106.ガーベラへの相談
今日は、ガーベラと会うことになっている。私は、思念伝達で、ガーベラに連絡を取った。
「ガーベラ、テラだよ。」
「どうしたの?」
「来月から、国民になるための手数料を取っていくよ。前に言っていたように、金貨5枚で。」
「わかったわ。それは、やっておくね。」
「それから、ソーロン帝国の軍隊の動きはある?」
「以前のままのようね。それに、リザードマンを引き抜いているでしょ。だから、今は、軍隊を動かすことは無いと思うわ。それと、シロッコスからの連絡だけど、ソーロン帝国の軍隊は、北側よりも、南側に重点的に配備されていると聞いているわ。」
「そうか、それなら、いいよ。」
「ところで、今日の夕方は、何か、用事が入っているの。」
「特にないわ。どうして?」
「少し、個人的に相談したいことがあるのだけど、いいかな?」
「えぇ、いいわ。どこであう?王宮の私の部屋でもいいよ。」
「それじゃ、夕方に、食事前に行くよ。」
「はい、それじゃ、またね。」
私は、思念伝達を切った。夕食まで、かなり時間がある。その時間で、港湾で、船を作ることにした。
まず、兵士を1000人乗せて運べる船を作ることにした。こちらは、以前作った船と構造上は同じなので、スケールだけ、気を付けて作っていった。
これが、10隻なので、こちらを連続で創ることにした。やっと作り終えると、もう、夕方になっていた。後は、また、後日だ。急いで、王宮に戻り、自分の部屋で暫く待った。
そろそろかな。私は、隣の部屋のドアをノックした。
「どうぞ。」
「失礼します。」
「すみません。忙しい時に。」
「私も、聞きたいことがあったから、いいわよ。」
「ガーベラが、聞きたいことって何?」
「私の話は、いつでもいいの。だから、テラから、話して。」
ガーベラは、ベッドに座って、足を組んでいる。いつもの服に比べて、今日は、楽な服を着ている。
ガーベラの部屋は、女の子の部屋というより、書斎にベッドを運び込んだような感じだ。これでは、部屋に仕事を持ち込んでいるのが、手に取るようにわかる。
「実は、シロッコスのことだけだど。レベルは、上がっているけど、もともとは、リーダーではないの。だから、心配。」
「でも、レンゲーが付いているでしょ。それに、技術顧問として、カーリンもいるよ。」
「そうだね。大丈夫かな。最近、心配性になっているかも。」
「テラは、ちょっと、手を広げすぎよ。だから、ミスがないかと、不安になるのよ。ほとんどは、任せているのでしょ。」
「そうだよ。ガーベラにも、色々と任せているしね。」
「だったら、任せtいることは、考えないこと。割り切りなさいよ。」
「分かった。そうするよ。ところで、ガーベラの話って何?」
「大したことじゃないけど、マテーダ王女とはどうだった?」
「うん、特に問題はないようだね。」
「それなら、いいけど。用心してね。以外に策略家よ、彼女。」
「そうかも。私のことを、旦那と呼んでいたよ。」
「へぇ、当たっているよ。旦那ね。いいネーミングね。」
「それじゃ、また。」
私は、ガーベラの部屋を出て、自分の部屋に戻った。本当は、もう一つ相談したかったが、なんだか、話し辛かった。多分、ベッドのせいだ。
私は、港湾に戻って、船の製作の続きを始めた。軍船の設計図通りに作っていった。これが、5隻いるということだ。後、もう少し、頑張って、作ってしまうことにした。
色々と細かな設計図だったので、時間が掛かった。気が付くともう、夜中になっていた。
もう一度、王宮の自分の部屋に戻って、ベッドに入って、寝込んでしまった。
朝起きてから、ガーベラに確認しておきたいことができた。私は、思念伝達でガーベラに連絡を取った。
「ガーベラ、おはよう。起きていた?」
「あぁ、テラね。昨日は、遅くまで、ご苦労様。」
「夜中に帰って来たのを知っているんだね。実は、急に思ったことなんだけど。各国の空って、どういう扱いになっているの?」
「空って、鳥が飛んでいる所よ。」
「その空って、誰のもの?」
「どういうこと?誰も空に行けないから、誰のものでもないよ。」
「もし、空に行けたら、国の境界はどうなるかな?」
「多分、領土の上空はすべて、その国の物でしょうね。」
「そうなるね。でも、今は、誰の物でもないのね。」
「そうね。聞いたことないね。空がどの国の物かって。」
「それじゃ、海はどうなっているの。」
「海も同じようなものね。正確には、決まっていないけど。その国の領土の近海はその国の海になるでしょうね。」
「今は、すべてが、曖昧なままだね。」
「そうなるわね。どちらも、まだ、自由にいけないからね。誰でも、行けるようになると、自分の物だと主張するでしょうね。」
「やっぱり、そうなるね。実は、空を飛ぶ、道具を考えているんだ。今なら、試しで飛ばしても、文句を言われないよね。」
「自信はないけど、言われないでしょうね。」
「わかった。ありがとう。」
「また、会いましょう。って、今、隣にいるのじゃないの?」
「はい、そうです。またね。」