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女だけど女の子にモテ過ぎて死んだけど、まだ女の子を抱き足りないの!  作者: ガンホリ・ディルドー
第四章 植物人のヴィエラ
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許してくれたけどお話したけどSNSだけど

「申し訳、ありませんッ……でした、この無様な、雌豚をお許しください……ッ! アイディール、ロウ、様ァ……!」


 い、言えたぞ!

 途中杖の妨害が二回くらいあったけど、テイク10くらいにしてようやく成功だ!

 一回「お許しください」まで言ったのにアイディールさんが足を無理矢理口に突っ込むという酷い妨害によりやり直しを食らったが、遂にだ!

 なんだろう、謎の達成感がある。


「……まぁ、いいでしょう。十分楽しめましたし」


 そうですか、私はかなりきつかったですけどねハイ。

 いやいいんですよ?

 足舐めながらも腰巻きの隙間から見える絶対領域楽しめましたから。

 2、3回くらいそっちに意識集中し過ぎてセリフ間違えましたわ。

 恐るべき生足ですね。彼女の足は華奢というより肉付きの良い足ですね。

 しかしそれでいてムチムチしてるというよりは、しっかり引き締まった健康的な印象を与えます。


「で、なんでわざわざ私のところに来たんですか?」


 あ、それ聞いてくれるんですね。

 てっきり私の話は聞く気もないのかと思いましたよ。

「こんな扱いをされて言う訳あるか!」とか心の狭い人はいうかもしれませんが、私は違う。

 むしろ「生足を至近距離で見せてくれた上に、タダでSMプレイをさせてくれた」とすら思っています。

 恨んでなんかないですよ? いつか機を見てやり返してやろうなんて……ねぇ?


「一ヵ月ほど前に貴女が追っていた獣人の女性を覚えてますか?」

「えぇ、記憶しています」

「あの人が新しくエンジュランドのナンバー2になりました」

「……そうですか、ではもう逮捕は無理ですね」


 え、そうなん?

 幼女誘拐犯が他国の長になったからってそう簡単に引き下がれるもんなの?


「もう追わないんですか?」

「……貴女、以前から思っていましたけど、ほぼ間違いなく他の世界からの転生者、もしくは転移者ですよね?」


 あれ、なんでわかるの?

 そして何故いまそれを聞いたの?


「理由としてはこの世界の常識にまだ対応しきれてない素振りがあること。そしてもう一つは、同族のカンです」

「え、つまり」

「私は転生者です、貴女は……まぁその年でこの世界に溶け込んでない時点で転移者でしょうね」


 嘘ォ……アイディールさん転生者なの?

 いやでもそうか、別にこの『混合世界』とかいうのは普通にあの世で選択肢として提示されていたし、天使のヴィクティムちゃんも、ここに転移や転生する人はいるって言ってた。


「確かに私は転移者だけど……なぜその話題を?」

「貴女にいいことを一つ教えてあげましょう。なんだかんだ言ってこの世界は階級が全てですよ」

「階級が全て?」

「はい、最たるものがあの王女です」


 王女……

 多分フリジディ王女の事だろう。


「あの女は自分が気に入った女を洗脳して"玩具"にするという話は聞いたことありますよね?」


 うん、私もされかけたらしいけどね。

 あの子も見た目はいいけど性格ぶっ壊れてるタイプの子だ。

 せっかく可愛いんだからもっと性格も可愛ければいいのに勿体ない。


「うん、あるよ」

「でもそれが許されている、それはあの女が世界で一番強いから。この国の防衛最前線を一人で支えてると言っても過言じゃないからです」

「……一人で?」


 え、あの人そんな凄いの?

 悪いけどイメージが人前で服脱いで戦う変態としか。

 防衛最前線に立ってるっていうならわかるけど一人で支えてるってどういうことだ。


「あの女は本当に異常です。中央王都と戦争状態にある代表国にトレボールという国があります」

「トレボール?」


 なんだそれ初耳だ、どこの国だろう。


「人口生命体……まぁわかりやすく言うと機械人間ですよ。意志をもったロボット共が住んでる国です」

「わぁお、凄いね」

「凄くなんか全くないです。人間に歯向かう機械なぞただの失敗作です」


 いや凄いと思うけどなぁ。

 前世からロボットが意志を持ったらっていうIFの話はよく聞いたけど、この世界では実際に意志を持つのか。


「そのトレボールはよく実験と称して中央大陸に、この世界が余裕で吹き飛ぶレベルのミサイルを撃ち込んでくるんですが、それを防げるのはあの女しかいません」


 世界が余裕で吹き飛ぶレベルのミサイルってなんぞ、発想小学生以下かよ。

 そんなもん作ってどうするんですかね……

 もし着弾に成功しても何も残らないでしょ。


「この世界で『防衛力』を名乗るなら、それを防げるくらいの力が必要なんですよ。それが出来るからあの女は人権剥奪という超特権が許される」


 えぇ、人権剥奪する特権とか怖すぎない?

 もうちょっとソフトな特権出来なかったの?


「私はこのスキル、"ラーの天秤"と転生ボーナスである階級指定の"貴族転生"でこのポジションまで上り詰めました」


 あぁ、私は転移だから出来なかった階級指定ってやつか。

 おかげさまで流浪者とかいう名目のホームレスですよ。

 いやまぁ自分で望んだんだけど。


「だから私には目に付いた人を捕縛し、拷問にかけ、結果その人にはなんの罪が無くても許されるくらいの権力があります」


 なるほど、私を部屋におびき寄せて散々ボコボコにした後、靴を舐めさせ謝罪させるという行為をしてもアイディールさんは許されちゃうわけだ。

 納得はしないけど理解はしたわ。


「そういえば」


 この世界の理不尽システムを理解したところで、個人的に気になっていることを聞こうと思う。

 アイディールさんは未だに完全変態モード状態なのだ。

 私とアイディールさんが初めて戦った時はお互い3分しか持たなかったはず。

 エンジュランドでドレッドと鍛えた私はそこそこ時間も伸びたし、使用後の反動もだいぶ軽減された。

 でもアイディールさんの完全変態モードの時間は物凄い長い。

 下手すれば私より長いぞこの人、どんな訓練したんだ。


「その状態いつまで保てるの?」

「あぁ、身武一体ですか。半日は無理だと思いますが、8時間は保てると思いますよ」


 マジで?

 私まだそんなに長くは出来ないわ。


「私が身武一体に目覚めたあの日から、王女に毎日呼び出されて訓練させられてるんですよ」


 えっ、あの王女とマンツーマンで訓練ですか。

 ごめん、私結構努力してる方とか思ってたけど勘違いだったわ。


「え、あの人と訓練したの?」

「あの女、本当にムカつくんですよね……! 私を訓練と称して無理矢理……! やらなきゃ解任とかほざきやがりますし……!」


 なんだろう、中央王都の闇深そうだな。

 王女さんも完全変態モードは短時間しか出来なかった気がするけど、何かあったのだろうか。

 というかなんでこんな話になってるんだっけ?

 あぁ、そうそう。

 ドレッドから言われたことを伝えなくちゃいけないんだわ。


「すみません、盛り上がってるとこ悪いんですが話戻していいですか?」

「あれ、そもそもなんの話でしたっけ?」

「ほら、犯罪者がエンジュランドナンバー2になった件に関してです」


 アイディールさんも完全になんの話だったか忘れてましたね。

 私も若干忘れてましたが。


「えぇ、新しく治安委員から人を派遣しなければいけませんね」

「その前に、その本人から直筆の文書を貰ってまして」


 そう言って私はドレッドから預かっていた文書を取り出す。

 どっから取り出したんだお前って?

 乙女の秘密さ。


「これです」

「ふむ」


 文書は濡れても水を弾く素材で書かれているらしい。

 一回海に落ちたけど、あの紙は全く濡れていない。凄い。


「……この文章が本物かどうかの確認はあとでじっくり行いましょう。ですが確かに受け取りました」


 まぁそりゃいきなり人からなんか渡されて、はいそうですかって信じたりはしないよね。

 むしろそんな素直に信じられたら不安になる。


「受け取ってもらったついでにもう一ついいですかね?」

「なんですか?」

「植物人の住む領域への立ち入り許可が欲しいんですけど」


 そもそもここで貰えるものなのかな。

 とりあえずダメもとで聞いてみた。


「その許可を出す権限は私にはありません。王族のみがその許可を出すことが出来ます」



◇◆◇


「さて」


 私は今、アイディールさんが発行してくれた紹介状を持って王城に向かっている。

 あの人結構気前がいいというか懐デカいんだね。

 靴舐めながら謝ったら紹介状まで書いてくれちゃうとかなかなか素晴らしい。

 普通は許したとか言いながらその後もネチネチ嫌がらせするからね。

 その辺はサッパリした人だわ。


「あ、ドレッドに連絡しとこ」


 ドレッドに「メアド交換しようぜ」って言ったら「メアドォ? 時代はSNSだろ。遅れてんなぁ」とか言われたわ。

 とりあえずドレッドを一発殴った後、確かにそうだと思ってこの世界のSNSをインストールし、友達IDを過去に出会った人へ一斉送信した。

 通知が結構来てるんで片っ端から紹介していこうと思う。

 ついでにちょっと過去ログも。


 フィスト・ライン


 6/20

〇ヤコ今時間ある??? 11:43

・あるよ 既読13:55


〇お師匠様がきびしい(´;ω;`)ブワッ 13:56

・だいじぶ 既読14:40


〇あのクソババアね、私に「これも修行だ」とか言って自分の洗濯物押し付けてくるのよ。そんくらいマジ自分でやれっての、そんでこのご時世に魔大陸って洗濯機ないのよ? マジありえなくない? 皆魔法使って洗うのよ。まぁそれは別にいいんだけど(以下省略) 14:42


 6/21

・どんまい 既読11:21

〇うん! 11:22



 見よ、この私の完璧な対応。

 4文字でフィストを元気づけたぞ。

 なかなかできることじゃないと思う。

 というかフィスト返信超早いんだよね。

 続いてティーエス。


 ティーエス・セージ

6/20

・げんき 既読13:57

〇今日は久しぶりにライブをするの! 復興支援ライブ! 14:20


・みんなもでるの 既読14:43

〇アレクやワイも出るの! 15:03

 やっぱり皆とこういう風にずっと一緒にいることが出来るのは最高ね!

 映像撮れたら後で送るわ。



 この後送られたライブ映像を見たけど、やっぱりティーエスの歌声は素晴らしかった。

 大盛り上がりなライブの様子も伝わってきたが、ヒストリアさんが最前線で凄い叫んでるのが一番印象に残った。


 6/21

・すごいね 既読11:23

〇ありがと! 12:02


・ひすとりあさん 既読12:36

〇そうね…… 12:48



 最後にドレッド。


ペンドラー・ドレッド

 6/20

〇今日までありがとな 18:45


 6/21

・おう 13:57


 今送ったばかりの返信だから既読は付いてない。

 ちょっと前までずっと一緒にいたからラインの履歴はそんなに無いんよね。

 お、丁度今既読が付いた。


 ペンドラー・ドレッド


 6/21

・おう 既読13:57

〇まだ女の子は起きねえな。目覚めたら連絡する。 14:01


 姫子ちゃんまだ意識が戻らないのか。

 大丈夫かな。


・おねがいね 既読14:02

〇任せろ 14:04

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