崟兒VS妖夢、戦闘決着!
何時もの事ですが話の内容が飛んでる様な気がしてならないです...それと、小説は大体一週間に一回のペースになるかもしれません。
~???~
「主よ、こちらの思惑通り西行寺幽々子が西行妖の桜を咲かせる行動を起こしたようです。」
「そうか、ご苦労。下がって来るべき幻想郷の者達への戦いに備えよ。」
「少しお待ちを。まだ御報告があります。」
「なんだ。その報告とは。」
「実は、八雲紫が外の世界の人間を二人、幻想入りさせたようなのです。」
「ほう...それは興味深い。その者の詳しい情報はあるか?」
「いえ...少ししか分かっておりません。何しろ八雲紫の結界に邪魔をされており調査が捗らないのです。」
「少しでも良い。それで、どんな情報なのだ?」
「はい。その者の能力と名前の方でございます。一人目の能力は『全てを斬る程度の能力』。そして名前は坂上儚月。二人目の能力は『能力を創造する程度の能力』そして名前は...」
俺はその時、部下から出てきた名前を聞いて驚いた。
「坂上竜神。」
「竜神...まさかあいつを幻想郷に幻想入りさせていたとはな...」
「...どうか致しましたか?」
「いや、何でも無い。もう下がって良いぞ。」
「はっ...!失礼致します...」
そう言うと先程目の前にいた者の気配は消えてしまった。
「まさか...あの『実験体』が生きていたとはな...」
俺は竜神の事は後で始末すると考た。しかし、あいつの能力は厄介だとも考えた。だが、あいつの『…』を持っている限りあいつには勝機は無い。
「さて...あいつの事はどうにでも出来る...今はこの幻想郷を...」
俺は、一呼吸置いて怨みを込めるようにこう呟いた。
「...滅ぼすことだけだ...!」
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~白玉楼~
「さて、庭師の本気の実力を見せてもらいましょうか。」
「甘く見たら...死にますよ?」
二人は武器を構え、お互いに牽制しながら様子を見ていた。そして、最初に動いたのは...崟兒だった。
「はっ!」
崟兒は居合いで妖夢に攻撃したが、妖夢は楼観剣と白楼剣でその居合いを受け止めた。
「確かに貴方は強いです。それは認めましょう。ですが、一刀流が二刀流に勝てると思っていますか?」
妖夢はそう言うと、崟兒の刀を弾き攻撃に転じた。
「くっ...やっぱり二刀流はきつかったかな?」
「今更後悔しても遅いです!」
妖夢は崟兒に向かって怒涛の連続斬りを浴びせた。
「なっ...!しまった!」
崟兒は妖夢の攻撃を防ごうとしたが、あまりの勢いの強さに刀が弾き飛ばされてしまった。
「これで勝負ありですね。さあ、これで時間は稼げました。後は霊夢さん達にかけるしか...」
そこまで言って妖夢は何かの気配を感じ、咄嗟に横に避けた。すると、さっきまで自分の立っていた場所に崟兒の刀が刺さっていた。
「...まだ終わって無いですよ?」
崟兒は地面に刺さった刀を抜き取ると、再び刀を構えた。
「まだ戦おうと言うのですか!?それにさっき武器が飛んできたのは一体!?」
「ええ、自分は負けず嫌いですからね。さっきのネタばらしは戦いながら教えますよ!」
崟兒は言うや否や物凄いスピードで妖夢に向かって行った。
「なっ!?このスピード...貴方本当に人間ですか!?」
「人間ですよ!...自称ですがね...」
その時の妖夢は崟兒が最後に言った言葉を聞き取れなかった。
「行きますよ!居合い「抜刀紅牙」!」
崟兒は先程と同じように抜刀をしたが、さっきとは明らかに違う斬撃を飛ばしてきた。その斬撃は紅く、そして虎の牙の如く勢いで妖夢に襲いかかった。
「っ!餓王剣「餓鬼十王の報い」!」
妖夢は負けじと崟兒の居合いに対し、自身のスペルカードで崟兒の斬撃を相殺させた。
「流石ですね。庭師と言えども剣士ですか。いきなりとは言え自分の斬撃を相殺させるのですから。」
「それは褒めているのですか?それともけなしているのですか?」
「褒めているのですよ。自分と対等に渡り合える人は初めてですから。」
「...そうですか。なら、ちょっと戦いに制限をかけませんか?このまま戦ってもお互いに消耗するだけですから。」
「制限ですか?」
「はい。使用出来るスペルの枚数を2枚、そして戦闘時間を15分にします。15分後、どちらも立っていたら引き分け。どちらかが時間内にスペルカードを使い切ったり、負けを認めたらそこで戦闘は終了です。」
「成る程...受けて立ちましょう!」
「では、私の合図で戦闘を再開しましょう。」
そう言うと妖夢と崟兒は刀を構え直した。
「準備は出来てますか?」
「自分は出来てますよ。」
「分かりました...それでは、始めます!」
崟兒はその言葉を聞くやいなや再び瞬間的に妖夢に詰め寄った。しかし、妖夢もそれを予想していたのか崟兒が近くに寄った瞬間に楼観剣を振った。
「おっと。流石に同じ手は通用しませんか。なら、これはどうですか!」
崟兒は刀を空に投げた。
「一体何をするつもりですか?」
「さっき自分の刀がいきなり飛んできましたよね?それの正体を見せますよ。」
崟兒はそう言うと指を不規則に動かし始めた。その動きはまるで何かを操るような動きであった。
「その動かし方、どこかで...」
「『七色の人形遣い』...そう言ったら伝わるかな?」
「...!まさか!」
「そう!そのまさかですよ!」
そう。崟兒は刀を『糸』で操っていたのである。
「...本当に貴方は人間ですか?」
「人間ですよ。」
「...まあ、良いでしょう。残り時間も10分になりました。早めに決着を着けましょう!」
「そうですね。行きます!」
崟兒は空に投げた刀を糸で操りながら妖夢に離れた位置から攻撃をし始めた。
「くっ...!(この斬撃は離れた位置から攻撃している。つまりは近くに詰めよれば勝機は見える...!)」
妖夢は斬撃を耐えしのぎながら、崟兒の隙を伺っていた。
「...(妖夢さん、自分の隙を見つけようとしていますね。)」
一方、崟兒に関しては妖夢が自分の隙を見つけようとしているのに気が付いていた。
((このままでは埒が明かない...何か良い手は...))
妖夢と崟兒はお互いの隙を見つけようとし、先に見つけたのは...妖夢だった。
「...見つけた!」
妖夢は崟兒の操っている『糸』を刀の鞘で絡め取り、刀を操れないようにした。
「なっ!しまった!」
「これでおしまいです!人符「現世斬」!」
妖夢は崟兒に近付くと、スペルを唱えた。妖夢はこれで自分が勝ったと思っていた。しかし、崟兒は一枚上手だった。
「いえ、この勝負...自分の勝ちです。」
崟兒は懐から小さな小刀を取り出した。そして、スペルを唱えた。
「剣伎「桜花閃々」!」
「なっ!そのスペルは!」
妖夢は純粋に驚いていた。何故なら、崟兒が使用したスペルは自分のスペルだったからだ。しかし、驚くのもつかの間に崟兒から繰り出されたスペルは、妖夢が使用する時よりも遥かにスピードが早かった。そして...
「くっ...!」
「これで、勝負ありですね。」
妖夢は崟兒のスペルにたえきれずに、楼観剣が弾き飛ばされてしまった。
「あ!楼観剣が!」
「さて、この勝負は自分の勝ちですね。」
「何を言ってるんですか!まだ私には白楼剣があります!」
そう言うと、妖夢は白楼剣を構えた。しかし、崟兒は首を横に振った。
「いえ、自分の勝ちです。その刀では人を斬れないでしょう?」
この言葉を聞き、妖夢は今日で何度目かの驚きを見せた。
「何故この刀に人が斬れない事を!?いえ...そもそもの話、何故魂魄流の剣技を扱えるのですか!?」
すると崟兒は再び驚く事を言った。
「それは自分が妖夢さんの祖父、魂魄妖忌さんの弟子だったからです。」
「お、おじいちゃんの弟子さん!?」
「はい。と言っても白玉楼に来たのは今日が初めてですが。」
「そ、それでは何処で剣技を教えてもらっていたのですか!?」
「紫さんのスキマの中です。そこなら激しい修行をしても周りに被害が及ぶことは無いですからね。」
「だから白楼剣の事や魂魄流の剣技を...」
妖夢は祖父、魂魄妖忌に弟子がいることは知らなかった。その為、崟兒に師匠になってもらいたいと思った。そこで妖夢は駄目元で崟兒に聞いてみた。
「あ、あの!」
「ん?どうしたんですか?」
「私を弟子にしてくれないでしょうか!?」
「で、弟子ですか!?」
「はい!私は強くなって幽々子様を守りたいのです!」
崟兒は妖夢が弟子にしてくれるように聞いてきた時、師匠である魂魄妖忌のある一言を思い出していた。
(もし、儂の孫娘に会うことがあれば稽古を付けてやってくれ。)
「...(成る程。師匠はこの事を予知していたのですかね?)」
崟兒は少し考えるフリをして妖夢に弟子にしてやると伝えた。
「本当ですか!?ありがとうございます!!」
崟兒はまさか自分が弟子を持つことになるとは思わなかったが、悪い気分では無かった。
「自分が師匠か...あの頃とは逆の立場ですね。」
「何か言いましたか?師匠。」
「...いや、何でも無いですよ。それよりも早く霊夢さん達と合流しないと...」
すると、いきなり白玉楼の中から爆発音の様なものが聞こえた。
「!?今のはまさか!」
「あっちでも戦闘が始まったみたいですね。自分も早く行かないと!」
「あ、待って下さい!」
崟兒が霊夢達の元に向かおうとした時、妖夢が呼び止めた。
「...必ず、幽々子様を止めて下さい!お願いします!」
そう言うと妖夢は頭を下げた。
「勿論です。必ず妖夢さんの主さんを止めて見せますよ。」
崟兒はそう言うと白玉楼の中に入っていった。
「お願いします...師匠...!」
妖夢は崟兒の後を見送りながらそう祈った。
本当は妖夢を勝たせようかと思ったのですが、いつの間にか崟兒が勝っちゃってしまいました。
※因みに最初に出てきたのは後々のボスですね。何でこの場所で出したのか自分でも分からないです。多分頭の中で後々の話の内容を半自動的に考えているんだと思います。(本当かなー?)