表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神聖祓魔師 二つの世界の二人のエクソシスト  作者: ウィンフリート
平行世界へ
82/293

第66節 地底湖の異変 その5

続編です。2時間以上かかりました。一旦寝ますね。

それから、皆、寮で湯あみをして、一番いい服を着て砦に集まった。人数が多いので、会議は、兵士さん達の食堂になった。料理長が厨房の窓から顔を出して、人数を確認している。


皆、集合したので、会議兼食事会が始まった。いい匂いがしてくるので、集中できそうにないや。


カールさんは、事前にオットー様に今日の出来事を伝えていたので、話が早かった。


乾杯のあと、オットー様が皆に座ってもらってから、自分も座って話しだした。


「今夜は、北街道の探索の打合せで集まってもらったのだが、その前に、カールからの鉱山、および迷宮についての報告がある。カール、頼む」

「はっ、本日朝より、オットー様の命を受け、鉱山口からハインリヒの大広間、地底湖、鍾乳洞、迷宮へと巡回に参りました。目的は、安全の確認です。先日のスタンピード以来、大広間の奥へは、誰も探索に出ておりませんでしたから。

 まず、地底湖を通ったのは、迷宮への近道だからです。狙いがあったわけではないのですが、ここで私たちは、予想外の出来事に遭遇しました」

レオン様が、早くしろっという感じで見つめてくる。

「地底湖が干上がっておりました・・・水が全くないのです。しかも湖底だったところは乾いており、水が引いてしまってから、時間が経過していることが予想されます。それに、遠くのほうまでは確認ができませんでしたので、地獄への滝がどうなっているかまではわかりませんでした」


皆、黙っているが、フィリップ殿だけ、オットー様に発言する許可を求めた。


「あの地底湖だが、ザンクトガレン修道院の古文書写本にも記載がある。塩を仕入れに鉱山に修道司祭と修道士がいったら、地底湖が干上がっており、毒のガスが発生して、多くの鉱夫が死んだため、塩が手にいれられなかったとあった。著者は、水を供給する穴から水がでなくなったので、地底から有毒なガスが上がってしまったのではないかと考察している。明日にでも、一旦閉山して調べる必要があるだろう」

「フィリップ殿、もう少し詳しく教えていただけませんか?」

「いや、オットー卿、簡単な記述のみなので・・・これ以上はわからないのです」


フィリップがここにいるのは、たまたまだ。しかし、情報の大切さを普段からフィリップが主張するとおりだとオットーは思った。過去の記述を知らなければ、鉱夫を多く失うことになるだろう。オットーは、決断し発言した。

「明日、朝一番で、参事会及び各ギルドを招集し、この話をする。安全が確保できるまで、当分の間閉山せざるを得まい」

「それでなくても、再開したばかりだが、在庫は大丈夫か?」ブルーノ神父が訊いた。

「神父様、第2門横の倉庫にある在庫数を、あとで確認しましょう。あと、長老達に確認して、もしも知っていたら、ガスの種類がわかるだろう。そうすれば、マスクも作れるかもしれん」

「燃えるガスなら、まだいいのだが、窒息ガスだとキツイな。色も臭いもないのに、死ぬんだ」レオン様がボソッと言った。

「いずれにせよ、ハインリヒの大広間の大換気トンネルの下で焚火して、上昇気流を作ってやるしかないだろう。燃えるガスなら丁度いいが・・・窒息ガスだと、火も消えるからな・・・」オットー様が頭を抱えながら言った。

「そしてだ、カール、次の話を頼む」


「はっ、かしこまりました。迷宮の手前、鍾乳洞エリアで、傭兵団バイエルンの星の団員が、アンデッドと戦闘しているところに出くわしました。これに我らは加勢し、アンデッドを葬ることができました。倒せたのは、使徒様の魔法によるところが大きいです。そして、魔物を呼ぶ暗黒魔法陣をまた発見しましたが、消去しておきました。その後、逆回りで帰還する道中、暗黒魔法陣を探しましたが、発見には至りませんでした。以上です」


「カール、ありがとう。ソチらの貢献有難くおもうぞ」オットー様が誉める。

「有難き幸せ」カールさんは嬉しそうだ。


丁度、話の切がいいようで、食事が運ばれてきた。


「さて、食前のお祈りして、頂こう。神父様お願いします」


ブルーノ神父様の長く感じるお祈りのあと、僕らは舌鼓を打った。今日はラッキーな一日だね。クリスタも肉を一枚隠したけど、料理長さんに頼んであげるから、それ食べたほうがいいよって言ったら、皆が聴いていて、大笑いになった。クリスタは真っ赤になっていたが、オットー様が、お父さんの分を持たせてあげるから、ちゃんと食べなさいていってくれた。いい人だね。


それから、食事中ということもあり、あたりさわりのない、どうでもいいような話がつづいた。ほぼ、食事が終わったあたりで、また、先ほどの話の続きとなった。


ブルーノ神父様がカールに質問した。

「カール、アンデッドの種類はなんだ?」

「はい、骸骨剣士です。肉体は、筋肉が全く残っておらず、しかし、硬い骨でした、首ごと落としたのですが、地面に落ちても、また空中を飛んで、もとの首に収まるといった特徴がございました」

「うーん。もはやボーンゴーレムかもしれんな・・・眼窩はどうだった?」

「はい、赤い光が奥に見えました」

「うーん。アンデッドか・・・で、使徒殿はどうやって倒したのだ?」

皆が僕を見たので、狼狽えてしまった。カールさんとアポロニアさんを交互に見て、助けてサインを送った。神父様は、悟ったようで、アポロニアさんに視線を向けた。


「はい、私が説明します。戦闘が膠着しまして、カール団長が、多少疲れてきていましたので、エアスト・ヒルフェ 応急処置を掛けました。その前に、止血魔法を習いたいという使徒様のお申し出があったので、見本的にかけました。それを見た使徒様は、発露した波動から逆解析をされ、自身で再現されたようです」

「な、なんとな?」神父様が驚いている。「つまり、投げられた魔法の波動を感じ、それを再現してみせたということだな・・・」

「神父様の仰るとおりです」

「使徒殿。お主、相変わらず想定外だな・・・」

僕はなんとなく肩身が狭くなって小さくなっていた。

「それでですね。その投げられた魔法がカールの全身を光らせることとなり、その直後の剣で、アンデッドの剣がおられ、首、胴と刎ねられた骸骨は灰燼に帰しました」


オットー様がカールさんに訊いた。

「その剣はあるか?」カールさんは、しまったという顔をした。そこへ、アレクシスさんが口をはさんだ。「こちらでございます」長い箱に布が敷かれ、その上に、折れた剣が置いてあるのを食堂の隅からアレクシスが持ってきて、オット―様たちの前に置いた。カールさんは、すごいよアレクシスて顔をしている。よかったね。チームワークだ。


「これは、多少古いが、普通にゲルマン人がよく使う鋼鉄の剣だな・・・カール、骸骨の太刀筋はどうだった?」

「はい、さほど達人というわけではなかったです。基本に忠実で、フェイントなどは使いませんし、裏側からの回転切も使いません。剣を持って刺すような技も使いませんし、体術もなしです。ただ、只管叩いてくる感じです」

「まぁ、もう魂も何もないからな・・・それこそゴーレムと同じだろう」オットー様がそう答えた。


「骨が暗黒魔法で強化されており、暗黒復元魔法がかけられているのだろう。だから治療系の呪文には弱いはずだ。骸骨剣士の剣が折れたのは、劣化が原因だが、砂のように崩れたのは、使徒殿の並外れた聖性のおかげだろう」神父様がそう断言した。


フィリップさんは、さっきから楽しそうに話を聴いて、ちらちらを僕を見てくる。

そして、話し始めた。

「オットー卿、今夜は探索の相談どころではありませんな。砦にとっては一大事ですぞ。私は明日の朝に一旦城塞都市に戻り、今日の一件を宮宰様にご報告申し上げたい。よろしいか?」

「フィリップ殿、忝い。この一件が片付かないと、探索には行けないだろう。あと、今日、教皇庁から使者がきて、枢機卿様が明後日には砦に到着するそうだ。受け入れと接待の準備もある故、枢機卿様がお帰りになってから探索としたいが、よろしいか?」

「わかりました。ところで、枢機卿様のお名前はわかりましたか?」

「ベルンハルト様だそうだ」

「おおおお、教皇庁一のエクソシストだ・・・高位聖職者でありながら、最高の祓魔師ではないか。彼は、ラテン名を名乗らず、ゲルマン人の名前で通している頑固な方らしいが・・・一度お会いしたかった・・・また、明後日遊びにきてもいいだろうか・・・」

「フィリップ殿・・・」

「あ、いや、色々と好奇心があって・・・」

皆が笑った。僕は、フィリップさんの事が好きになった。食事会は解散となり、僕も明日の朝、鉱夫のギルドと街参事会、そして傭兵ギルドの合同会議に参加することになった。


それから、皆で鉱山街の一つしかない、メインストリートをならんで歩いた。単に寮にもどるためだけど。アポロニアさんが、明日こそ、止血魔法覚えようねって、言ってくれた。その時に、誰かに血を流してもらわないとね・・・といいながら周囲を見回したので、皆目を合わせないように必死な感じだった。鉱山家族寮の前で、クリスタと別れて、僕は自分の部屋に向かった。明日の夜からはまた、野宿部屋なんだよ・・・嫌だな。

僕は夜空を見上げ、星を見ながら、この夜空のどこかにおられる神様に祈りをささげた。


「どうか、僕にご飯をください。できれば、自分のおうちが、というかベッドが欲しいです。あ、流れ星だ・・・」


明日もご飯が食べられるといいな・・・三回いうなんて無理だよ・・・


お読みいただきありがとうございました。

明日は、ベルンハルト枢機卿様が砦に来られます。


あの、平行世界のこちら側、カテドラルのエクソシストです。同じ人物です。

無理やり二つの世界に分けられてから、172年経過しているので、くいちがいが出てきていますが、同じ人物はやはりいます。もとの一つの世界に戻るときに、この二人はどうなるんでしょう。気になります。

さて、次話は、昼ぐらいにはアップしたいと思っております。宜しくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ