竜神の封印された記憶
竜神の謎がまた少し分かります。
「俺の...正体だと?」
「はい。貴方の心を読んだときに、実験室のような場所が見えたのです。」
「実験室だと?俺はそんなものは知らな...!」
竜神はそこまで言うと、行きなり頭を押さえて苦しそうにもがき始めた。
「竜神さん!?どうしたんですか!?」
「な...んだ。この...場所...は。記憶に...無い...はずなのに。」
竜神は頭を押さえながら、独り言のように呟いていた。
(もしかして、竜神さんの記憶が少し欠けている?いや、欠けているのではなく封印されている?でもそれを私が聞いたから、記憶が戻りかけているの?)
さとりはそこまで考えると、今なら竜神の記憶を見ることが出来ると考えた。
(本当はしたくは無いのですが...)
さとりは竜神の心を読むために集中をした。
(...これは?!)
さとりは竜神の心を見た。しかし、竜神の記憶にあった物はさとりの想像をはるかに越えていた。
(何かの実験を受けている?)
さとりが視たものは、幼い竜神が実験室のベッドの上に寝かされていて、体のあちこちには管が付けられていた。
(しかし、何故こんなことをされているのでしょう。)
さとりが更に竜神の記憶を視ようとしたら、行きなり真っ暗になった。
(これは...まさか!)
さとりはすぐに竜神の心を読むのを止めて、竜神から距離を取った。
「これは...少しまずいですね。」
竜神は頭から手を放し、ゆっくりと立ち上がった。しかし、竜神の目には異常な“殺意”が宿っていた。
「記憶を無理に呼び起こしてしまったから、感情が暴走しているみたいですね。」
「コロス、コロス!コロス!コロス!!オレカラ“シンゾウ”ヲウバッタアイツヲコロス!!」
(心臓を奪った?どういう事なの?竜神には心臓が無いの?)
そこまで考えてあり得ないと言う事に気付いた。
(でも、本当に心臓が無いとするならどうやって体は動いているの?)
さとりは更にもう一つ気になる事があった。
(あいつとは一体誰の事なんでしょう?)
さとりは考え過ぎて、竜神の接近に気づかなかった。
「しまっ...!」
さとりは竜神の蹴りを諸に食らって、壁まで吹き飛ばされた。
「何なの...この異常なパワーは...!人間の物じゃない...これは、鬼の力に匹敵する程の...!」
さとりは辺りどころが悪かったらしく、動けないでいた。竜神は更に攻撃を与えようと急接近してきた。
「ここで、終わりなのね...。」
さとりは覚悟を決めて、目を瞑った。
(ごめんね。お空、お燐、こいし。)
しかし、竜神の攻撃は来なかった。さとりは目を開けると、そこには懐かしい顔があった。
「久しぶりだねぇ。さとり。」
「大丈夫かい?」
「勇義、萃香...!どうして此処に?」
「何だか嫌な予感がしてね。懐かしい顔を見るついでに来てみたんだよ。」
「それにしても、何か雰囲気変わったな。竜神。」
「竜神を知っているの?」
「ああ、緒にお酒を飲んでくれたお礼に私達が此処に案内したからね。」
「そうだったの。っ!勇義!」
竜神はこちらが話をしている隙に、攻撃を仕掛けてきた。しかし、勇義はそれを受け止めた。
「へぇ、力は私達と匹敵するほど強いじゃないかい。」
「気を付けて勇義!竜神は感情が暴走しているからかなり強いわ!」
「でも、それはそれで楽しめそうだけどね。」
「まあ、そうだな。それじゃあ行くよ!萃香!」
「分かったよ!」
今此処に、鬼の四天王と竜神の対決が始まろうとしていた。
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Twitter名
常闇の妖怪ルーミア
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