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女だけど女の子にモテ過ぎて死んだけど、まだ女の子を抱き足りないの!  作者: ガンホリ・ディルドー
第二章 人魚のティーエス
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積極的だけどイチャイチャするけど学校行くけど

 ふおおおおおおおおおおおお!

 美少女だよ! まごうことなき美少女だよ!

 すまん、正直今まで見てきた人魚みんな顔厳ついし実を言うと若干諦めてたけどふぉおおおおおおおお!

 可愛い! めっちゃ可愛いよ!


「どうしたの~? 固まっちゃって。あ、もしかして私が美少女過ぎて固まっちゃった~?」


 本人冗談めかして言ってるけどその通りでございます。

 なんだろうね、正直私が出会ったことないベクトルで可愛いよ。


「あ、あぁ。申し訳ない、貴女が美しすぎて思わず言葉を失ってしまいました」

「アハハッ、冗談が上手いのね! 私は別に偉くないからお爺様みたいに敬語とか使わなくていいよ~、ティーって呼んでね、私もヤコちゃんって呼ぶから!」


 冗談じゃないんだよなぁ……こっちは本気なんだよなぁ。


「私ニンゲンを見るの初めてなの! 今日から貴女は私の部屋で一緒に暮らすことになってるから、よろしくね!」

「え、マジで?」


 思わず素で言っちゃったわ、いいの!?


「ごめんね? 嫌だった?」

「いやいやいやいやいやいやいやいやいやそんなことないです大歓迎です絶対ティーと一緒がいいですお願いします」

「そ、そんなに慌てなくても……じゃあ早速お部屋に案内するから、一緒に来て! お爺様またね!」

「ふぉっふぉっふぉっ、またのぅ。テンジョウイン殿、我が孫娘はちょっとお転婆じゃがとてもいい子じゃ。よろしくのう」

「は、はい! 失礼します!」


 グイグイと腕をティーに引っ張られながらウミオーさんの客間から失礼する。

 ティーの手はちょっとひんやりしてて気持ちいい。

 そのままティーに連れられ螺旋階段を登って二階に、マジでデカいなこの家。

 ティーは細かい装飾のされた扉の前で止まる。


「ここが私の部屋よ! ヤコちゃん」


 そう言って扉をバーンと開けるティー。

 あ、あの。高そうな扉だしもうちょっと丁重に扱ってあげて。

 部屋はめちゃくちゃ広かった。

 これ本当にティーだけ住んでたの?

 前世の我が豆腐屋一家のリビングより二倍は広いよ?


「どう? ヤコちゃん」


 部屋の中でまず目に付くのは天蓋付きのベッド。

 うん、凄いわ。前世のお嬢様方も皆アレ持ってたわ。

 そのベッドにはなんかロブスターみたいなぬいぐるみが置いてある。

 衣装ダンスに本棚、勉強机。

 あと壁にはなんかエレキギターみたいなのが掛けてある。


「おっきい部屋だね」

「アハハッ、一人には広すぎるのよ」


 そう言ってティーは天蓋ベッドにダイブする。

 ふっかふかなようで、彼女の体重に合わせてもふぅと潰れた。


「ヤコちゃんもおいでよ!」


 ティーはベッドから手を広げて私を誘う。


 え? いいんですかい?

 これ私誘われてるよね?

 ティーエスちゃーん、子作りしようぜ~! って言って飛び込んじゃっていい感じですか!?


「もう遠慮しないで、早くぅ~!」


 早く来てとのご所望だ。

 もう据え膳食わねば女が廃るってもんでしょ!

 こちとらフィストと別れてから女っ気が全くないせいでフラストレーション溜まってるんですよ。

 いいんすか? いっちゃっていいんすか!?

 いっちゃいまぁああああああす!


「テンジョウイン、いきまぁす!」


 そう言って私はベッドに寝っ転がるティーの上に覆いかぶさるように思いっきりダイブした。

 飛び込んできた私を思いっきり抱きしめるティー。

 あっ、なんだろう。

 ティーの体、凄いひんやりしてる。

 涼しい!


「アハハッ、私こんな風に誰かするの初めて!」


 私がハジメテってことですか!

 いいねぇ!


「ティー、(ひんやりしてて)すごく気持ちいいよ」

「ヤコの体って温かいのね、ずっとこうして抱きしめていたいわ!」


 どうぞ好きなだけ抱いてください、貴女の胸の中で壊れたいです。

 微かに感じる「ふにっ」とした彼女のおっ〇いの感触がたまりませんなぁ!

 彼女を抱きしめるフリしてさり気なく楽しんでます。


「ヤコ~♪」

「ティ~♪」


 そのまま私達は従者さんがご飯の用意が出来たことを知らせに来るまで、子猫のようにじゃれあっていた。

 あ^~、幸せ。



「ご飯だって! 行きましょ、ヤコちゃん」

「うん!」


 いやー、最高ですなぁ。

 やはり美少女っていいよね。

 寿命が10年くらい伸びたわ。


「食堂はこっちよ、ヤコちゃん」


 もうこの家のデカさには驚かないことにした。


「海底都市では何を食べるの?」

「魚料理が一般的ね。牧畜はしてるからお肉も食べられないことはないけど、やっぱりお魚の方がしっくりくるのよね」

「なるほどね~」


 人魚たちの魚たちを狩る姿を見てみたい気もする。

 今度見学させてもらえないだろうか。

 食堂に着くと、一番奥の席にウミオーさんが座っていらした。

 近くにウミオーさんと似て温厚な雰囲気をした女性の人魚と、まだ若々しい雰囲気の男性と女性がいた。

 恐らくティーのお婆様とご両親だろう。


「はじめまして、ヤコ・テンジョウインと申します。今日からご厄介になりますが、どうぞよろしくお願いします」


 そう言ってご挨拶すると、皆ニッコリ笑って挨拶をしてくれた。


「可愛い子だねぇ」

「えぇ、とても礼儀正しいわ」

「ウチの子も見習ってほしいね」

「うるさいわよ!」


 冗談を交えた会話をしながら私たちが席に着くと、料理が運ばれてくる。

 中にはお刺身まであった。

 懐かしさで涙が出てきそうになる。

 醤油とワサビまであるんだもん、最高だね。


「ほぉ、人間は生魚を食うのに案外抵抗がないのだな」


 ウミオーさんが私にそう言う。


「あ、いえ。私の出身に生食文化があったからだと思います。人間でも苦手な人はいると思いますよ」

「うむ、私達は最初これに塩を付けて食していたんじゃが、随分と昔に人間の転生者がその醤油とワサビの存在を伝えてきてのう。ワシらはやはり塩の方が性に合うんじゃが、人間のお主ならもしやと思っての。一応用意させたのじゃ」


 ウミオーさんすげえ、ドンピシャですよ。


「はい、私の出身でも生魚には醤油とワサビを付けて食べていました。実を言うと私も転移者ですので、もしかしたらその人は同郷の人かもしれません」

「ふぉっふぉっふぉっ、それはよかった。故郷の味というのはどんなご馳走より旨く感じると聞くしのう。ささ、遠慮せずいっぱい食べなさい」

「ありがとうございます」


 本当に嬉しい。

 刺身なんかこの世界に来て、生涯食べられないと思ってたもん。

 豆腐屋の私としては醤油も懐かしい。

 同じ大豆製品だからウチでも扱ってたんだよね。

 この世界にも醤油はあるのか、最高だ。


「ん~、私は醤油よりお塩に付けて食べるほうが好きかなぁ、ワサビっていうのも辛いし……」

「あはは、まぁ好みは人によるからね」

「それもそうね」


 ティーは素直に塩を付けて刺身を食べていた。

 うん、その人にあった味で楽しむのが一番だよ。


「あ、ヤコちゃん。明日から私と学校へ行くのよ!」

「学校?」

「そうよ。もうお爺様が話を通したから、明日からヤコちゃんは私と一緒に人魚達の学校へ一緒に通ってもらうわよ」


 ほ~、それはそれは。

 楽しそうじゃないか。

 ティーも美少女だけど、他の美少女人魚と会ってみたいという気持ちはある。


「それはとても楽しみだけど、授業にちゃんと付いていけるかなぁ?」

「アハハッ、基本的にニンゲン達が通ってる学校と変わらないって聞くし、きっと大丈夫よ」


 食事を済ませ、ウミオーさん達に挨拶をして、ティーと共に食堂を出る。


「ティー、学校について教えてもらってもいい?」

「いいわよ、教科書も見せてあげるわね」


 ティーの部屋に戻って、人魚達が通う学校の勉強をする。

 うわぁ、これ結構難しくない? なんか私の知らない法則が教科書を軽く見ただけでもいくつかあるんだけど。

 そうか、この世界は地球よりずっと発展した世界だもんね。

 勉強の水準も高くなってますわそりゃ。

 地球で優等生だったくらいじゃ、この世界の劣等生になっちゃうかも。

 今からティーにちょっと教えてもらおう。


 それにしても、学校かぁ。

 これもお刺身に続いて諦めていたものだった。

 前世で女子高生として死に、この世界に転生した私はもう二度と学生生活を送れないと思っていたけど、海底都市に来てから、私が転移する時に諦めていたモノの幾つかと再び巡り合えた。


 探し物をしにきた。

 入国審査で言ったその目的は、現在別のところで叶っている。

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