春雪異変の再来
ようやく新章に突入しました。春雪異変です。
「...おい、アリス。確か今は春...だったよな?」
「...確かも何も今は春よ。」
「「...」」
二人は何故かそんな会話をして、黙ってしまった。そして
「「...何で春なのに雪が降ってるんだー!?」」
そう、季節は春...しかし、竜神達が地底から出て少しした後に突然雪が降り始めたのである。
「これって絶対異変だよな...」
「ええ、異変ね...」
「「...」」
二人は再び黙ってしまった。そして、最初に口を開いたのはアリスだった。
「とりあえず霊夢の所に戻って相談してみましょう。」
「そうだな。霊夢ならこの異変について何か知っていそうだな。」
「そうと決まれば早く行きましょう。」
「ああ、この異変も早く解決しないとな。」
「...妖夢、居るかしら?」
「はい、こちらに。」
「異変の方は順調かしら?」
「はい、順調に進んでおります。」
「フフフ...次こそは博麗の巫女を倒して、西行妖を咲かせてみせるわ!」
「...幽々子様。」
「何?」
「...いえ、なんでもありません。」
「なら、戦闘の準備をして。すぐに博麗の巫女が来るでしょうから。」
「...かしこまりました。」
妖夢は幽々子のいる部屋から出て、戦闘の準備をし始めた。しかし、心の中では霊夢に「助け」を求めていた。
(お願いです、霊夢さん...幽々子様を止めてください...!)
妖夢は前の異変が終わった後に西行妖について調べてみたのだ。そしたら、驚くべき真実を見つけたのである。
(このままでは幽々子様が...再び「死んで」しまう...!)
そう、西行妖を咲かせる為には春を集めるだけでは不十分なのだ。もう一つ必要なものがある。それは...幽々子の「命」。西行妖は生前、幽々子が命を掛けて封印した桜なのだ。その封印を解く為には再び幽々子の命を捧げなければいけないのだ。しかし、幽々子は既に死んでいるので代償は「存在」...すなわち、幽々子は姿を保てなくなってしまい存在が幻想郷から完全に消えてしまうのだ。
(...私は幽々子様を失いたくない...もし、幽々子様がこのまま止まらなければ...私が止めないと...!)
妖夢は魂魄妖忌...すなわち、妖夢の祖父から幽々子を守り、幽々子を助けよ...そう言われているのだ。妖夢は祖父の言葉を守り、今まで幽々子を助けてきたが、今回ばかりは祖父の言葉を破らなければいけない状況までいっているのである。
(おじいちゃん...私は、言い付けを破ってしまいます。)
妖夢は戦闘の準備をしながら、霊夢に送る書状を書き始めるのであった。
眠い...




