新たな仲間
妖怪は少女です。
「おいおい、これはどういう事だ?!」
「私にも分かりませんよ!何がどうなっているんですか?!」
俺達は先程、阿求を襲っていた妖怪を倒したはずだ。しかし、倒した妖怪の中から少女が出てきたのだ。
「もしかして、妖怪の正体がこの少女なのか?」
「ですが、この少女からは何も妖気は感じませんよ?」
「いえ、あの妖怪は私です。」
俺達が少女の正体について悩んでいると、少女がそう言った。
「マジかよ。だけど君からは何の妖気は感じないのたが。」
「それは当然です。私は妖気をコントロール出来るので。」
「だけど、貴女暴走してたじゃないですか。」
「コントロールは出来るのですが、他の者の強い力などを感じると暴走してしまう時があるんです。」
「じゃあ、君は他のやつの力の影響を受けて暴走してたと言うのか?」
「はい。」
「ですが、貴女は何時暴走したのですか?」
「あれは確か、1週間前ぐらいです。紅魔館の横を通った時に暴走してしまったのです。」
「紅魔館と言うことは、フランかもしれないな。」
「確かに、フランさんの力を受けて暴走したと言うのなら、話は合います。」
「とりあえず、暴走していたとは言え、貴方達に迷惑をかけてしまっていたのは事実です。何か私に出来る事は無いでしょうか?」
「うーん。私達は特に怪我とかしてないし、気にしなくてもいいんですよ?」
「それじゃあ、私の気が済みません!」
「...だったら、俺達と一緒に来てくれるか?勿論、仲間としてだ。」
「えっ?」
「確かに、貴女は私達を襲いました。しかし、貴女は暴走していただけで、貴女の意思ではないでしょう?だったら、貴方が何か出来る事は無いかと言ったら、私達の仲間になってくれる事です。」
「...本当に良いの?私なんかが一緒に行っても。」
「良いから言ってるんだ。良くなかったらこんなことは言ってないぜ。」
「...ありがとう。」
そう言うと、少女は泣いた。
「あやややや!何でないているんですか?!」
「私...何時も...独りだったから。私も...連れていって...くれるって、だから...嬉しかったから。」
そうか。この強すぎる力のせいで、他の妖怪達や人間が近づかなかったから何時も独りだったのか。
「そうか。何時も独りだったのか。だけど、もう心配はいらない。俺達がついているからな。」
「そうてすよ。貴女はもう独りじゃないんですから。」
「皆、本当にありがとう...!」
そう言うと、少女は倒れた。
「っ!!おい!」
「大丈夫ですか!?しっかりしてください!」
俺達は急いで少女に駆け寄った。
「文!こいつは大丈夫なのか?!」
「...大丈夫です。恐らく、疲れていたのでしょう。」
「そうか。良かった。」
「とりあえず、アリスさん達のもとに戻りましょう。」
「そうだな。文、こいつを背負って行ってくれ。」
「分かりました。」
俺達は少女を背負って、アリス達のもとに戻った。
少女が仲間になりました。




