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神聖祓魔師 二つの世界の二人のエクソシスト  作者: ウィンフリート
平行世界へ
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第64節 新しい任務

新キャラ登場です。

宜しくお願いします。


城塞都市から、宮宰様の命を受け、フィリップさんは、塩の砦にやってきた。フィリップさんの職は、レンジャーというやつらしい。革の鎧を着て、全体的に緑っぽい感じだ。マントが緑色だからだろう。レンジャーの業務は、隠密行動で、索敵や偵察。場合によっては暗殺とかだって。

オットー様が言うところによると、宮宰様が、城塞都市から銀鉱山を超えて山道を行くと、砦の北側の街道に繋がるルートを再発見せよと言ったらしい。


 フィリップさんは、弓の名手なんだって。オットー様がしきりに誉める。公爵主催の武芸大会で優勝したんだって。公爵領一なんだね。クラウディアさんとどっちがすごいのかな。


栗色の髪に、栗色の瞳で、なんか可愛いリスさんのようだけど、意外と背が高い。瞳がクリクリしているのがいいなぁ。上から引っ張るとスポッと取れてしまうような、髪型だ。


会議中に、アグネスさんとシャルロッテ様がやってきて、フィリップさんのことを、マロンちぁ~んと呼んでいた。フィリップさんは、止めてくださいといいつつ、なんか嬉しそうだ。そうか、髪型かな。栗みたいだし。


 フィリップさんは、いわゆる家令という身分で、宮宰様の家来だそうだ。自由民ではないのだけど、宮宰様から給料や屋敷を、場合によって小さな領地をもらえるんだって。今は、宮廷暮らしだけど、本来なら、宮宰様は辺境伯領を持っているお方で、そこの森に小屋を持ち、森林を管理する係りなんだって。いわゆる代官みたいなものなんだろうね。

 

森から木材を伐採する管理とか、冬前に猪や豚を一斉に狩るときの先駆けとか、フィリップさんの本当の仕事はそういうのだって。そうか、だからレンジャーなんだね。


特に、狩の時は宮宰様の案内を務める大事な役らしい。したがって、ハンターとしての腕前もすごくないといけないし、スカウト能力も高くないとだめ。暗殺者から宮宰様を守る能力とか、接近戦も格闘技も超一流でないとダメなんだってさ。凄い人なんだなぁ・・・マロンちゃん。


オットー様もフィリップ殿に一目置いている感じが伝わってくる。フィリップさんは、管理する森がないので、宮宰様の館で、宮宰様の子供の面倒を見ていたとか。もう全員が大きくなったので、仕事がないらしい。そこで、宮宰様が、今回の任務を任せたとか・・・


フィリップさんは、アグネスさんが生まれたときにすごく喜んだとかで、もちろん、シャルロッテ様もフィリップさんに、弓とか短剣とか、色々仕込まれたらしい。二人が会議室を訪問してくれたことが、すごく嬉しかったようで、表情が溶けそうになっていた。開口一番、

「アグネス様、お子様は是非私にお預けくださいませ。このフィリップ、命をかけてお育て致しますぞ」

「ありがとう、マロン。いえ、フィリップ殿。当分は結婚できませんが、その際には是非お願い致します」

「私もお任せしたいと存じます」

「おお、ロッテさまぁ~。有難き幸せ。お待ちしておりますぞ。あとで、短剣の練習をしましょうか?」

「はい、お願いします」シャルロッテ様の目が野生の獣のようになった。怖い・・・


 ふたりは、会議室から出ていった。


「フィリップ殿は、あのお二人が可愛くて仕方ないようですな?」

「はい、やはり、小さい頃からお世話させて頂いておりますので、愛おしく感じます。また私のようなものに、あのようにお言葉をいただけるというのは、身に余る光栄です。宮宰様から伺いましたが、ランスの手ほどきをオットー様がしてくださるとか。宜しくお願いします」


「・・・いや、まずは、乗馬からなので、しかも子馬からの慣らしですから、大分先になるでしょう。急いで城壁を延長し、馬術練習場を作りたいのですが、先ほど申しました通り、魔物の攻撃を受けたばかりで・・・しかし、ここで工事をとめることなく、先に進めたいので、一度お戻りの際は、宮宰様にお口添えのほどお願いします」

「はい、かしこまりました。シャルロッテ様の将来にかかわること故、わたくしも、全力でご進言申し上げるつもりです」

「宜しくお願いします。さて、本題ですが・・・」オットー様は、すこし間をおいてから・・・


 フィリップ殿は、銀山街道の先を、ソロで探索されたと伺っております」

「はい。何度かかつての街道の後をたどって、谷沿いにというか、川沿いに進んでみたことがあります。かつての街道だったところは、まだちゃんと残っています。もともと、あまり草の生えないような地域ですので、石畳がまだありますし、さほど傷んではいないようです。

あと、意外と、魔物が少ないのです。むしろ、獣もいない感じですね。狩りをしたあとが散見されるので、ゴブリンが狩りをしているのかもしれません」


「・・・今回の襲撃もゴブリンが動員されていました。下の森の中の修道院跡地でも、ゴブリンが下働きしていましたし、黒い森から塩の山周囲一帯にいくつか巣がある可能性が高いですね。まぁ、今回の襲撃でかなり数は減ったでしょうが、彼らは弓も使えるので、あまり数が多いと厄介な敵になりますし、まぁ、魔物猪や、野生のイノシシを馴らして馬として使っているので、機動力も備えた脅威ですな。侮れません」


「おっしゃる通りです。まぁ、平地で囲まれると厄介ですが、森の中では、多勢相手でもなんとかなります。彼らは、練度が低いのと、あまりお世辞にも頭が良いとは言えない。すぐ頭に血が上るが、バーサーカーほど怪力ではない」


「フィリップ殿を教官とすれば、恐ろしい軍隊になるでしょう・・・」

「あははは、御冗談を。むしろ、オットー様がオーガーをご指導すれば、すごい狂戦士となることでしょう。残念ながら、組織だった戦いができませんが・・・」

「オーガーなら、むしろ、うちのバーサーカー、レオン卿がご指導いただけるかと・・・」


「さっきから話が進んでおらんぞ・・・」レオン様が苦言を呈した。

「すまぬ。どうも、フィリップ殿とは話があうので・・・」


「うおっほん、申し訳ありません。ご存じかと思いますが、銀山街道は、北上すると、途中で分岐します。この分岐点にかつては集落があったのですが、今は当然廃墟です。東に向かうと、この塩の砦の前を走る、帝国領へむかう塩街道にあたります。先ほどの銀山街道の分岐点から、塩街道までは、途中に山城があったのですが、現在は廃墟。中も検分できておりません。


 公爵様は、この山城を拠点としたいお考えです。この城は、峠の頂上にあるため、敵の裏をかこうとする動きを察することができますし、銀山街道や塩街道へ、即出陣できます。冬は完全に雪に閉ざされるので、冬は放置してもいいのでしょうが・・・


 あと、塩砦の強化だけでなく、塩街道から下の街までの防衛を強化したいとのことで、特に、街道から上がりきった峠のところに、防衛用の塔を計画されています。峠より下の防衛として、石の塔です。峠から上はなだらかな草地ですので、塔からも砦からも見通せるようになると、更に防衛しやすくなるでしょう。そして、砦の下より、耕作地を作ろうとのことですよ。すこしずつですが、城壁も延長していきたいそうです」


「なるほど。それで、最初に北側の塩街道から、西に向かう山超えの道を探索せよと?」

「その通りです。ザルツブライの両側には高い山があり、挟まれていますが、北に行けば、山が切れ、西に向かう旧街道があります、そして、峠には、先ほど申した、かつて通行税を取っていた砦があるので、そこまでを調査し、脅威を除去し、冬は無理にせよ。来年の雪解け以降に山の砦に兵士を常駐できるようにしたいそうです」


[兵士は足りるのでしょうか]

「当初は20人程度だそうですよ。結界馬車を増便するそうです。自給は無理ですからね。冬は無人にするおつもりです。ザルツブライ下の草地での小麦の生産も頑張らないといけなくなりますな・・・あと、レオン様の御計画である、エール醸造所建設に、公爵様も乗り気で・・・レオンのゴブリンエールという名前で帝国に売ろうとかおっしゃっていたそうです」

「なにー?」レオン様が叫んだ。もうニコニコだ。


「ザルツブライなら、帝国領まで比較的短い時間で届けられるし、他に商人が運べるわけでないので、独占商品ではないかとか・・・売り上げは、武器兵器の拡充に充てたいとのこと」

 しかし、フィリップさんは、脱線するな・・・明るくて話好きで、結構いい感じの人だ。


「城塞都市の司教様のお話では、近く、教皇庁より、結界の専門家が派遣されるそうですので、結界を公爵領で自作できるようになるかもしれません。課題は山積みですが、人間結界装置の少年を中心に探索部隊を構成し、公爵様の御計画を実現致したいと存じます」


「確かに、悪魔祓いの専門家が来られるそうだ。枢機卿様だそうだぞ・・・そんな高位聖職者が、この砦に来られるなど、想像ができないのだが・・・」


 うは、ブルーノ神父様、今日はじめての御発言ですよ・・・あとで聴いたところによると、魔法を使いまくったので、砦の全員に、魔法使い認定されてしまったらしい。枢機卿様がきて、噂を聴かれたら、と思うと夜も寝られないとか・・・


異端と思われるのが、一番神父様には辛いらしい。聖霊魔法や、聖性魔法に対して、理解のあるお方ならいいのだが、魔法は一切認めない人だと、ブルーノ神父だけでなく、アポロニアさんや、僕まで危ないらしい。しかし、アポロニアさんは、貴重な回復魔法の使い手ですよ。あ、回復の魔法、魔法といってはいけないのか・・・ややこしいよね。僕らが魔法使いとなると、これは大変なことになるらしい。聖人に教わったといっても、今度は聖人ではなくて悪魔だったのだろうとか、悪魔と契約した三人にされちゃうわけで・・・


 つまり、火あぶりの刑だ・・・ひえ~・・・なんだか心配になってきたよ・・・


ありがとうございました。


また火あぶりのフラグが・・・


このあと、帝国領に避難している教皇庁から高位聖職者が砦に来ます。

そう、ずっと予告していた、ベルンハルトさんです。あちらの世界では、城塞都市のエクソシストで低位聖職者なんですが、同じ人物が、あちらとこちらで存在するようです。まぁ、だれもあちらのベルンハルトに会っていないので、勿論主人公もですが、知る由がないのですね。


平行世界の同じ人間が、どちらかの世界に転移して、自分と出会ったときにどうなるのか、書きたいテーマではあります。明日は、フィリップさんが城塞都市に一旦帰ります。

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