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セカイカンショウカイ

作者: Raoul

-雨に笑えば-


「雨に唄えば」という映画をご存知だろうか?

1952年に公開されたハリウッドを舞台にしたアメリカのミュージカル映画である。

聞いておいてこんなことを私が先に言うのもなんだが......正直私は知らないのだ。

何がきっかけかはわからないが、どこで聞いたか覚えてもいないのだが、私はこの作品のタイトルだけは知っていた。さらに言うなれば、私はもちろん生まれてなんかいないし、両親共々ミュージカル何て全くの守備範囲外である私が、いつの間にか知っている。そんな名作なのだ。

私はこの作品の詩的なタイトルに一瞬で惹き付けられた。興味があるのになぜどこで聞いたかも覚えていないのか。そんな疑問は正直無い訳では無い。でも私にとってはどうでもいいことだった

ハリウッドと言う夢のような夢が集う場所とミュージカルと言う語感の響きからくる陽気そうな雰囲気、そして先に言ったようなタイトル。これらが織り成すイメージこそが、私をその世界観に惹き付ける。

ここまで語っておきながら、きっと私はこの作品を見ることはないんだろう。それは、実際に見たらイメージと違ってガッカリした、なんて事を危惧しているのではなく、単純にやはり中身に興味はないからなのだ。

何でこんなのどうでもいいようんことを吐いているかと言うと、高校2年の初日の登校日が雨だったからである。

土砂降りという訳では無いけど、流石に男子も傘をささないやつがいない。そんなくらいの雨だった。

みんな足早に駅を出て学校へ向かう。ぶつかる傘がみんな邪魔そうで、どうにか濡れないように上手く距離をとっている。宛ら"ヤマアラシのジレンマ"のようだった。いや、この場合"雨傘のジレンマ"とでも言い直すべきか。

まぁそんなことはどうでもいい。

詰まるところ、元気ではあるがどこか憂鬱そうなみんなの顔を見て考えたのだ。どうすればこんな雨の日を楽しく過ごせるのか。

髪は湿気で重いし靴は濡れるし服も濡れる。こんな日に何か楽しみはないか。そう考えた結果、特に何も思い浮かばずにこの言葉だけが心の中に浮かんできたのだ。

冒頭で述べたようなイメージでしかこの作品を思い描くことにできない私だが、それならそれでいいのだ。私のイメージするようにこの作品を使って私のイメージするような世界観で今日1日世界を見ればいい。

きっと鼻歌でも歌っていればきっと何かいいことがある。いや、何かいいことが起きるのを鼻歌を歌いながら待つぐらいで丁度いい。

そう思いながら私は鼻歌を歌いながら少し憂鬱な今日を、今日に向かい会おうと、そう思っているのであった。

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