竜神の過去
竜神の過去です。
「さっき、俺は竜神は捨子だっていったよな?」
「ええ。でもまさか竜神が捨子だったなんて。」
「実は竜神は俺が拾ってきたんだ。」
「え?!儚月が?」
「そうだ。しかも、竜神を見つけた時の状況はかなり酷かった。」
「...どんな状況だったんだ?」
「あいつは...全身が切り傷だらけ、しかも瀕死の状況で橋の下に捨てられていたんだ。」
「なんだって!?それが本当なら竜神は...」
「親から虐待を受けた上で捨てられた。そう言う事よね、儚月。」
「はい。勿論、見つけた時は急いで病院に連れていきました。何とか一命はとりとめましたが、竜神は長い間昏睡状態だったんです。」
「竜神...」
「儚月。貴方さっき昏睡状態だったって言ったけど、どれくらい眠っていたの?」
「...十年。」
「...は?今、なんて?」
「竜神は十年間眠り続けていたんだ。」
それを聞いた霊夢達は驚いていた。長い間昏睡状態だったては言っていたが、まさか十年間だとは思わなかったのだ。
「十年間竜神は眠っていたのか!?」
「そう言えば、竜神が暴走した話はなかったわよ?」
「でも、話を聞いている限りそれは竜神がまだ幼い頃の話なんでしょう?竜神が昏睡状態から目が覚めた後に暴走したんじゃないの?」
「さすが霊夢さん。貴女の言うとおり竜神は目が覚めた時自分が知らない場所にいて、しかも十年間の記憶も無くて親の顔も分からない。それで様々な感情が爆発してしまって暴走してしまったんです。」
「なるほどね。そして、その暴走を止めたのが儚月なのね。」
「そのとおりです。俺は戦闘には慣れていたので。でも、暴走した竜神は力の加減を知らないので、俺自身かなりの深手を負ってしまったんです。でも、何とか竜神を気絶させて暴走は収まりました。」
「でも、暴走が収まった後はどうしたんだ?」
「竜神を家に運んで、俺は病院に行きました。」
「お前の家族は何も言わなかったのか?」
「俺は一人暮らしでしたので、その点に関しては大丈夫でした。」
「そうか。その後、竜神は暴走しなかったか?」
「はい。俺が病院から戻ってきた時、竜神は俺の事を兄貴って言ったんだ。」
「それって、もしかして。」
「混乱していた竜神は俺の姿を見た時、俺の事を家族だと認識したんだろうな。まあ、それで俺は竜神の兄になって一緒に暮らしてきたんだ。」
「しかし、あいつにそんな過去があったなんてな。」
「まあ、竜神の過去はこんな所です。とりあえず、竜神達を部屋へ運びましょう。」
「そうね。それと、レミリア!早くあの霧を止めときなさいよ!」
「まあ、仕方ないわね。」
レミリアはそう言うと、指を鳴らした。すると、今まで出ていた霧が晴れていった。
「それじゃ、早く部屋へ運びましょうか。」
儚月達は気絶している竜神達を部屋へ運びに行った。
暗い過去って書くの難しいですね。
紅霧異変はこれで終わります。次は、幻想郷めぐりを書こうかと思っています。




