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131.ホテルでの夕食

 私が、部屋に入ると同時に、ガーベラからの思念伝達での連絡が来た。


 「テラ、今いい?」


 「大丈夫だよ。何だい、ガーベラ。何か、トラブルなの?」


 「実は、レンゲーから、連絡が入って、魔物の大群に囲まれてしまったらしいの。」


 「えっ、レンゲーは、軍船に乗って、大陸を一周している所じゃないの?」


 「そうよ。ソーロン帝国の南の未知の国の南端に港と基地を作る計画だったでしょ。」


 「知っているよ。」


 「それで、基地を作った所を襲われたそうよ。」


 「それで、今、船はどうしているの?」


 「船は、岸から離れて、無事らしいよ。でも、完成した基地にレンゲー達が取り残されているの。」


 「テラ、何とかならない?」


 「今、魔法学院の見学の旅を続けている所なんだ。シルバに連絡して、僕が外れると言ってくれる?」


 「分かったわ。それじゃ、至急、応援に言ってね。」


 「わかったよ。」


 私は、思念伝達でスピアに連絡を取った。


 「スピア、テラだけど。」


 「テラ、久しぶり。元気?」


 「私は、元気だけど、仲間のピンチなんだ。助けてくれない?」


 「いいよ。もうすぐ、仲間も100人になるよ。」


 「それじゃ、仲間も連れて、来てくれる。」


 「いいよ。どこに行けばいい?」


 「ちょっと待ってね。」


 私は、スピアを待たせて、シロッコスに思念伝達で連絡を取った。


 「シロッコス、テラだけど。」


 「あっ、どうも、今、大変なことになっているのです。」


 「それは、ガーベラから、聞いたよ。そこで、船を1隻用意して欲しんだ。」


 「どのような船ですか?100人程度が載れる客船があるでしょ。それを1隻使いたい。」


 「はい、分かりました。直ぐに手配します。」


 「それから、それに偵察用気球を2つ積んでおいてくれる。それと、アイテムボックスに食料を3か月分積んで置いてね。これは、今から行く100人分だけじゃなくて、レンゲー達の分も計算して入れておいてね。」


 「はい、それも大丈夫です。」


 「それじゃ、お願いします。」


 私は、シロッコスとの思念伝達を切った。


 「スピア、お待たせ。ヤガータ国の港に船を用意したから、それに乗ってくれる?」


 「いいよ。すぐ、出発するね。」


 私は、スピアとの思念伝達を切った。それから、レイカの部屋のドアを叩いた。


 「コン、コン。テラでけど、入っていい?」


 「いいわよ。」


 「レイカ、急用が出来て、明日の魔法学院の見学に行けなくなったよ。」


 「えっ、どうしたの?」


 私は、レイカにどこまで、話していいのか、少し迷った。


 「実は、僕は、国の仕事も手伝っているんだ。」


 「えっ、そうなの。でも、どうして、そんなに急がなくてはならないの?」


 「うーん、実は、軍関係の仕事も手伝っているんだ。」


 「そんな、危険なこと、止めてよ!テラが行かなくても、他に兵士が大勢いるでしょ。 」


 「レイカ、分かってよ。僕が行かないと。大勢の人が死にそうなんだ。」


 「でも、テラは、危ないことはしないでね。無事に帰って来てね。」


 「それは、大丈夫だよ。無理はしないから。だから、安心して、待っていてね。」


 「はい、分かったわ。テラの無事を祈っているわ。」


 「ありがとう。それじゃ、行くね。」


 私は、レイカの部屋をでると、すぐに隠密魔法を起動して、姿を消した。そして、転移魔法で、ヤガータ国の港に移動した。


 「シロッコス、お待たせ。準備は、出来ている?」


 「もう、1時間だけ、待ってください。食料を積み込んでいる所です。気球は、積み込んでいます。」


 「スピアが、仲間を連れて、やってくるので、この場所を教えてあげてね。」


 「はい、部下に伝えておきます。」


 私は、用意してもらった船に乗り込んだ。まず、船全体を闇魔法の結界でコーティングして、強固にした。それから、帆柱を3倍に増やして、それに帆を張った。ついでに、帆にも闇魔法でコーティングしておいた。


 「シロッコス、戦闘用手榴弾は、余っている?」


 「基地用以外にストックがあります。火魔法用と風魔法用に、それぞれ約500個があります。」


 「それじゃ、それも、持っていくね。」


 「はい、すぐに積み込みます。」


 スピアが、思念伝達で連絡をして来た。


 「テラだよ。僕は、もう、着いているよ。」


 「スピアと仲間は、後20分で着くよ。テラの場所分かった。そこへ、行くよ。」


 「分かった。待っているよ。」


 私が、偵察用気球を見ているとスピアが抱き付いてきた。


 「テラ、寂しかった。」


 「スピア、私も寂しかったよ。元気そうだね。」


 「スピア、元気。仲間も元気。」


 すでに、スピアの仲間は船に乗り込んでいた。


 「それじゃ、行くよ。」


 私は、上級魔法の風魔法で、3つの帆柱の帆が破れそうなほどの風を起こした。


 船は、一気に加速して、港を飛び出した。他国に見られても構わないので、出来るだけ最短距離で進んで行った。その為、ミーヤ国やフークシ国の海岸線を駆け抜けることになった。


 その後は、ソーロン帝国の海岸線に沿って、南東に進んで行った。ようやく、ソーロン帝国の南東の端に着いた。


 そこで、レンゲーと思念伝達で連絡を取った。


 「テラだよ。レンゲーは、今、どうしてる?」


 「どうしてる?って、そんな余裕はないです。早く来てください。」


 「どれぐらい、持ちこたえられる?」


 「そうですね。良くて、30分です。」


 「分かった。10分で行くよ。待っててね。」


 「はい。お願いします。」

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