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神聖祓魔師 二つの世界の二人のエクソシスト  作者: ウィンフリート
平行世界へ
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第75節 アーベントイラー 穴の底の祝祭

キリスト卿界隈では、ハロウィーンに対抗する

お祭りをします。


ハロウィーンの主催者は、悪魔だからなんですよ。

実は、かなり危険なんです。

Ⅰ 穴の底の街


 それは不思議な光景だった。大きな壺の中のようなイメージというべきだろうか。天井に大きな穴があいており、青空が見えている。そして、その穴の直下が広場のようになっている。その広場の真ん中に、テーブルを持ち寄って、宴会を開いているわけだ。

 広場に面して、丸く家が並んでいる。そのうちの一軒が司祭館だった。その隣にマルコの家。つまり族長の家だ。

宴会は、豚肉料理が中心だった。ソーセージも沢山あって、ていうか、民族的に近いからだろう。砦の家庭料理と殆ど同じだった。砦は、ザクセン人とバイエルン人の混合だ。それにアレマン人が少数入っている。変わるはずがない。

ただ、塩砦は、お酒がエールだが、ここの村は、ワインだった。そうだよね。だって、果樹園が地上にあったもの。白い葡萄だったから、白ワインだったよ。


レオン様は、ワインにいたく興味を持っており、さっきから何回もおかわりしている。

そして、オットー様に絡んでいた。

「のう、オットー卿? わし、エールも飲みたいのぅ・・・」

「え? 卿は、ワインを好んで呑んでいるのではないか?」

「いや、聴くところによると、ここではワインしかないそうだ・・・ワシのエールをふるまってやりたくてのぅ。折角の良き日だから」

「殿下に、頼めばいいじゃないか」

「いや、ワシの一存では、いかんだろう?やはり、砦のトップの意向を聴かんと」

「卿が、砦のコックに命じて、持っていく準備をしていたのは、皆、知っているのだが・・・

 最初から、そういえばいいではないか」

 オットー様は呆れつつ、ニヤニヤしている。多分だけど、レオン様は、僕に頼みにくいのだろう。僕が、気を利かせて、転移門を開けばいいんだよね。


「レオン卿、一緒に砦に戻りませんか?」僕は一番上等な笑顔で提案した。

「殿下! 忝い。本当にすまん。では、早速参ろう」


 レオン卿は、すうっと立ちあがると、広場の脇にのっしのっし歩いていく。流石に広場の真ん中に門を開くと目立つからね。ぼくは砦の中庭、食堂近くに門を開いて、レオン様と一緒に門に入った。目の前には、樽が積み重ねられている。うは、こんなに持っていくの?


 レオン様の従者さんが、声を掛けると、兵士さんが沢山でてきて、転移門に入っていった。勿論樽を持ってだ。

「いや、助かる。本当に感謝する。持つべきものは、殿下だな・・・」

 なんだか訳がわからないよ。レオン様は現金だ。兵士さんは門の反対側、つまり、アレマン人の広場の縁に、どんどん、樽を積み重ねているようだ。僕は、最後の兵士さんが門から出てくるのを見て、転移門の中に入り、アレマン人の村に戻り、転移門を閉めた。

 村人は皆何が起こったのかと、不安な顔をしている。当然、視線は樽とレオン様に集中するよね。レオン様が、従者さんに指示して、自分の、例のバカデカいジョッキにエールを家でもらって、スピーチをした。

「諸君、美味しいワインをありがとう。ここに殿下の協力により持参致したのは、わが砦で醸造している、エールだ。ワインの返礼として、皆に呑んでもらいたい」

 皆、拍手で応えた。そして、木でできた粗末な器を我も我もと持ち寄り、皆で乾杯した。

もう、レオン様、レオン様と、一気に知名度を上げ、皆の人気者になったのは言うまでもない。このあと、名前をみんな間違えて、エール様と呼ばれるようになったのだが。


 祝祭とは、こういうものなのだろう。全員が喜んで、幸せな気分に浸っている。


 突然、オットー様が、立ち上がって、手をあげた。

「みな、聴いて欲しい。クレメンス、コンラート、こっちに来い」

 すうっと大男が立ちあがったので、皆がおおっと言った。どういう意味の、おおっだろう? あちこちに双子だとか、おや珍しいという声が聴こえる。


「クレメンスとコンラートの二人は、ザクセンの盾だ。鉄壁の盾だ。こんな厳つい男たちだが、ゲルマンの男らしく、気立てがいいのだ。というか、えっと、酔っぱらったぞ!」

 周囲からうぇーいと歓声が上がった。どうして、酔っぱらいの人達って連帯感が強いんだろうね。オットー様は話を続けようとして、また手を上げた。

「クレメンスは、下の街道で、帽子を拾った。盾にくっつけてたのは、持ち主が気づくのではないかと思ってだ。で、どうやら、この村の女性の物らしい。

 クレメンスは返したいそうだ。持ち主は出てきてくれないか?」


 クレメンスさんは、帽子を持って立っていた。隣には、コンラートさんが立っている。この二人はいつも一緒だからね。


「はい!」若い女性の声がして、二人の女性が立ちあがった。


「おや、帽子は一つしかないぞ・・・あれ、飲み過ぎたか?同じ女性が二人いるぞ」

 オットー様の言葉に皆が笑った。

「え?双子なのか?」

 珍しいこともあるものだ。双子自体が珍しいのに、それが、二組もなんて。


「すみません。その帽子は私のです。拾っていただいたのに、弓で撃とうとしてごめんなさい」女性はクレメンスの前に進んで、クレメンスを見つめて、立っていた。その隣には、同じ顔をした女性がもう一人。族長が、オットー様に二人の名前を紹介している。

「シュテファニーとニコーレです。うちの村で一番のアーチャーです」

「双子なのか・・・これは奇遇だな」

「はい、オットー様」族長さんは、自慢したいような感じだ。


シュテファニーさんは、顔を赤らめて、クレメンスさんを見上げている。

ニコーレさんは、コンラートさんを同じように見上げている。なんだか、錯覚のような気がしてきたよ。

「どうした、返してやれよ」クレメンスさんは、オットー様に言われたが、あまり聞こえていないようだ。不思議な光景だった。

(それはそうだよね。同じ顔が二つずつ並んで、相対しているのだから)


 クレメンスさんは、帽子を両手にもって、前に出した。シュテファニーさんが、それを、手を伸ばして、受け取った。しかし、二人は帽子を放さない。

 コンラートさんは、帽子を手に取りあって、固まっている二人を見つめていた。そしてニコーレさんも二人を見つめて、そして、コンラートさんと互いを見つめあった。


「うひょー、これって、愛が生まれた瞬間じゃね?」

 なんだか、はっきり、大きな声で言う人がいた。そう、アレクシスさんだ。ムードないよね。でも、皆、気づいていた。その通りなんだよね。そして、それを祝福していた。


 もともと、クレメンスさんとコンラートさんは、結婚をあきらめていたそうだ。やはり、同じ人を好きになって、でも、相手は一人、奪い合うなんてできないし。だから、結婚するなら、同じ双子って話し合って決めていたそうだ。しかし、双子なんて、まずいない。


「はー、これは運命の出会いよね・・・」クラウディアさんが、ため息をついている。

「うんうん。クラウディアも、そろそろあるんじゃない?」

「アポロニア、それはないわ~・・・少なくとも塩砦にはいないわね。びびびってくるような、電気が走るような出会いってやつ」

「じゃ、聖戦奉仕修道女会に入んなよ」

「げ、そうくるとは思わなかったわ・・・でも、私子供欲しいのよね・・・クリスタちゃんみたいな子供!」

 クリスタがつかつかとやってきた。

「うちのお父さんの後添い、いいじゃん」

(え?それは、ちょっとありえないよね・・・)

「うーん、どうしようかな・・・すると、あれね。クリスタちゃんが漏れなくついてくるわけね・・・」

(考えるんかい?クラウディアさんという人が、分からなくなったよ)


クラウディアさんが、クリスタをギュっと抱きしめた。


気が付くと、クレメンスさんとシュテファニーさんは、まだお互いに帽子を握って見合っていた。きっと時間が止まっているんだろうね。


 周囲は、暖かい眼差しで、溢れているような、いい雰囲気だった。二人と二人は、他のことは目に入らなくなっていたようだ。長老さんとか、お婆ちゃんとか、じっとみつめあっていたり、なんか、愛と酔っ払いにあふれた穴底だった。


Ⅱ 旧司祭館


 そんな中を、司祭服を着た厳つい神父と一人のシスターは、族長に話をしていた。

「すまないが、司祭館を開けてもらえないか?ダークプリーストの調査をしたい」

「はい、畏まりました。私たちの村の一番の懸念事項なんです。こちらです」

「あ、殿下。ご同行いただきたい」

(げ、なんで? まぁ、この変な、熱々な中に居るのも疲れるから、いくか・・・)


僕たちは、族長にくっついて、司祭館の前まで歩いた。あれ、クリスタもついてきている。クリスタは例の木製の槍を杖のように地面に突きながら歩いている。

僕は、見なかったことにして、クリスタの好きなようについてこさせた。ごねられるのが嫌だからね。


司祭館は、周囲の家と殆ど同じ作りだった。違うのは、扉の上に十字架がついていることだった。

「おや、変だな・・・」ブルーノ神父様がつぶやいた。扉の前で、首をかしげている。


 ブルーノ神父様は、十字架を手にとり、壁から外した。十字架をよく見ている。

「なるほど。これはかなりやばいやつかもしれないな」

 アポロニアさんが、心配そうな顔で尋ねた。族長も心配そうだ。

「この十字架には、かつて、キリストのご像、つまり磔刑像がついていたはずだ。というのは、穴があるからわかるのだが、この穴を見ると、おかしなことに気付かないか?」

 アポロニアさんが、手渡された十字架を検分している。

「うーん。あれ、これって縦棒が切断されていますね・・・あれ、この穴は変です。なんだろう、この違和感」

 違和感好きだな・・・最近はやっているワードだね。


「うむ。まず、キリストの罪状を示す、言葉がかかれた板なんだが、板は、上に着くものなのだが、これは、下についていた形跡がある。まぁ、単なる穴だが。


そして、縦棒が切断されているだろう? 左右の両手を取り付けた跡は、まぁこんなものだろうから、横棒は正しいようだ。なにか気づかないか?」


「これ、上下が逆になっています。切断されているから気づかないけど、上下を逆にしても気づかないように、縦棒が切断されているみたいです」


「うむ。ワシもそう思ったのだ。これは逆さ十字だ。

 私たちの主、キリストは、私たちの罪を贖うために、十字架にかかった。それを上下逆にするということは、贖いを否定することであり、救いを否定することだ。それだけでなく。主の存在そのものを否定することにつながる」


 族長がひっと短く息を呑んだ。

「と、ということは・・・」


「そう、族長、これは悪魔崇拝者のよくやる冒涜なんだ」

「ひえ~」族長は震えあがっている。


「この司祭館は定期的に開けたりしているのか?」

「はい、神父様、アンドレアスの一家が定期的に掃除をしております」

「そうなのか・・・すまないが、中を調べたい。開けてもらえぬか?」


 族長は、酔いが醒めたようだ。震える手で、ドアのカギを開けた。


 皆で中に入った。普通の部屋だった。服をしまうチェストが一つ。藁のベッド、箱になっているタイプだ。しかし、藁は取り除かれていて。単なる箱だ。そして、写本用の台が机の上に置かれている。机の上には、大きくて、分厚い羊皮紙の聖書が置かれている。

「まさかな・・・それはないだろう・・・」ぶつぶつと独り言をいいながら、ブルーノ神父様が、聖書をめくっていった。

「うっ」ブルーノ神父様は、短い悲鳴を上げて、後ろに飛びのいた。

「どうしました?大丈夫ですか?」アポロニアさんが、心配して声を掛け、聖書を覗き込んだ。「きゃ」アポロニアさんも飛びのいた。


「アポロニア、近づいてはならぬ。皆で十字架の印をして、聖霊の御加護を祈ろう」


広場に面した窓から光が入ってきているが、暗い。しかし、大型な聖書なので、描かれている文字や絵はよく見えた。


 横から覗きこんだ族長が、大きな悲鳴を上げて、後ろに飛びのいた。


 僕も気になって覗いてみた。そこには、聖書の空白のページいっぱいに、悪魔と一目でわかるような、恐ろしい全身の絵が描かれていたのである。


Ⅲ 禁術の痕跡


「これは、かなりまずい状態かもしれぬぞ」

 聖書全体に聖水を振りまきながら、ブルーノ神父様が皆に言った。

 悪魔の絵は、聖水に反応することは無かった。神父様はふぅとため息をついた。


「ここに描かれた悪魔は、種類が分からないが、低級な悪魔ではないだろう・・・

 そうなると、かなり高位な悪魔となる。私達では太刀打ちできないだろう。教皇庁からエクソシストを派遣してもらったほうがいい。そうだな・・・ベルンハルト枢機卿様か、その配下の祓魔師でないとな・・・とりあえず、アポロニア、悪いがオットーとレオン、そうだな、カールも呼んでくれないか。ワシは続きを調査しよう。あと、クリスタは危険なので、外に連れていってくれ」


「クリスタちゃん、お外いこう?」そう言いながら、クリスタの手を握って、アポロニアさんがみんなを呼ぶために、ドアから出ていった。クリスタも悪魔の絵を見てビビっていた。聖書を燃やさなくてよかったよ。


 ブルーノ神父様は、手掛かりを探していた。


 チェストを開けてみたが、祭服が入っているだけだった。チェストは上に蓋がついているだけの箱だ。調べたが、特に異常がない。仕方ないので、念のために祭服を点検していると、ブルーノ神父様が、舌打ちをした。

「族長、見てくれ・・・」

 ブルーノ神父様が、祭服の一部を示した。

「これは、何ですか? わざわざ十字架の後ろに見えないように縫い付けていますね・・・

 星のようですが、上下が逆のようですし、一筆書きになっています」

「これは五芒星だよ。しかも、ペンタグラムと言われる、サタンを崇拝するものが身に着けるシンボルだ。恐らく、十字架が痛いのだろう、それを緩和するものとして、ペンタグラムを縫い付けた。そうなると、とてもじゃないか、十字架の印とか、できなくなっていたはずだな・・・当然、御ミサも司式することもできなくなっていたはずだ。聖書の文言なんて読めるはずがない」

 ブルーノ様の独り言のような発言に、族長が応えた。

「あの、前の神父様は、失踪する前に、長いこと身体を壊して寝込んでいたそうです。そういっても、140年ぐらい前のことですからね。当時を知るものなんて生きていないし」


ブルーノ神父様は笑った。

「まぁ、本人はまだ生きて活動しているのだから、本人に訊くかだな?」

「うっ、そうですね。恐ろしい話です」族長さんも愛想笑いをしたが、ひきつった笑いだ。

 その顔を見て真顔になった神父様は、話を続けた。

「あまり、前例がないんだ・・・かなり、凄い事例なんだよ。暗黒の力を使うとしても、かなり高位のものの力だろう・・・だから、怖いのだ。奴の後ろ盾がどの悪魔なのかを掴まないと、こっちがやばい。ここだって、すぐに封印したいぐらいだ」

「この部屋ぐらいなら封印していただいても差し支えないです」

「あははは、封印するなら、この広場ごとのほうが安心なんだ」

「そ、それは・・・」

「困るだろう?公爵も困る。銀の採掘を続けて欲しいだろうからな。しかし、困ったことをしてくれたものだ・・・ご同輩。まぁ、ワシは従軍司祭だが、しかし、教区司祭は、独りだからな。おかしくなってしまうものも、居るとは聴くが・・・」

「確かに、皆に見られていますし、外に散歩なんて無理だし、信者達の衆人環視のもと、息がつけなければ、精神的には追い詰められるかもしれませんね」

「うむ。信者は司祭には厳しいからな。ま、ワシは戦争専門だが・・・」

 なんだろう、それはギャグのつもりで言っているのだろうか・・・

「おや、またもや、違和感じゃ」

 ブルーノ神父様は、ベッドの脇に立った。ベッドを見て、首をかしげている。

「のう、族長。お主から見て、このベッドの置き方は、普通か?」

 族長もやってきて、ベッドを眺めている。

「と、申しますと?」

「アレマン人は、こういうベッドの置き方をするのかっていう意味なのだが・・・

 つまり、ワシだったら、こう置かないということだな」

「ああ、分かりますよ。この位置はないですよね。暖炉に対しても変だし、まず、壁に頭側を付けますよね」

「うむ。やはり、そうか・・・殿下、申し訳ないが、ベッドに浮遊を掛けてもらえないか?」

 突然、振られたから、驚いたけど、難易度が低いから、すぐに掛けられる。何しろ荷物運び必須の浮遊だからね。僕はベッド全体を床から浮かした。

 すると、神父様は、下を覗いて、「やはりな」とつぶやいて、すぐに立ち上がった。


 突然、ドアがあいて、アポロニアさんが入ってきた。後ろにオットー様とカールさんがついてきている。


「どうした?悪魔の絵が描かれた聖書だって?それになんだ、空中に浮かんだベッドか?」

「オットー卿、レオンは、どうした?」

「よほど、嬉しかったのだろう、もう、すっかり夢の世界だよ。あんなに飲んだのは見たことがない。ま、確認だけなら、居なくてもよかろう」

「まぁ、そうだな。ワシは、すっかり酔いが醒めてしまったよ。

 まず、聖書を見てくれ。絵自体に力は込められていない。呪術でもないようだ」


 オットー様は、机の上に広げておかれている、聖書をみた。カールさんも後に続いている。


「・・・これは・・・」

 カールさんも見た。絶句である。


「実は、よく見かける図案ではある。幻視者などによって、ビジョンは得られているのでな。

 手足の爪、指の本数が人間より少ないだろう?足は、鉤爪だ。鷹や鷲のそれだ。クランプスの足は山羊の蹄なのだが・・・体は緑色で、まっすぐな角が2本頭から生えている。

 それに舌が2本、蛇のようだな・・・蛇は二股だ、2本はない」

「実に気持ち悪い。これはサタンなのか?つまり、堕天使ルシフェルなのか?」

「正直なところわからんのだよ。ベルンハルト様にでも来てもらわんとな・・・まぁ、サタンは、山羊の頭だから、多分違うだろうな・・・それよりも、嫌なものを発見してしまったんだよ。こっちを見てくれ」


 神父様は、浮かんだベッドの下を見ろと言った。オットー様も、カールさんも覗いた。

二人は嫌な顔をした。アポロニアさんも覗いた。そして立ちあがった。

「どうします?封印して、ベルンハルト枢機卿様をお待ちしたほうがいいのではないでしょうか」


 そう、ベッドの下には、扉のようなものが設置されていた。その木の蓋のような2枚の板には、ペンタグラムが大きく書かれていたのだ。


諸聖人の祝日とか、死者の日って好きです。


特に諸聖人の祝日は、いいですね。

初期の聖人は、殆どが殉教者です。日本では、26聖人という殉教者が、

日本初の聖人です。死後30年で、列福されています。列聖は1862年でした。


ヨーロッパでは人気の聖人だったそうです。


長崎の処刑地に記念館があります。いいところです。

一度機会があれば、見学してみてくださいね


さて、お話は、やっとタイトルっぽくなってきましたよ。


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