と同じね。でも、農業が中心なので、赤のポーションだけでは、弱いね。」


 「そうだね。何か、別の商品を考えるよ。リンダも、提案があれば、教えてね。」


 「いいわ、考えておくね。」


 「それから、どこか、購入できる土地は、ないかなぁ。森やダンジョンを含んでもいいよ。」


 「そうね、ほとんどの国が土地は貸しているだけね。」


 「まあ、仕方がないね。それじゃ、借りるだけでもいいから、森の近くや森を含む土地やダンジョンの近くやダンジョンを含む土地を出来るだけ、安く、広く借りてくれる。それから、木は自由に切り出せる所にしてね。」


 「国は、どこでもいいのね。」


 「どこでもいいよ。それじゃ、お願いね。」


 「はい、わかったわ。」


 私は、リンダとの思念伝達を切った。今は、赤のポーションの生産量の拡大と、木を伐り出して、家具作りを始めようと思っている。貴族エリアでのテラ・ワールドの主力商品として、品質を高めて行こうと思っている。そのための土地の購入だ。まあ、レンタルでも、木を伐り出せれば、同じことだね。


 あぁ、リンダにテラ・ワールドの収支報告を聞いておくべきだった。これまで、優秀なリンダに丸投げしてきたが、結婚して、私も一家の主だし、すこしは、主らしくしていかないといけないね。


 そういえば、リンダに限らず、私は、従業員の給料すら、知らなかった。テラ・ワールドの儲けって、あるのかな。急に不安になってしまった。


 それに、前回の事があるから、レンゲーでは、軍師にはなれないなぁ。誰か、雇って、レンゲーを元の仕事に戻さないといけないね。


 軍隊と言えば、やはり、ソーロン帝国だね。あそこから、引き抜くこともありだね。それとも、イーデン王国か、だね。


 どちらの国も状況を調べている方が良さそうだ。落ち着いたら、調査してみよう。


 ソーロン帝国のベルーナ大佐やメルーロ元中将の様子は知っておくべきだね。


 私は、ガーベラに思念伝達で連絡を取った。


 「ガーベラ、テラだけど、今、いいかな?」


 「はい、旦那様、如何されましたか?」


 「変な言い方は、止めてよ。」


 「はい、テラ、何?」


 「城を用意したから、一緒に見に行かない?」


 「あまり時間がないけど、いい?」


 「構わないよ。場所と、どんな城かを見ておいて欲しいだけだよ。これから、一緒に住む、私達の城だからね。」


 「それじゃ、迎えに来てくれる?私は、王宮の自分の部屋で、待っているわ。」


 「わかった。直ぐ、行くよ。」


 私は、転移魔法で、王宮の自分の部屋に移動した。それから、隣の部屋のドアを叩いた。


 「コン、コン。テラだよ。」


 「早かったね。急いだの?」


 「そうだよ。ガーベラが時間がないって言ってたから。」


 「そんなに、慌てなくても良かったのに、まあ、いいわ。」


 私は、ガーベラを抱きしめて、私達の城へ移動した。


 「ここだよ。街からは少し離れているけど、転移魔法で、移動すれば、問題ないよ。それより、静かな所だろ。」


 「そうね。静かな所がいいわ。街中だと、来客の相手で、疲れるもの。」


 「そうでね。ガーベラは、この国の宰相だからね。特に、忙しいよね。」


 「そうね。宰相の仕事は、部下に任せることが出来てるよ。テラと一緒に官吏を多数採用したでしょ。あの中には、優秀な人材が多くいたの。特に、10人は、雇って、正解ね。」


 「そうか、それは良かった。もうすぐ、第2弾を開始するのだろう。」


 「そうよ。国も豊かになってきたから、じっくりと、公共施設の建設や公衆衛生を考えた都市開発を始めたいと思っているの。」


 「具体的には、何をするの。」


 「まだ、予算化はしていないけど、公衆浴場と下水道の施設ね。」


 「この国には、公衆浴場はなかったのか。知らなかったよ。それに、下水道はなかったね。今は、すべて、川に流しているね。」


 「そうなのよ。それで、結構苦情がくるのよ。臭いってね。」


 「そりゃ、大変だね。人が増えて来たから、下水道は、急ぐね。手伝うよ。」


 「テラ、いいの。結構な量の土木工事よ。」


 「まあ、何とかなるさ。」


 「相変わらずね。テラのそのいい加減さ。でも、神経質なテラって、想像つかないね。」


 「そうかなぁ。これでも、結構悩むよ。」


 「へぇー。」


 私は、ガーベラを抱きしめて、転移魔法で、王宮の自分の部屋に移動した。

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