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八雲紫に幻想入りさせられたのだが  作者: 坂上儚月
第9章 儚月の異変解決
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儚月と紅魔館組とのスペル会得

壁||ω・)ジィ・・・・( ゜∀ ゜)ハッ!


皆さん、お久しぶりです!久方ぶりに書いたので内容がイマイチおかしい気がします0(:3 _ )~


ですが、気にしない方針でオナシャスm(*_ _)m

俺は先に行ってしまっていたお嬢様の後を追ってパチュリー様のいる大図書館に向かっている所だ。


「元気なのは良いが...お嬢様も俺の体力を考えてくれよ...」


そう、最初にいた場所から大図書館までは別館を通って更に奥にあるのだ。普通に遠いのでスペルカードを作る前から儚月はかなり疲れてしまっている様だった。


「儚月ー!遅いわよー!」


「お嬢様が早すぎるだけですよ...」


「別にいいじゃない♪こう言うのは久しぶりにするのだから♪」


(全く、これじゃまるで子供に遊ばれているみたいじゃないか...)


しかし、レミリアは吸血鬼でかなりの長寿。一度レミリアから年齢を聞かされた時には正直本当だとは思えなかった。歳には似合わずに見かけは完全に子供だったからだ。しかし、この幻想郷では更に長く生きている者もいると言うので、レミリアの事は既に子供と言う事にしている。


(でもまあ、少しは館の主としての威厳を持ってもらいたいのだけどな...あれじゃあ、主には見えないからな...)


「ん?どうしたの儚月?立ち止まっちゃって。」


「いえ、今度お嬢様にお勉強を教えないといけないと思っていただけです。」


「なんでそうなるの!?」


レミリアは頬を膨らませて怒った。しかし、やっぱり儚月から見たら子供にしか見えないのでそこまで怖くはなかった。


「冗談ですよ。冗談。お嬢様がお勉強出来ないのは知っていますから。」


「...それって私がバカって言ってない?」


「いえいえ。そんな事はありませんよ。」


俺は即答したが、返ってそれがお嬢様を怒らせてしまったようだった。


「むむむ...それなら、スペルカードが出来たら私に問題を出しなさい!絶対に解いてみせるから!」


「は、はい。分かりました。」


俺は分かったとは言ったが...俺自身簡単な問題を知らないので、お嬢様の苦悶している顔が既に想像出来ていた。しかし、そんな事を知らないお嬢様の自信満々な顔を見ていたら簡単な問題を無理にでも作らないといけないなと考えていた。


「...パチュリー様に手伝って貰わないと...」


「ん?何か言ったかしら?」


「いえ、何も言ってないですよ?」


「ふーん、まあ良いか。じゃあ先に行ってるからゆっくり来てなさい。」


お嬢様はそう言うと、すぐに姿が見えなくなってしまった。


「...ふう。お嬢様本当に子供っぽいな。」


俺は半ば呆れながらもあの様にはしゃぐお嬢様を見て自然と笑顔が零れていた。


「全く…俺も少し甘やかし過ぎているかな…」


儚月はそう言うと再び静かに歩き始めた。その足取りは自然と早くなっている気がした。それは期待の為なのか喜びの為なのかは分からない。


(…俺は人間だが、吸血鬼の屋敷の執事と言うのも中々良いものだな。)



_________________________________________________



「あら、意外と来るの早かったわね。もう少し掛かると思っていたのだけど。」


「私は歩くの早い方なのですよ。それにスペルカードを作れると言うのですから自然と足は早くなるものなのですよ。」


「そうなの?まあ、とりあえずパチェ。準備は出来てる?」


レミリアが本棚の後ろに声を掛けると魔導書を片手に持った魔法使いが出てきた。魔法使いの名前はパチュリー・ノーレッジ。このパチュリーは紅魔館の大図書館の管理をしており、知識も深い。ただし、喘息持ちなので戦闘は苦手。


「図書館に結界も張ったから何時でも出来るわよ。」


パチュリーは近くに置いてある椅子に座ると魔導書を読み始めた。


「パチュリー様はここに居て大丈夫なのですか?間違えて流れ弾が飛んで来たら…」


「大丈夫よ。その時はこあを盾にするから。」


パチュリーと儚月の会話が聞こえていたのか、本棚の後ろで本の整理をしていた小悪魔が驚いて出てきた。


「パチュリー様!?それは酷くないですか!?」


「こあなら大丈夫よ。何気に貴女頑丈だから。」


「頑丈じゃないですよ〜!!」


小悪魔は腕をブンブンと振りながら必死に肯定していた。


「…」


「静かに手を合わせないで下さいよ!?」


何故かそこにいる皆が満場一致で小悪魔に向かって手を合わせていた。何だか小悪魔の扱いが酷いな…何で思いながら俺も手を合わせいる訳なのだが…


「…とりあえずこんな冗談は終わりましょう。私の所に流れ弾が来たら結界を張れば防げるわ。だからこっちは心配しないで良いわよ。」


流石に弄り過ぎたと感じかのか、パチュリーはちゃんと結界を張るから大丈夫だと言った。小悪魔に関してはそれを聞いてほっとしていた。


「ではパチュリー様の方は心配要りませんね。」


「そうね。じゃあ話してばかりじゃ時間も勿体ないからすぐに始めましょうか?」


「そうですね。早速始めましょう。」


儚月とレミリアはパチュリー達から離れて少し広くなっている場所に行くと、すぐに飛んで距離を取った。


「ふふふ…いくら従者と言っても手加減はしないわよ?」


「それは私もですよ。怪我をなされても文句は言わないで下さいね?」


そう言うと儚月は背中に背負っている大きな刀を、レミリアは紅きグングニルを出すと互いに構えた。


「準備は良いわね?」


「何時でも出来ますよ。」


儚月とレミリアは少しだけ静止していたが、すぐに飛んでぶつかり合った。


「良い!?ただぶつかるだけでは駄目よ!戦いの中で自らの中にある"力"を見つけるのよ!」


レミリアは戦いながらも儚月がスペルを使える事が出来るようにアドバイスをしてくれていた。


「分かりました!ウォォォ!!」


儚月もレミリアのアドバイスを受けながら確実に手応えを感じていた。


(後少し…後少し何かきっかけがあれば…!!)


儚月は必死になってそのきっかけを探していたが見つからない。そして、一瞬油断してしまったのかレミリアのグングニルで刀を弾かれてしまった。刀は少し離れた所の地面に突き刺さった。


「…ふう。少し休憩しましょうか。あまり戦い続けても疲れては何も見いだせないからね。」


レミリアはグングニルを空中に投げるとグングニルは霧の様に消えてなくなった。


「分かりました…ふう。」


儚月は弾き飛ばされてしまった刀を取りに向かった。そして、刀の所に辿り着いて地面から引き抜こうとした瞬間何かを感じた。


「…?儚月?どうかしたの?」


レミリアは刀を掴んだまま立ち止まっている儚月に向かって声をかけた。しかし、それでも儚月は動かない。レミリアは気になって様子を見に行こうとしたがパチュリーに止められた。


「少し待ちなさい。…もしかしたら何かスペルを使えるのかも知れないわよ?」


「あの状態からスペル?」


レミリアとパチュリーは儚月を見ていると突然儚月がスペルを放った。


「…壱ノ太刀、地走り!」


儚月は地面をまるで鞘の様に扱い、刀を上へと斬り上げた。すると、空間が斬られてスキマが出現した。


「へぇ…地面を鞘の代わりにして居合と言うものをやったのね…」


「まさか戦いの中じゃなくて地面に刺さった刀でスペルを使うとはね…やっぱり面白いわ。」


レミリアとパチュリーは儚月のスペルを見て感心していた。


「…スペル使えちゃいましたね。」


儚月はスペルが使えたのが意外だったのか自分で驚いている様だった。


「ふふふ、驚いているみたいね。でも大体はそんなものよ。」


レミリアは儚月に近付くともう一度グングニルを出して構えた。


「休憩をしようって言ったけどやっぱり止めるわ。一度スペルが使えたのならまた新しいスペルが使える可能性があるからね。」


「分かりました。では、二回戦目と参りましょうか。」


儚月も刀を構えなおすと居合の型を取った。


「次は居合ね?良いわ、それならこれを弾けるかしら?!」


レミリアは空へと飛ぶとスペルを唱えた。


「神槍「スピア・ザ・グングニル」!」


レミリアは持っていたグングニルを物凄い勢いで投げ付けてきた。普通なら避けるのには吸血鬼並のスピードが無いと避けれない。もし弾こうにもそれなりの腕が無いと弾けない。しかしレミリアはこのグングニルを儚月は弾くと考えていた。それは短いながらも自分に仕えてきた従者へと信頼と言えるものであろう。


「…居合「業火一閃」!」


儚月が鞘から刀を引き抜くと炎を纏った居合を放った。すると、炎と居合の威力でレミリアのグングニルを相殺させたのだ。レミリアはそれを見て内心笑っていた。儚月はレミリアの思った通りにグングニルを弾いたからだ。


「また使えた…!」


「こんな短時間で二つも使えるなんて、やっぱり才能があるんじゃないかしら?」


レミリアは降りてくると儚月の肩を叩いた。


「いえ、まだこれでは足りません…まだこれだけでは…お嬢様、まだスペルを増やす為に協力して頂けませんか?」


儚月はレミリアに頭を下げてお願いした。勿論レミリアは快く了承してくれた。


「良いわよ。私も結構楽しいから。」


「楽しむのは良いけど程々にしてちょうだいね。結界が持たなくなったら困るから。」


パチュリーは相変わらず椅子に座って魔導書ばかりを読んでいる。小悪魔は本の整理がまだ終わっていないのか姿は見えなかった。


「さてと、早速始めたい所なんだけど…私ばかりが相手してたらつまらないだろうから美鈴を呼ぼうかしら?咲夜ー!」


「お呼びでしょうか?」


咲夜はレミリアに呼ばれると一瞬何か変な違和感を感じた瞬時、咲夜はレミリアの隣に立っていた。


「相変わらず来るのが早いわね。外に居る美鈴を呼んできてもらえるかしら?儚月と手合わせをさせたいの。」


「かしこまりました。ですが代わりの門番は誰を置いておきましょうか?」


「そうね…適当に妖精メイドでも置いておいたら?」


レミリアはそう提案したが、すぐに咲夜に却下された。


「それはいけません。メイドと言っても自由気ままな妖精なのです。勝手に何処かへ行かれても困ります。」


「ああ、それなら私が外に行った方が良いでしょうな。そうすれば問題は無いでしょう。」


俺はそう提案すると咲夜は少し考えると了承してくれた。


「それなら門番も離れなくて大丈夫でしょうね。一応言っておくけど、もし美鈴が寝ていたらどんな手段を使ってでも良いから叩き起しておいてくれるかしら?」


咲夜は儚月にそう言うと夕餉の支度の為にすぐにその場から消えてしまった。


「相変わらず早いわね。咲夜は。」


「早いのは良いのだけど…ちゃんと休んでいるのかしら?」


パチュリーとレミリアは咲夜の心配をしていた。それもそのはず、パチュリーとレミリアは咲夜が休んでいる姿を一度も見たことが無いのだ。


「大丈夫ですよ。何度か妖精メイドと雑談しながら休んでいる所を見た事があります。」


「あら、そうなの?」


「はい。」


「でも私達は休んでいる姿を見た事が無いのだけど…」


「それはそうでしょうね。咲夜さんはその都度適当な部屋で休憩しているのですから。何処で休んでいるかなんてこんなに部屋があっては分からないのも無理はありません。」


「…あれ?それなら儚月はどうして咲夜が休んでいるのを知っているの?さっき儚月が言ったようにこの館は部屋数が多いかは何処で休んでいるのか分からないのに…」


儚月はさも当たり前みたいな感じで理由を説明し始めた。


「それは咲夜さんの気配を探して見つけているだけですよ?」


「…へ?」


パチュリーとレミリアは儚月がさも当たり前の様に話しているので一瞬止まってしまった。


「いやいや、こんな広い屋敷の中でたった一人の気配を探せるの?」


「勿論です。何なら今扉の前でこっそりと話を聞いている白黒の魔法使いが居ますが?」


レミリアはそれを聞くとすぐに扉まで飛んでいき、扉を開けた。するとガンと言う小気味良い音が聞こえた。


「いてて…いきなり開けるなよな…」


扉を開けた先にはおでこを押さえて半泣きになっている白黒の魔法使い、霧雨魔理沙が居た。


「ほ…本当にいた…」


「んえ?何の話だ?」


儚月達との話を聞いていなかった魔理沙はおでこを押さえながら儚月とパチュリーの居るところに近づいて行った。


「ん?えーとだな、俺が気配を探るのが得意だつて話をしていた。」


「いや得意ってレベルじゃないでしょ!?」


レミリアは儚月にツッコミを入れると溜息を吐きながらパチュリーの隣に座った。


「全く…貴方が本当に人間かどうか怪しくなってきたわね…」


「正真正銘人間です。」


「即答なのね。でも扉の近くにいたレミィでも気付かなかったのよ?流石に人間かどうか疑うのも仕方ないわよ。」


「…何だか私だけ空気みたいな気がする?」


パチュリーとレミリアは儚月と言う人間に更に興味を持った。短い付き合いでも流石に知らない事が多すぎる。二人は丁度いい機会なので色々と質問してみる事にしてみた。ついでに魔理沙もその会話に入ってきた。


「儚月。私達は短い付き合いをしているわ。だけどそれでも貴方の事を詳しくは知らない。だから色々と質問してみても良いかしら?」


「質問ですか?まあ答えられる範囲でしたら大丈夫ですよ。」


「それじゃあ早速質問なのだけど、貴方のその気配を察知する能力は幻想郷に来てから手に入れたものなの?」


レミリアは先ほど魔理沙を見つけた時のあの気配を察知する能力の事を聞いてみた。


「いえ。あれは幻想郷に来る前から既に会得していたものです。」


「幻想郷に来る前から?一体何をしていたらそんな気配を察知する能力を手に入れたのよ。」


レミリアは軽く聞いたつもりだったが、何故か儚月の目付きが一瞬だけ殺気を篭もった気がした。しかし、もう一度良く見て見たが特にそんな気配は無かった。


「えーと、それに関してはまた時が来たら話します。今はまだ話せる様なものではありませんので…」


儚月は少々無理やりレミリアとの会話を終わらせると、次は誰が質問するか聞いてきた。


「それなら次は私が聞いても良いかしら?」


パチュリーが読んでいた魔導書を机に置くとこちらを向いた。


「次はパチュリー様ですね。どんな質問ですか?」


「特にあれって訳じゃないけど、貴方って刀を主体として戦っているけど魔法や弾幕等は使えるのかしら?」


「そう言えば私と戦っている時も弾幕とかは一切使わなかったわね。」


レミリアは先程戦っていた時の様子を思い出していた。確かに儚月と戦っていた時も弾幕等は一切使わないでこちらの弾幕を刀で撃ち落とすか斬り落とすかのどちらかしかしていなかった。


「ええとですね、私は弾幕や魔法の類は使えない事は無いです。ですが遠距離攻撃系は苦手でして…なので得意な接近戦か相手の弾幕等を撃ち落とすぐらいしか出来ないのです。」


「撃ち落とすだけでも十分だと思うのだけど?」


「あんなのは弾道を読めば簡単な事ですよ。…そう、拳銃とかに比べれば遥かに…」


「ん?何か言った?」


レミリアは儚月が最後に何かを言っていた気がしたので聞いてみた。


「いえ、何も言ってないですよ?」


「そう?なら良いけど。」


レミリアは確かに儚月が何かを言っていたのを聞いていたが、これ以上は聞いても答えてくれなさそうなので聞くのを止めておいた。


「あ、それじゃあ最後に私が聞いてもいいか?」


魔理沙が本棚になおしてあった魔導書をさりげなく懐に隠しながら儚月の前に立った。


「次は魔理沙か。質問するのは良いけど懐にしまい込んだ魔導書はちゃんと返してもらうからな?」


「ワタシハマドウショナンテモッテナイデスヨー」


「何で片言なんだよ。とりあえずゲンコツ喰らいたくなければちゃんと返す事だな。」


「はいはい。分かった分かった。ま、とりあえず私から質問な。」


そう言うと魔理沙はこちらの目をしっかりと見て…




「お前の弟、坂上竜神の正体は一体何なんだ?」




魔理沙の最後の質問は一体何を示すのか?儚月はこの質問にどう答えるのか?

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