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女だけど女の子にモテ過ぎて死んだけど、まだ女の子を抱き足りないの!  作者: ガンホリ・ディルドー
最終章 第二次中央戦争編
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ボーズの奮闘

「ぐうっ!」


 大狼に吹き飛ばされ、思いっ切り王宮の壁に叩きつけられた私だが、それでもどうにかあの化け物に弱点が無いかどうかを探す。

 生き物である以上、フェンリルであろうと不死ということはないはずだ。

 獣化はしているのだが、とっくに私の身体はギリギリ。

 王宮で勤めている兵士達も必死にフェンリルへと立ち向かっているが、その地力の差は絶望的。

 奴が軽く前足を振るっただけで我々は木っ端のように吹き飛ばされ、その凶暴な牙は触れる者が人だろうが建物だろうが、平等に引き裂く。

 当然防具など機能しておらず、盾を構えて必死に抑えようとする重戦士隊を嘲笑うように踏み潰す。


 せめて精霊銃があれば、もう少しマシな戦いが出来たかもしれないというのに!

 私は精霊銃を無くしたのかと思い、情けなくも先程は相当に狼狽えてしまった。

 しかし同じく国中の精霊銃を授かった者達全員が同じ事で騒いでいたので、恐らく何らかの理由で焼失したのだろう。

 精霊銃が消失する理由、それは精霊銃を授けて下さった精霊龍様に異変があったとしか思えないが、それにしても最悪な事態だ。

 それに加えてフェンリルの襲来。しかし泣き言は言っていられない。

 精霊銃だけが獣人の武器ではないのだ、あるもの全てをぶつけてでも対処をするしかない。

 ガラード様が帰って来た時に、エンジュランドが壊滅していたなどという事態だけは避けねばならんのだ。


「ボーズ様! 砲撃準備整いました!」

「ならば撃て! 多少狙いを外しても構わん!」


 外しても構わないと言ったが流石エンジュランドが誇る優秀な砲撃部隊。

 一つも外さず、全弾見事にフェンリルへと命中した。

 爆音と共に巻き起こる土煙。

 どうだ、流石に伝説の化け物でもこれはキツイだろう。ざまあみろ!


 そう願う私達の希望を打ち砕くように、フェンリルはまるでそよ風でも受けたかのように軽く顔を振るって煙の中から姿を現す。

 流石に多少は傷付いているはずだと目を凝らしたが、その光沢を放つ毛並みの先が少し黒くなっているか……いや、なっていない? いや、なっているはずだ。そう思わなければやってられない。


「確実に効いているぞ! 撃て撃て! 怯むなッ!」

「本当ですかボーズ様!」

「嘘も言い続ければ本当になる日が来るかもしれんだろう!?」


 勝てないのではないかと諦めた時、きっと我々の戦意はゴミのように砕け散るだろう。

 ガラード様もドレッドもいない。

 この場における最高権威者の私は、絶対に諦めたり逃げたりすることは許されぬのだ。

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