序盤からやらかしました
豆腐屋です、豆腐は売ってません。
なろう初投稿、かれこれ頭の中で10年近く温めていた世界を描いていきますので、どうか生暖かい瞳で読んでいってください。
拝啓、故郷のお母様、お父様、村の皆。如何おすごしですか、私は今─────
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい勝手にナワバリを荒らしたのは謝りますから許して下さいぃぃぃ!!」
「ギギャァーッ!」
────自業自得の因果で森の主、オオガラスに追い回されています。
────1ヶ月前─────
「そんな…司教様、この子はまだ12歳ですよ!?まだ集落の外に出すのは早すぎます!」
「私もまだ幼い彼女を村から放り出すのは少々気が引ける。だが昨夜、主より啓司が降りたのだ。『白き龍の歳の子』と言えばお前の子と見て相違無いだろう?エッデよ。」
「っ…確かにその名に当てはまるのは家の子、ユフィだけです。しかし─────!」
──────12歳の誕生日を迎えた次の日、私は村の司教様から1人で此処を出て、世界を巡る旅をするよう仰せつかりました。
私の故郷は森林に囲まれた小さな村で、森の豊かな恵みと清らかな水の恵み…それとささやかな魔法の力で生きています。十何年かに一度────そう、丁度今回の私みたいに、村ぐるみで信仰する主からの啓司を司教様が受け取って色々な事が起きるみたいだけど、それでもとても平和に暮らしています。
そして今回、司教様から伝えられた啓司は─────
『星は求む。白き龍の歳の乙女、疾く世に解き放ち、孤独を学ぶべし。拒絶と妥協は星の環を止める一因と成らん』。
お父様が言うには、龍の歳…12年前に産まれた白髪の女の子は私だけで、その私は村を出て1人で世界を廻らなければならないそうです。
勿論お父様もお母様も私を心配して何とか引き留めようとしてくれたけど…それは主の啓司に逆らう事、そんな事をしたらきっとお父様にもお母様にも良くない事が起きてしまう。
それに、外の世界というのも、やっぱり子供心ながらに興味はあるものなんです。
その日のうちに家で家族とたくさん話をしました。
やっぱり二人とも、出来る事なら危険かも知れない外には放り出したくないから、何とか引き止められる可能性を探そうと必死でした。
でも、それでも私は私の意思も伝えて何とか説得をして…書ける時には必ず手紙を書く事、少しでも危ないと思う場所には絶対に近付かない事…他にもたくさん色々な約束をして、漸く私が1人で旅に出る事を心から認めてくれました。
啓司を頂いてから1ヶ月弱…両親が司教様と取り決めたその日が来るまで何度も何度も確認をして、着替え、街に出られた時の路銀、数週間分の非常食に寝袋…私にはちょっと重すぎるくらいの荷物を背負って、家族や友達、村の皆に見送られながら村を出ます。何をするにも先ずは単身森を抜ける事が先決でした。
最初のうちは採集を担当しているお兄さん達が採ってきた物も見つける事が出来て、非常食に手をつける事も無く進めました。
だけど村を出てから2日くらい経った頃、ついに村の人も踏み入らない場所まで踏み込みました。殆ど見慣れない景色…見慣れないと言えばこれまでも同じだったんですけど、村のお兄さん達から話に聞いていた分、落ち着いて行動出来たんです。でもその先はお話にも知らない、本当にお伽噺くらいでしか見た事の無い未知の世界だったから……
そんな景色にほんの少し、ほんの少しだけ興奮してしまって、見た事が無い樹の実を採ってみようとしたんです。でもそれがまさか噂に聞く森の主、オオガラスが大切にしているナワバリの樹だったなんて……
「…はぁー…はぁー…はぁー……っ…やっ…やっと…逃げ切れた……?」
あちこち走って逃げ回り、何とかオオガラスの追跡網から逃れる事が出来たらしい。
でも、この先の道に迷ってしまった。
これだけ無我夢中で走ったのだ、どっちが正しい道なのか分からなくなってしまうのも無理は無い。加えてもうすぐ日が暮れる、村を出てから3日目の夜だ。夜は下手に動くと獣の行動域に入って危ないから、火を焚いてすぐに寝なければならない。
私は道を探るのを翌日に持ち越して、お母様から貰った「蛍火」の簡易魔法スクロールを使い掻き集めた枯木に火を点ける。森の獣は火が嫌いだから、一晩燃え続けるソレを点けておくだけで獣達は寄って来ない。一安心をしてから、これまでの道程で採集出来た森の木の実を火で炙る。この辺りに実を付ける木の実は上手い加減で炙ると甘味が増し、物によってはアク抜きや毒抜きにもなる。村では誰にでも出来る、初歩的な調理手段の1つなのだ。
簡易的な調理を施した木の実を齧り、散々森の主から逃げまわったおかげで空いていた腹を満たしたところで、火に追加の枯木をくべて一晩保つようにしてからモソモソと寝袋に潜り込む。
あとどれ位歩いたら、私の知らない街に出られるだろうか。街に出たら、どんなに多くの事が知れるだろうか。そんな夢を見ながら、まだ何も知らない、どんな運命が待っているのかも理解していない、幼い私は眠りにつく。
…疲労と満腹感も相まってそう間を置かずに睡魔が襲い、まだ幼い少女は一晩の深い眠りに落ちた。
豆腐屋です、豆腐は売りません。
ここまで読んでくれた読者様、ありがとうございます。初投稿となるこの作品、頭の中で温め続けた割に先のお話が曖昧だったりキャラデザが何一つ決まってなかったりと、まぁメチャクチャです。
加えて作者は超のつく気分屋です。あとお調子者なので褒められるとモチベも伸びます。
私のモチベは読者様のコメントに賭かっています。ついでに言うとコメントで何か提案やアドバイスがあるとこの先取り入れていく…かも知れません。
では、私は次回の構想に取り掛かる為この辺で…