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女だけど女の子にモテ過ぎて死んだけど、まだ女の子を抱き足りないの!  作者: ガンホリ・ディルドー
最終章 第二次中央戦争編
270/291

打破

「いい加減理解したかの? お主の恋心は偽物だと」


 否定する要素が見つからない、非常にまずい。

 このままだと反論することが出来ず、心に芽生えた疑いが花開く。

 そうなったら終わりだ、私は自分を見失い、サタンに全ての主導権を奪われる。

 早く、早くボロを出せ。もういい加減、限界なの。


「ほぅれ、この女も、お主との時よりも気持ち良さそうにしとるじゃろう」


 否定できないっ……!

 ちょっと、ヤコ。顔を赤くし過ぎでしょ。そんな目をトロンとさせた感じの表情なんて私見たこと無いわよ。

 ヤコの醜態ともいえる姿を見て、私の心とヤコとの繋がりが遠のいていくのを感じる。

 ここまで来てしまったら、もう後は時間の問題だ。

 私の猜疑心は膨れ上がり、ヤコとの繋がりは完全に切れるだろう。


「なぁ、フィストとよりも、ワシとする方が気持ちいいじゃろう?」


 サタンがヤコへとそう囁く。

 嫌、それの返事なんてしないで。そんなの聞きたくない。

 お願いだから、返事なんてしなくていいから。

 せめて何も言わないで。


「……はい」


 聞こえたのはたったの二文字。

 肯定を意味するそれは、サタンから言われたどんなものよりも私の心を深く貫いた。


 私よりも、サタンの方がいい。

 頭が割れそう、これが絶望というものなのだろうか。

 違う、これは絶望なんかじゃない。

 待って、確かに私はヤコの言葉によって深い悲しみを感じている。

 それと同時に、何かが脳の奥底から訴えかけているのだ。

 この痛みはなんだ。

 痛みはその姿を回想へと変え、暗闇に包まれた私の視界に鮮やかな光景を生み出した。


『私はね……ただ君と。君と、ドスケべがしたいんだ』


 思い出したのは私とヤコが出会ったあの日。

 どう考えても最低な出会い。

 私は彼女をカモだと思って襲い掛かり、見事に返り討ちにされた。

 押し倒そうとする彼女の背中をナイフで何度も一心不乱に刺した。

 彼女は血まみれで、それでもその言葉を私に伝えた。


 一緒に旅を始めても、やっぱり変な女だと思った。

 美少女を探す旅をしてるとか言ってるクセに、私がピンチになった時は見捨てず戻って来てくれて。

 足手纏いな自分が嫌になって、別れようと提案したら子供みたいに駄々こねて。

 

『私はフィストが好き、愛してる』

「ほら、もうこの女はフィストに興味なぞ無いわい」


 あぁ、そうだ。

 これだったんだ。

 確かにヤコは好色だ、認めなきゃいけない。

 彼女よりも変態な人なんていないと断言出来るくらいにスケベだし、快楽に溺れるなんて当然かもしれない。


 でも、だからと言って、私を愛してくれなくなるほど、器の小さい女じゃない。

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