特別編〜主人公達のクリスマス〜
今回はクリスマスと言う事で、クリスマス編を書いてみました。クリスマスと言うか主人公達のある種の決意を書いたみたいになってしまいましたが...そこは目を瞑ってるやって下さい。
「...さて、とりあえず館の飾り付けはこれで終わったかな?」
俺は今紅魔館のクリスマスの飾り付けをしている所だ。何故クリスマスの準備をしているかというと、事の発端は俺が独り言でクリスマスが近付いていると呟いていたら丁度通りかかったお嬢様に聞かれていたらしく、俺の言っていた外の世界のクリスマスについて教えてくれと頼まれた。そこで、俺が色々教えると興味を持ったのかクリスマスを紅魔館でもやろうと言い出した。
「まあ、ここに来てからはクリスマスとかの行事とかは関係無くなっていたからな。こう言ったのも悪くは無いか。」
とは言っても流石に紅魔館だけでクリスマスをやると言うのは少々寂しい気もしたので、妖怪の山のパパラッチに頼んでクリスマスの事を幻想郷中に広めてもらった。そしたら幻想郷中の人や妖怪、妖精達も興味を持ったらしく今は幻想郷中のあちこちで飾り付けが始まっていた。勿論幻想郷にはクリスマスの飾り等は無いので、噂を聞きつけていた紫に頼んで物凄い量の飾りを用意してもらった。
「......で、お嬢様は何故ツリーの上で飾られているのですか?」
そう、先程からずっと気になっていたのだが、何故かレミリアお嬢様がツリーの上で飾られていたのだ。(大体の予想はつくが)
「ぅぅぅ...クリスマス用のケーキって言うのをこっそり食べようとしたら咲夜に見つかって...」
「だろうと思いましたよ。まあ、暫くは反省という事でそこで飾られていてくださいな。」
「そんな事言わないで下ろしてよ~...」
「嫌です。」
「ええ!?何でよ~!」
「理由、飾り付けの時にずっと邪魔をして来たので。」
俺はそう言うと踵を返して咲夜さんのいるキッチンへと向かった。その間ツリーの上でレミリアお嬢様が半泣きになりながら助けを求めていたのを後に知る事になる。
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「竜神。こっちの飾り付けは終わったけど、そっちは終わった?」
「おう。こっちも丁度終わったぜ。」
俺はアリスの家でクリスマスの準備をしていた。(アリスの家で居候、もとい同居しているからだ。)勿論、飾りは能力を使って創造させた。
「後はケーキが焼き上がるのを待つだけね。」
「そうだな。しかしこうやって過ごすのなんて初めてじゃないか?」
「確かにそうね。前はずっと幻想郷を飛び回っていたからね。」
「まあ、こんな事も出来るのは平和になった事って事だな。」
「そうね。っと、誰か来たみたいね。竜神誰か呼んだ?」
「いいや?そもそも今日は買い物以外外に出てないだろう。それにずっとアリスと一緒だったじゃないか。」
「うーん、それもそうよね。考えられるのは魔理沙...?」
「あー、確かに有り得るな。んでどうする?扉開けるか?」
先程からずっと扉を叩く音がなっていた。
「そうね。魔理沙なら放っておいたら扉を壊しかねないから。」
「そうだよな。それじゃ開けるか。」
俺が扉に近付いて開けると、外にいたのは魔理沙では無く、夜雀のミスティアと蛍妖怪のリグル、それに光の三妖精のスター、サニー、ルナと大妖精の六人(?←妖怪と妖精だから人じゃないか?)が立っていた。
「あれ、どうしたんだ?お前達。」
「そ、それが...その...」
「ん?どうしたんだ?何かあったのか?」
「い、いや!そういう事じゃなくて...その...」
「あら、竜神どうかしたの?」
「ああ、それがな魔理沙じゃなくて妖精と妖怪が来てた。」
「妖精と妖怪?どれどれ...ああ、あなた達ね。とりあえず寒いでしょうから中に入りなさい。」
アリスが六人に中に入るように促すと、相当に寒かったのかすぐに中に入っていった。
「それで?どうかしたのかしら?わざわざ此処に来るなんて。」
アリスが五人に聞いてみると、ミスティアが説明をし始めた。
「えっとですね...実は今年の冬は前よりも寒くなっていて、チルノちゃんが半ば暴走気味になっちゃって...」
「成程な。そこまで聞いて分かったが、どうせチルノを止めてくれって言うんだろう?」
「はい。どうにかして止めてもらえないでしょうか?このままじゃここら辺も氷漬けにされちゃいます!」
ミスティアは必死に言っていたが、俺は首を横に振った。
「ええ!?どうしてですか?!」
「いやな...それ何だが、少し前に買い出しに行った時に会ってな。そん時に攻撃してきたからとりあえずピチュらせておいた。」
「そ、そうなんですか...それでチルノちゃんはどうしましたか?」
大妖精が恐る恐る聞いてきたので、ちょっと冗談を言ってみる事にした。
「ああ、チルノならあそこにある鍋に入れて溶かさせてもらったよ。」
「ち、チルノちゃん!?」
大妖精が物凄い勢いで慌て始めたので、アリスがさっき言った事が冗談だと伝えた。
「落ち着きなさい。大丈夫よ。流石に氷精を鍋で煮込む様な真似はしないわよ。」
「じゃ、じゃあチルノちゃんはどうしたんでふか?」
(あ、今慌てて盛大に噛んでたな。)
さっきの大妖精の噛んだのを聞いたアリスは俺の後ろに隠れて笑いを堪えていた。
「チルノならレティに渡してきたよ。その方が確実だしな。あいつ思った以上に母親気質があるからな。」
俺は大妖精にそう伝えると安堵した。そしたら次は俺に向かって物凄く顔を赤くしながら文句を言ってきた。
「な、何でさっき嘘をついたんですか!?」
「あ、いや...その~...ちょっと冗談言ってみたらどうなるかな~と...」
「焦るに決まってるじゃないですか!もう!」
大妖精はそう言うとそっぽを向いてしまった。
「あー、いやその...本当にすんませんでしたぁ!」
竜神はそう言うと盛大に土下座をした。それを見たアリスはお腹を抱えて大笑いをし、大妖精は物凄く慌てていた。(ちなみに他の三妖精とリグル、ミスティアもアリスと共に笑っていた。)
「全く、竜神も思いっきり笑わせてくるわねw」
「竜神さんの土下座とか見た事無かったけど何故か面白いw」
「そうだ!これをネタにして弄ってやろう!」
「お前ら本当に止めてくれ~!!」
竜神は頭を抱えながらも笑い、アリス達も思いっきり笑っていた。そんなこんなしている内にケーキが焼けたようで、アリスは大妖精達も一緒にケーキを食べようと言ったら大喜びで飛び跳ねた。それを竜神は見ながら自分の守った幻想を改めて実感した。
(ああ...これが俺の...皆の望んだ笑顔なんだな...)
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「あ、崟兒さん!こんな所に居たんですか!」
自分は今白玉楼の西行妖の下で枯れた桜の木を眺めていた。すると、自分の弟子である(と言うか半ば強引だった気が...)妖夢が走ってきた。
「どうしたんだい妖夢?今日の鍛錬はお休みだと言ったはずですが?」
「鍛錬の事じゃなくて、今日はクリスマスと言う外の行事をやっているらしいんですよ!」
「へぇ。クリスマスですか。幻想郷が何だか賑やかだと思ったらそれが原因でしたか。」
「あれ?崟兒さんはクリスマスの事を知っているんですか?」
「知っていますよ。よく自分の働いている定食屋に紫さんが来るのを知っていますよね?」
「あ、はい。たまに幽々子様と一緒にその定食屋に行っているので。」
「実はその定食屋の女将さんと私だけは紫さんと幽々子さんが人間じゃない事を知っていまして。それで良く女将さんの許可を貰って紫さんと話をしたりするのですが、その時に外の世界のクリスマスというものについて教えて貰ったのです。」
「成程。そういう事だったんですね。」
「ええ。所で自分に何か用があったのでは無いのですか?」
「あ、そうでした!それがですね、幽々子様がそのクリスマスの噂を紫様から聞いたらしく、白玉楼でも飾り付けしようって言い始めちゃって。」
「へえ。それは良いじゃないですか。それで、早速飾り付けをするのですか?」
「はい。飾り付けの飾りの方は紫様が大量に持ってきてくれたので飾りの方は問題無いです。」
「そうですか。飾りは問題無いとして後は料理とお酒ですね。」
「そこなんですよね...幽々子様は物凄い量を食べますし、紫様はお酒ばかり飲みますから...」
「まあ、お酒の方は紫さんが何とかしてくれるでしょう。料理は自分達で何とかするしかないですね。」
「やっぱりそうですよね...」
妖夢は思い切り肩を落とした。それはそのはず。幽々子は大盛りご飯でもすぐに(本当一瞬と言ってもいい程)食べてしまうからだ。
「…とりあえず飾り付けでもしますか。料理は後から作りましょう。」
「そうですね。では私は屋敷の中の飾り付けをしますね。」
「分かりました。では自分は外の飾り付けを。」
二人はそれぞれ別れて飾り付けをやり始めた。崟兒は外で、妖夢は屋敷の中の飾り付けをする事になった。
「…さて、飾り付けと言ってもどうすれば良いのでしょうか?」
崟兒はクリスマスと言う行事があることは知っていたが、どのようにして飾り付けするのかまでは知らなかった。
「ううむ、こうでしょうか...いや、こうなのでしょうか?」
崟兒が飾り付けに四苦八苦していると、いきなり上から声が聞こえてきた。
「あらあら、ちょっと幽々子の様子を見に来たら別に面白いのが見れたわね。」
「...定食屋への出入りを禁止にしても良いのですよ?」
「ごめんなさい!謝るからそれだけはやめて~!」
そう言うと逆さまでこちらを見ていた紫さんは自分の隣に降りてきた。
「それで?本当の要件は何でしょうか?」
「あら、私が幽々子の様子を見に来ただけじゃないて気付いていたの?」
「そりゃ片手にお酒のビン抱えていたら嫌でも妖夢を見に来ただけじゃない事ぐらいは分かりますよ。」
「やっぱりお酒で分かっちゃうわよね~。実は幽々子と一緒にお酒を飲む約束をしていたのよ。」
「自分達にはそんな事一言も言っていなかったのですが。」
「それはそうよ。多分幽々子、私とお酒を一緒に飲むこと忘れていると思うもの。」
「あー、確かに幽々子さんなら忘れていそうですね。」
「ま、そんな訳だから幽々子の場所教えて貰っても良いかしら?」
「良いですけど、羽目を外しすぎて妖夢さんにお酒を飲ますような真似はしないで下さいよ?」
「分かってるわよ...私だってお酒の飲んだ妖夢の相手はしたくないわ...」
とりあえず、崟兒は紫に幽々子が自分の部屋に居ることを伝えると、すぐに紫は幽々子の部屋に向かっていった。
「あ...ついでに飾り付けのやり方を教えてもらえば良かったじゃないですか...まあ、仕方ないから早く終わらせて妖夢さんの所に行かないと。」
崟兒は素早く飾り付け(半ば適当に)を終わらすと、妖夢が居るであろう台所に急いで向かうのだった。
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「三者三様、お互い場所は違えどもやることなすこと似るものなのだな。」
「まあ、あの三人はある意味心の通じている仲間ってやつだからね。」
「確かにそうだな。しかし、もうクリスマスになるのだな。」
「そうだねぇ。もう此処に来てから結構経つかな?」
「ああ、結構経っているな。お陰で早苗も幻想郷に慣れたからな。」
守矢の神である諏訪子と加奈子は神社の中で酒を酌み交わしながらのんびりとしていた。神社の巫女である早苗は博麗神社でもクリスマスが行われると知ってすぐに向かってしまったので今はいない。
「しっかし、本当平和だよねぇ。」
「良いじゃないか平和でさ。前みたいに異変が起きまくるのも楽しいけどさ。」
「まあ、楽しかったけどあれは相当にキツかったけど?」
「あー、確かにあれはキツかったな...今でも思い出したら竜神が居てくれて助かったと思っているね。」
「確かにそうだよねぇ。まあ、流石にこの話は止めようや。」
「そうだな...って、もう酒が無くなってないか?」
「ん?あれ、本当だ。確か他にも予備のお酒って置いてあったっけ?」
「確か台所にまだ5~6本はあった気がするよ。」
「それじゃあちょっと取りに行ってくるよ。どうせ加奈子は動かなさそうだからね。 」
「分かってるじゃないかwまあ、頼んだよ。」
諏訪子はやれやれと言った感じで台所の方へと向かった。
「ふー。しかし、外の方もかなり賑やかになってきたな。」
加奈子は外廊下に面している襖を開けると、守矢神社のある妖怪の山からでも分かるほど人里や各地にある神社等から賑やかな気配を感じ取れた。
「ま、幻想郷もこんな感じで賑やかになるのも良いものだな。」
「お~い、お酒持ってきたよ。」
「ん?お、それそれ。やっぱりまだ置いてあったか。」
「ちょっと探すのに苦労したけどね。全く、何で床下に直していたのかね。」
「それは早苗に言ってくれ。早苗に買いに行かせたら何故かそこに直してしまったのだからな。」
「まあ良いや。所で何を見ているんだい?」
「外だよ。外。こんな山上にある神社からでも下の賑やかなのが見えるなと思ってな。」
「へえ、どれどれ。お、本当だ。相当賑やかだねぇ。」
「全くだ。まあ一番気になるのが明日の新聞にあのパパラッチが何て書くのかが気になるね。」
「どうせ無かった事をあった事にして書くんだから信用性低いと思うよ?」
「なに、元から信用なんてしてないさ。ただ単にパパラッチの新聞を読むのが少し楽しみなだけさ。」
「あー、考え方が既に年寄r」
「何か言ったかい?諏訪子。」
「何も言ってないよ。所で何だか雪が降りそうだね。」
「ん?言われてみれば確かにそんな感じもするな。」
諏訪子と加奈子が外に出てみると、丁度雪が降り始めた。
「お、降ってきたな。」
「本当なら冬眠をしている所なんだけどねぇ。たまには少し長く起きていても良いと思っていたけど、本当起きてて良かったよ。」
「だな。さて、この賑やかさももう少ししたら静かになるんじゃないかな?そろそろいい時間になるしな。」
「お、そんなに経っていたっけ?」
「もう深夜になるさ。多分早苗は霊夢の所で寝ているだろうからこっちはこっちで酒飲みでも続けようか。」
「そうだね。じゃとりあえず中に入ろう。流石に寒くなってきた。」
加奈子と諏訪子は再び神社の中に戻って行った。
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深夜の騒いでいた妖怪や人間も寝静まって静かになった頃、香霖堂に竜神と儚月、それに崟兒が集まっていた。
「すみません。こんな夜中に場所をお借りして。」
崟兒は香霖堂の店主である霖之助に頭を下げていた。
「いや、気にしないでくれたまえ。どうせ僕は今から外出するつもりだったからね。」
「こんな時間に外出とは珍しいですね。」
「まあ、ちょっとした野暮用ってやつだよ。暫くは戻らないから好きに使っていても構わないからね。」
霖之助はそれじゃと言うと香霖堂から出ていった。
「んで、漸くこうして静かに三人で酒飲めるってな。」
「お酒を飲むのは良いのですが、何処にあるのですか?見渡す限りは何処にも無いのですが...」
「ちゃんと持ってきているさ。少し待っててくれ。」
儚月はそう言うと、何も無い空間に向かって指を鳴らすとスキマが出現し、中からお酒を取り出した。
「へぇ、兄貴ってそんな事も出来たのか?」
「ああ。少し前に練習したら案外簡単に出来てな。それ以降活用しているのさ。」
「活用している割には背中に背負っている大太刀だけは直していないのですね。」
「まあな。何だかこの太刀を背負って無いと落ち着かなくてな。」
「まあ、とりあえずこの話は止めて酒でも飲もうや!」
「フッ。そうだな、だが飲みすぎるなよ?」
「竜神さんなら大丈夫じゃないですか?鬼と張り合える程ですから。」
「それもそうだったな。ま、とりあえず乾杯するか。」
儚月は指で酒瓶の口を指でなぞると、なぞった場所が綺麗に切れた。
「...もしかして兄貴って全身凶器だったりするのか?」
「まあ、あながち間違えでは無いな。」
儚月は三人分の酒を素早く注ぐと、それぞれ竜神達に渡した。
「さて、それじゃ乾杯っと。」
「乾杯ですね。」
「お、この酒美味いな!」
「って、竜神さん飲むの早くないですか?」
「気にするな。これが何時もの事だからな。」
儚月は少しずつ酒を飲みながら時々別に持ってきていたつまみを食べていた。
「あ、所で兄貴の所と崟兒の所でもクリスマスやっていたんだろ?ここに居ても大丈夫なのか?」
「レミリアお嬢様が馬鹿騒ぎをしてくれたお陰で紅魔館の住人全員寝てしまったよ。今回は珍しく咲夜さんも寝てしまったな。」
「自分の所も大丈夫です。幽々子さんはお酒を一緒に飲みに来た紫さんと一緒に飲んだ後に疲れ果てて寝ましたよ。」
「疲れ果てた?酒飲むだけで疲れたのか?」
「どうせあれだろ?酒に酔った幽々子達が妖夢に酒を飲ませたからだろう?妖夢は確か泣き上戸だったはずだからな。」
「はい。まあ自分も疲れましたが殆ど幽々子さん達の方に行っていたので良かったですがね。勿論妖夢さんも寝てしまいましたよ。」
「てか竜神の方は大丈夫なのか?」
「俺の方も大丈夫だよ。予想外の客と一緒に騒いでいたら疲れ果てて寝てしまったからな。」
「予想外の客?」
「夜雀と蛍と大妖精と光の三妖精。」
「あー、あの賑やかなメンバーですね。」
「そうそう。」
「そう言えば竜神。今日は氷の妖精を見ていないのだが何か知らないか?ルーミアが相当心配していてな。」
「氷の妖精って言ったら確か...チルノの事でしたっけ?」
「そうだ。あのバカだ。」
「あー、そのバカなんだがな...今年はどうも相当寒くなっていたらしくてな?それでチルノが半暴走していたから思いっきり倒しちまった。」
「そうなのか?それでチルノはどうした?」
「レティに渡してきた。あいつ母親気質だからな。」
「そうでしたか。って、もうお酒無くなっていませんか?」
崟兒が酒瓶を持ち上げると既に中身は空になっていた。
「おっと、本当だな。外に数本冷やす感じで置いてあるからそれを持ってこよう。」
儚月が扉をあけると、雪が降っているのが見えた。
「へぇ、今回は静かな雪ですね。」
「雪見ながらの雪見酒ってのも趣旨があって良いんじゃないか?」
「良い考えだな。確か近くに丁度三人分の切り株があったはずだ。」
「よし、それじゃあすぐに行こう。夜もそう長くは無いからな。」
「そうですね。では行きますか。」
三人は酒瓶を持つと、儚月の言っていた切り株の所に向かった。
「そう言えば、竜神さんはアリスさんの事をどう思っているのですか?」
歩いていると不意に崟兒が竜神にそんな質問をしてきた。
「は!?え!?な、何がだ!?」
「慌て過ぎだろう。」
いきなりの質問で竜神は相当慌ててしまった。一方の崟兒は更に竜神に聞いてきた。どうやら酒が少し回っている様だった。
「そりゃ...大切な仲間であり、大切な家族の一人...さ。」
「やっぱり竜神もそう考えるようになったか。俺も最初はただの仲間でありお仕えする主だけとしか考えていなかった。だが時間が経つ事に守りたい家族だと思えるようになった...」
「竜神さんも儚月さんも同じでしたか。自分も最初はただの能力を持っている定食屋の店員...それが弟子を持った途端に何故か愛おしく、やるで家族の様に感じてしまう。それを壊す者がいるなら振り払って家族を守り、この幻想を守ると...」
三人は丁度切り株のある場所に着き、そこで盃を取った。
「ならば誓おう。俺達三人、この幻想を守り抜き家族も守ろうと。」
「フッ...クリスマスの夜に男三人で誓の盃か...それも良いな。」
「全くです。これじゃクリスマスと言えるかどうかですね。」
「そこは抜かり無いさ。既に俺がスキマを使って幻想郷に住んでいる全ての者にクリスマスのプレゼントを配ったさ。後配っていないのは...俺達の家族だけさ。」
「考えているじゃないか。流石兄貴だな。」
「さ、それなら盃を交わして大切な家族にプレゼントを届けましょう。」
「そうだな。俺達三人!」
「何があろうとも!」
「家族を守り幻想を守る事を!」
「「「共に誓おう!!!」」」
クリスマスの夜...共に過ごせし大切な時。それは時に決意を固める大切な時にをもなる。それぞれ誓を交わした者達は、大切な家族の元へと帰る。そして、クリスマスのプレゼントを枕元へ置いて笑みを浮かべる。それが一時の時期だけの時だとしても。大切な家族に幸せをプレゼントする為に...
決意って良いですよね...(突然)
決意を固めた主人公達ってカッコよくないですか?
私はやっぱりクリスマスとかのハッピーな物語を書くのは苦手と言う事を改めて実感しましたよ(ホント泣きたい)