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120.盾の市場調査

 私は、ぐっすりと寝ているレイカを起こさないように、そっと、ベッドを抜け出した。転移魔法で、王宮の自分の部屋に移動した。私は、自分の部屋の中に入り、アイテムボックスの中に入れていたオリハルコンを取り出した。それと、鉄鉱石を取り出した。

 

 私は、先日サンドールの鍛冶屋で作ったオリハルコンの盾を10個作った。それを、リンダに渡して、市場調査をして貰う。反応を見て、新しい商品開発につなげて行こうと思っている。


 少し、時間が早いので、というか、まだ、夜中なので、盾を10個をリンダの所に送るだけに留めた。連絡は、朝になってからすることにした。


 まだまだ、朝には時間がある。私は、隣の部屋に忍び込んだ。


 「ガーベラは、不用心だな。ドアが、空いている。」


 部屋の中をスキル探索で、調べてみた。真っ暗な中だけど、部屋の中の家具やベッドなど、大きな物だけだなく、テーブルの上に置いてあるコップとかも、すべて、把握できた。


 頭の中の部屋の中の配置をイメージしながら、ベッドで、横たわっているガーベラの横に滑り込んだ。


 「寝息をたてながら、よく、寝ているね。」


 ガーベラの滑らかな髪の毛を手櫛で漉きながら、髪の毛を顔に押し当てた。


 「好きな匂いだ。ラベンダーの香りがする。」


 私は、左手をガーベラの首の下に入れて、右手でガーベラの左腕を掴んだ。ガーベラの肌は、艶やかで、弾力がある。私の右手を押し返してくる。


 私の耳をガーベラの胸に押し当てた。私にはない、心臓の音を聞きながら、ガーベラの温もりを感じていた。

 

 私は、ガーベラのほほに軽くキスをして、ベッドからそっと抜け出した。


 私は、暗闇の中で、部屋を抜け出した。そのまま、転移魔法で魔法学院の自分の部屋に戻った。


 それから、いつものように、ベッドで、抱き枕の様に、可愛い子を抱きながら、寝入った。


 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 朝になったので、リンダに思念伝達で、連絡を取り、盾の試作品の市場調査をお願いした。


 レイカが起きて来たので、制服を着て、食堂に朝食を食べに行った。


 食堂には、すでに10人ほど生徒がいた。教師も3人食事をとっていた。そういえば、来週から前期末考査が始まる。教師も今頃は、試験問題作成で忙しいだろうなぁ。


 「レイカ、何たべる?」


 「テラは、いつもの物でいいの?」


 「うん。それでいいよ。」


 「それじゃ、私が一緒に取って来るから、テラは、そこの空いている席に座って待っていて。」


 「分かったわ。ありがとう、レイカ。」


 レイカは、足早に食材が並んでいる長テーブルの所に行って、2人分の食事を取り始めた。


 私は、レイカが来るのを待ちながら、食堂の中を見渡してみた。


 ルカとオウカが並んで、座っていた。あの二人は、何故かいつも一緒にいる。


 食堂の隅にリューがいた。今日は、少し、顔色が悪そうだ。すこし、悪化している感じがする。


 出血する場所が悪ければ、そのまま、死んでしまうこともあるだろう。いつも一人だが、大丈夫かなぁ。倒れたら、そのまま、誰にも気付かれないかもしれない。


 ひょっとしたら、それを望んでいるのかも。自分の将来に絶望しているのかも。素直な子だから、いつも、他の人に世話をして貰って、迷惑を掛けていると思っているかも知れないなぁ。自分の事だけ、考えて居ればいいのに。


 「テラ、持って来たわよ。何、ボーとしているの?」


 「そんなことないよ。しっかり、目覚めているよ。」


 「そう。なら、いいけど。テラ、ボーとするのは、私を見ているときだけにしてね。いい?」


 「わかったよ。レイカだけを見ているよ。」


 「本当?でも、テラの事だから、多分、口だけね。」


 「あれ、レイカは、僕のこと、そう思っていたの?」


 「私、何か、言ったかしら?」


 「レイカは、僕には強いな。」


 「そんなことないわ。テラには、いつも優しいわ。」


 「うん。そうだね。早く食べてしまおう。遅れてしまうよ。」


 私達は、1時間目の授業に遅れないように、急いで、朝食をほおばっていった。24時間いつでも、食べれるというのは、便利だ。


 「今日の1時間目は、何の授業?」


 「テラ、自分の時間割も頭に入っていないの?」


 「レイカと同じだから、僕が覚えていなくても大丈夫。」


 「私だって、さぼるかもしれないよ。テラみたいに。」


 「えっ、そんなこと言わないでよ。レイカだけが頼りなんだから。」


 実際、自分の時間割はまだ、覚えていない。いつも、レイカを探しているだけだ。


 「そろそろ、何の授業か、教えてよ。」


 「そうね。私がさぼりたい授業よ。一番嫌いな先生の授業よ。」


 そうか、だから、あんなことを言ったんだな。本当にさぼりたいのじゃないよね。



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