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女だけど女の子にモテ過ぎて死んだけど、まだ女の子を抱き足りないの!  作者: ガンホリ・ディルドー
最終章 第二次中央戦争編
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幻術を破るには

 触れられた瞬間に気付いた。

 この世界はサタンによる幻術の世界だ。

 やられた、この女に心を許してはいけないなんて分かり切っていたのに。

 折角コイツから主導権を握ったのに、ゼロを上回る力を与えるなどという戯言を受け入れてしまった。

 いや、事実あの時は助けられた訳なのだが、こうなってみると致命的でしかない。


「うっ……くぁ」


 目の前にはサタンに体中を弄られ、顔を歪めるヤコの姿。

 非常に見ていてイライラする光景だが、最早これすらも真実なのかは分からない。

 こうなっては仕方がない。幻術を私自身が打ち破る必要がある。

 幻術を破る方法は基本的に二つだ。

 一つ目はこちらが先手を取る事。

 これは前回、私がサタンを騙せた理論と同じく、幻術を掛けられる前に先に相手へ幻術を掛けるという方法。

 しかし今回、サタンは私達が弟子入りした日から幻術を掛けていて、今日までの私の感情は全てサタンの幻術に拠るものだと言っている。

 幻術はまさに先手必勝、流石に過去に遡って対策を打つことなど出来やしないので、今回この対策は不可能である。


「ほっほ、こうして見るとやはり美しい女よのぅ」」


 サタンがヤコの頬に舌を這わせて嫌らしく笑う。

 舐められたヤコも満更ではなさそうな顔をしているのが私の心を突く。

 いや違う、これは幻術、これは幻術。

 いくらヤコでもまさかこの状況で悦んでたりなんか……しない、はず。

 駄目だ、早く幻術を破らなきゃ。

 幻術を破る方法の二つ目だが、心を強く持ち続けることだ。

 しかし心を強く持ち続けると言っても、ただ耐えるだけではいけない。

 耐えて耐えて耐え続けて、その幻術の綻びを見付けるのだ。

 綻びというのは、即ち矛盾。

 幻術の違和感を指摘すると言ってもいい。

 真実は幻術に歪められるが、幻術もまた真実に弱い。


 ビッケは私と戦う時、片目を閉じる。

 目を閉じたなら、本来何も見えるはずがない。

 にも関わらず、景色が見えるというのならそれは幻術だ。

 それが分かった瞬間に幻術は解け、再び目を開けば本当の光景が見える。

 しかし今回この場所は精神世界。

 例えるなら寝ている時に見る夢のようなもので、この方法を試しても幻術が解けることは無かった。


「私も中々の美女だと思うのだがどうじゃ? フィストよりも尽くしてやるぞ」


 だから今回私が使うべきは、どちらかと言うとヤコのような幻術対策方法だ。

 初めて私とヤコが出会った時、なんで私の幻術を破れたのかと後で聞いてみたが、どうやら私の居場所が把握出来るセンサーのような力があるらしい。

 つまり幻術使いには知らない、理解していない情報で矛盾を指摘し、幻術を破るのだ。

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