守矢の長い一日
文さん登場します。しかし、出番は一瞬です。
「ちょっと、これはどうしようもないな。」
とりあえず、料理を手伝うとは言ったものの 、材料が少なすぎて料理が作れない状況にあった。
「ごめんね。早苗に買い出しを頼んでいたんだが、それを忘れて人里で団子を食べてたらしいんだ。」
「はぁ、仕方ない。時間は遅いけど山菜を取りに行くか。」
「それはやめた方が良いよ。この時間は妖怪達が活発になって狂暴性も増すから。」
「それだったら心配ない。」
「へえ、それは何故なんだい?」
「此処に初めて来たときは、妖怪にナイフ一本でやりあったから。まあ、その時はアリスに助けてもらったんだがな。」
「なんか予想斜め上の返答でびっくりなんだけど?!」
「まあ、相手の皮膚が固すぎてアリスが来なかったらまず、間違いなく死んでいたな。」
「それ以前にナイフ一本で妖怪と戦うかい?普通。」
「来たときは妖怪なんて知らなかったからな。」
「まあ、それなら心配はないだろうけど。一応、私も付いていこうか。」
「それは助かる。妖怪の山は詳しく知らないからな。」
「詳しくないのに山菜を取りに行こうとしたのかい?」
「ははは。まあ、うん。」
「全く、とりあえず準備してから行こうか。」
数分後
「けっこう山菜は生えているな。これだけあれば色々作れるな。」
「だったら早く戻ろうか。妖怪に襲われたら面倒だからね。」
「そうだな。早く戻るか?!」
不意に、何かの気配を感じたので辺りを警戒した。
「諏訪子さん。感じましたか?」
「ああ、誰かいるね。だけど、この気配は誰かに似ているんだけどねぇ。誰だったかな?」
すると茂みの中から誰かが飛び出してきた。
「っ!?オラァ!」
俺は飛び出してきた相手に裏拳を食らわせた。
「ギャフン!」
見事に裏拳が相手の顔面にクリーンヒットした。
「ふう、一体何だ?こいつは。」
「あれ?確か...ああ、思い出した!鴉天狗で新聞記者の射命丸 文だよ。」
「新聞記者?もしかして...」
「うん。そのまさかだと思うよ。」
「やばい。どうしようか。」
「とりあえず神社に運ぶかな?」
悩んでいると、椛が飛んできた。
「あれ?椛?どうしたんだ、こんなところに。」
「文さんの様子を見に来たんですよ。やっぱりこうなりましたか。」
「やっぱりって、文って言ったかな?こいつはいつもこんな感じなのか?」
「はい。丁度良いネタを見つけると一気に取材しようとするんです。」
「でもまあ、だいたい文の新聞は変に相手の事を書くから余り関わらない方がいいかもね。」
「マジか。何かそれを聞いて一気に信用出来なくなったんだが。」
「まあ、今は此処から離れましょう。そろそろ妖怪達もこちらに気付くでしょうから。」
「そうだな。早く戻るか。とりあえず、文は背負っていくか。」
「すみませんが、私も付いていっても良いですか?」
「別に良いよ。人は多い方が良いしね。ついでに晩ごはんも食べていったら良いよ。」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
そうして、俺達は気絶した文を連れて神社に戻った。
「ようやく作り終わった。と言うか、あいつらが凄い勢いで食うからこっちが全然食べれなかったじゃないか。」
神社に戻った俺達は、文を部屋に寝かした後、三人で(諏訪子さんと椛と俺で)料理を作っていた。しかし、神奈子さんと桜と早苗が凄い勢いで料理を平らげるので、料理をずっと作る羽目になってしまった。おかげで、全然食事が出来なかった。しかも、食事が終わったとたんに神奈子さん達はすぐに寝てしまった。アリスも疲れていたのかすぐに寝ていた。
「とりあえず、二人は休んでいてください。片付けはやっておきますので。」
「ごめんね。頼むよ。」
「お願いします。」
二人は縁側に行ったらしく、外から話し声がきこえる。
「とりあえず、早く終わらすか。ついでに軽く食べれる物を作るか。」
そう言って、素早く皿を洗い、簡単な料理を作った。此処までの所要時間はわずか十分。料理を持って二人の所に行くと、普通に驚いていた。
「皿洗い終わるの早すぎないですか?」
「それに、料理も作っているなんてすごいね。」
「そうですか?自分じゃ普通なんですが。」
「でもまあ、せっかく料理を作ってくれたんだし、お酒でも持ってこようかね。」
「でしたら、少し待っていてください。私が良いお酒を持ってきますので。」
「良いのかい?だったらお願いするよ。」
椛がお酒を持ってくる間に、俺は諏訪子さんの“正体”を聞いた。
「ん?私かい?私は此処の神社の神だよ。」
「なるほど。神様か、それだったら諏訪子さんから感じる不思議な気配のことにも納得いく。」
俺達がそんな話をしていると、椛が両手いっぱいに酒瓶を抱えて帰ってきた。
「すみません。遅くなりました。」
「別に良いよ。とりあえず飲もうかい。」
そして、三人で酒を飲んで話をしたりした。
一時間後
「結局、俺だけ酔わないんだな。」
椛と諏訪子さんはすっかり酔いが回って寝ていた。
「何か博麗神社の時みたいだな。」
そして、相変わらず酒を飲んでいると、不意に部屋の奥からアリスが起きてきた。
「あれ?竜神まだ起きていたの?」
「俺は基本、寝る時間は遅いからな。」
「そうなの。所でこの状況は一体?」
「料理の後片付けが終わった後、三人で酒を飲んでいた。」
「そうなの。とりあえず、二人を部屋で寝かせましょう。」
「それもそうだな。すまないが手伝ってくれないか?」
そう言って、アリスと二人で諏訪子さんと椛を部屋に運んだ。そしてアリスと二人で酒を飲んでいた。
「それにしても、竜神は酒に強いのね。」
「そうかな?余り酔わない体だからじゃないかな。」
「だからって、酒瓶を五本も開けるなんてあり得ないわよ? まあ、鬼だったらあり得なくもないけど。」
「それ、紫にも言われたんだが。」
しかし、なにも反応がなかった。
「アリス?」
俺はアリスの方を見ると、すっかり寝ていた。
「全く。仕方ないな。」
俺はアリスを部屋に運んだ後、片付けをして部屋に行った。しかし、部屋にはもう寝るスペースが無かったので、縁側に出て近くの柱に寄りかかって寝ることにした。
「とりあえず、早く寝て体力を回復させないとな。」
そして、俺は眠りについたのだった。
あやややや!ネタが見つかりません!




