表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

今日から学校と仕事、始まります。①莞

変身ヒーロー番組に出てくる、敵幹部紹介的なノリでやる、違反行為

作者: 孤独

変身ヒーローは必要である。


「それは2次元世界だけだ」


日曜8時半。元気に起きる子供達に、学校と同じ時間帯に始まるヒーロー番組はある意味、学校と同じくらい楽しんでくれやと、意図したものかな?日曜のアニメ、特撮のラインナップは良いもんだ。

ヒーローとはとても必要なものであると同時に、自らがヒーローだって名乗れるくらいに、社会で頑張れという隠れたメッセージがあるような、ないような。


「あれ、大人の男向けだからな」

「ロリコン御用達番組です」


休みかもしれない。仕事かもしれない。

そんな男達にだって、変身ヒーロー(美少女限定)番組は必要である。


「俺、もし絵が描けなかったら、悪の組織に入って、○○キュアを嫌がらせする事に目覚めていたかもしれない。いいやもう、少女を狙う犯罪者でいいや」



松代宗司まつしろそうじ。デザイナー。



「僕も、実際にいるんだったら、悪側につきたい」



瀬戸博。デザイナー。

アカン2人の、ヒーローを虐める会議である。その会議に口を挟むのは、この女性。


「あんた達ねー。あーいう番組は新しい仲間が出来たり現れたり、敵の幹部達が揃ったり、やってきたりするのが一番熱くなるじゃない!」


工藤友。通称、友ちゃん。プランナー。


「そんな熱血友情展開など、大人の子供にはどーでもいい」

「だいたいさー。女性の方が、そーいうの敏感で汚しやすいよね?派閥争いとか?分かち合えないーとか、独占欲吹き出るとかー。すぐ殴るし、すぐ泣くし」

「純真な子がヒーローをやっていると、応援したいよな。清からさがあるよね?」

「あんた等、悪かったわね」




ドゴオオォッッ


2人の頭に拳骨が入る。



◇        ◇


「くくく、どうやらミッツーヤはやられたようだ」

「幹部の面汚しよ」

「……ふん。時に○○キュアを讃えることもできんとは。お前達もミッツーヤと同じのようだな」


大人3人。いきなり、何してんねん……。ここ、会議室。テーブルで向かい合って、何しとんねん。


「ほーっ、クッドー。して、お前に何ができる?」


大人になったら全然できない、子供のノリである。それができるのは、この”今泉ゲーム会社”だけである。友ちゃんは先ほど挙げた、仲間ができたり、助けに来たり。敵の幹部達の集結シーンなどの熱い場面が大好きなのである。


「卑劣、卑怯。貴様等にはお似合いだ。私は、真向から○○キュアと対峙し、彼女達を倒す。それでこそ、悪の美学である」


というより、敵としての美学である。己の心にある忠義に、力という強さで相手を捻じ伏せる。友ちゃんは女の子なのに男らしい展開。そーいう好みを良くわかってらっしゃる。

今も昔も、味方も敵も王道こそが輝くのである。


「笑止」

「結構、結構。卑劣で構わないさ」

「マッソー、ヘーンタイ」

「ちょっと待って、僕は変態なの?酷くない?」


ノリが途切れるほど、酷いあだ名を食らう瀬戸博……。しかし、友ちゃんも松代も無視して演じる。


「お前達は○○キュアをどう倒すつもりだ?1人ぐらいは譲ってやろう」


うぉっ。タイマン主義。熱い敵幹部を演じてらっしゃる。

しかし、それを逆転させたかのような、松代の演技も熱が入っている。


「まずはカメラを持った大きなお友達達で○○キュア達を囲い、変身シーンを事細やかに撮影させる。その恥ずかしい写真を街中にばら撒いてやる。裸になっているところなんて映れば、一生物の傷だろうな」


汚ぇっ!!しかも、


「この時のため、最新のカメラを買って来た。いつでも戦い、撮影し、逃亡する準備と今晩のおかずにする準備はできている。ストーカーだってやってやる」


子供番組において、大人の汚いところを放送し、伝えるのも大人の義務なんじゃい。


「大人の悪というのを舐めるんじゃねぇよ」

「………………」



ピポパッ……



「あー、警察ですか?盗撮するストーカー及び、変質者が隣におりましてー」

「ちょっと待ってーー!!しない!しませんから!!変身前やトイレ、お風呂中を叩くより良いじゃねぇか!!あのな!俺から言わせてもらうけどな。『○○キュアになってくれ』って、大人的な事言ったら『○V誌に出てみない?』みたいな、危ない勧誘!っていうのをね!!子供は知るべきなの!大人の同人誌が賑わうの!」

「殺しますよ?」

「刃物出すな!武器使うな!!ごめんなさい!!」


ホント、ごめんなさい。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 初めまして瑞輝と申します(^-^) 今回初めてコメントさせていただきます! 短編集を読みたいと探していたところ孤独さんの小説を拝見させていただき、共感できるところやおもしろ可笑しく見ること…
2018/04/03 11:20 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ