変身ヒーロー番組に出てくる、敵幹部紹介的なノリでやる、違反行為
変身ヒーローは必要である。
「それは2次元世界だけだ」
日曜8時半。元気に起きる子供達に、学校と同じ時間帯に始まるヒーロー番組はある意味、学校と同じくらい楽しんでくれやと、意図したものかな?日曜のアニメ、特撮のラインナップは良いもんだ。
ヒーローとはとても必要なものであると同時に、自らがヒーローだって名乗れるくらいに、社会で頑張れという隠れたメッセージがあるような、ないような。
「あれ、大人の男向けだからな」
「ロリコン御用達番組です」
休みかもしれない。仕事かもしれない。
そんな男達にだって、変身ヒーロー(美少女限定)番組は必要である。
「俺、もし絵が描けなかったら、悪の組織に入って、○○キュアを嫌がらせする事に目覚めていたかもしれない。いいやもう、少女を狙う犯罪者でいいや」
松代宗司。デザイナー。
「僕も、実際にいるんだったら、悪側につきたい」
瀬戸博。デザイナー。
アカン2人の、ヒーローを虐める会議である。その会議に口を挟むのは、この女性。
「あんた達ねー。あーいう番組は新しい仲間が出来たり現れたり、敵の幹部達が揃ったり、やってきたりするのが一番熱くなるじゃない!」
工藤友。通称、友ちゃん。プランナー。
「そんな熱血友情展開など、大人の子供にはどーでもいい」
「だいたいさー。女性の方が、そーいうの敏感で汚しやすいよね?派閥争いとか?分かち合えないーとか、独占欲吹き出るとかー。すぐ殴るし、すぐ泣くし」
「純真な子がヒーローをやっていると、応援したいよな。清からさがあるよね?」
「あんた等、悪かったわね」
ドゴオオォッッ
2人の頭に拳骨が入る。
◇ ◇
「くくく、どうやらミッツーヤはやられたようだ」
「幹部の面汚しよ」
「……ふん。時に○○キュアを讃えることもできんとは。お前達もミッツーヤと同じのようだな」
大人3人。いきなり、何してんねん……。ここ、会議室。テーブルで向かい合って、何しとんねん。
「ほーっ、クッドー。して、お前に何ができる?」
大人になったら全然できない、子供のノリである。それができるのは、この”今泉ゲーム会社”だけである。友ちゃんは先ほど挙げた、仲間ができたり、助けに来たり。敵の幹部達の集結シーンなどの熱い場面が大好きなのである。
「卑劣、卑怯。貴様等にはお似合いだ。私は、真向から○○キュアと対峙し、彼女達を倒す。それでこそ、悪の美学である」
というより、敵としての美学である。己の心にある忠義に、力という強さで相手を捻じ伏せる。友ちゃんは女の子なのに男らしい展開。そーいう好みを良くわかってらっしゃる。
今も昔も、味方も敵も王道こそが輝くのである。
「笑止」
「結構、結構。卑劣で構わないさ」
「マッソー、ヘーンタイ」
「ちょっと待って、僕は変態なの?酷くない?」
ノリが途切れるほど、酷いあだ名を食らう瀬戸博……。しかし、友ちゃんも松代も無視して演じる。
「お前達は○○キュアをどう倒すつもりだ?1人ぐらいは譲ってやろう」
うぉっ。タイマン主義。熱い敵幹部を演じてらっしゃる。
しかし、それを逆転させたかのような、松代の演技も熱が入っている。
「まずはカメラを持った大きなお友達達で○○キュア達を囲い、変身シーンを事細やかに撮影させる。その恥ずかしい写真を街中にばら撒いてやる。裸になっているところなんて映れば、一生物の傷だろうな」
汚ぇっ!!しかも、
「この時のため、最新のカメラを買って来た。いつでも戦い、撮影し、逃亡する準備と今晩のおかずにする準備はできている。ストーカーだってやってやる」
子供番組において、大人の汚いところを放送し、伝えるのも大人の義務なんじゃい。
「大人の悪というのを舐めるんじゃねぇよ」
「………………」
ピポパッ……
「あー、警察ですか?盗撮するストーカー及び、変質者が隣におりましてー」
「ちょっと待ってーー!!しない!しませんから!!変身前やトイレ、お風呂中を叩くより良いじゃねぇか!!あのな!俺から言わせてもらうけどな。『○○キュアになってくれ』って、大人的な事言ったら『○V誌に出てみない?』みたいな、危ない勧誘!っていうのをね!!子供は知るべきなの!大人の同人誌が賑わうの!」
「殺しますよ?」
「刃物出すな!武器使うな!!ごめんなさい!!」
ホント、ごめんなさい。