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女だけど女の子にモテ過ぎて死んだけど、まだ女の子を抱き足りないの!  作者: ガンホリ・ディルドー
最終章 第二次中央戦争編
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後は頼んだ

 しかしリヴァイアサンの身体スペックがおかしい。

 あれだけの巨体で、この高速で走る車に一切遅れることなく付いてくる。

 通り過ぎた家屋を圧し潰し、時に瓦礫を飛ばしてトラックを破壊しようとしてくる。


「避難は殆ど終わったらしいわ!」


 リースがくれた情報によると、住民の避難は粗方終わったらしいのだが、中央王都との討伐協力要請の反応が全く無いらしい。

 やべえなぁ、俺らも無限に時間稼ぎ出来る訳じゃねえし。

 唯一なんとか出来る方法があるとすりゃあ。


「アレクとティー達が戻ってくるまで、死ぬ気でやるぞ」

「えぇ、それしか無いわね」


 既に連絡はした。

 丁度片付いたようで、すぐに戻ると返事が来た。

 なら絶対すぐに来てくれるはずだ、間に合ってくれるはずだ。


「ギャォオオオ!」


 そう信じてドラムを叩き続けていると、リヴァイアサンが明らかに今までと異なる動きを見せた。

 いきなり止まって天に向かって吠えたかと思うと、その口周りに渦潮の如くエネルギーが集まっていく。

 待て、流石に分かるぞ。それヤバいヤツだな?

 嫌な予感過ぎる、待ってくれ。

 そんなもん所詮トラック如きが避けられるはずねぇだろやめろ。


「ギャアアアアアア!」


 そして放たれる水流のブレス。

 大波のように勢い良く押し寄せるソレはきっと、このトラックを残酷に飲み込むだろう。

 流石伝説の化け物、明らかに生物っていう領域で収まる器じゃねえ。

 こんな災害みたいな攻撃が生まれながらにして出来るってんなら、そりゃ生き物としての格が違う。

 ここまでかと俺は諦め、最期にリースを見た。

 だがその顔はまるで諦めてねえ、それどころか笑ってやがる。

 なんでだ。


「ねぇ」


 俺が見ていることに気付くとリースはむしろ笑みを強め、押し寄せる波の方を見た。


「どうやら賭けには勝ったみたいよ」


 それは、どういう。

 思うより先に、今まで聞いたことも無いような爆音が耳を鳴らした。

 驚いて視線を大波へと戻すと、なんと『波が割れていた』のだ。

 待て、どういうことだ。俺は夢でも見てんのか?


 家屋を飲み込んで土砂を含んだ濁流を切り裂いて、上空へ立ち上っていくのはサンゴ礁の海よりも透明なグリーンブルー。

 リヴァイアサン程ではないが、十分に巨大な。しかし恐ろしいというよりも頼もしい大きな影。

 その上に堂々と立つ二人の男。


 オイオイなんだよ、早過ぎるだろ。最高だよ。

 すまねぇな、俺らにはこれが限界なんだ。

 やれることはやらせて貰った、全力でな。

 それでも力不足なんだ、足りねえんだ。だから。

 助けてくれ、頼む。

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