オーバーキル
私の背中で咲き誇る、蒼炎を纏った羽。
あぁ、全てがスローで聞こえる気がする。
「随分と甘く見られたな」
エクスト王が杖を構えてこちらを見据える。
そしてその先を地面へと打ち付けると右手を差し出し、人差し指を地面へと向けた。
「『跪け』」
エクスト王の眼が暗い光を放ち、私の体に強力な圧がかかる。
まるでこの世界の自然現象が捻じ曲がるかのように、無理矢理私の膝が地面を突こうとする。
でも、こんなんに負けてらんない。
『負けるはずないでしょ』
フリジディ王女の声が頭に響くと、一気に身体が軽くなった。
指をしたままに向けたままのエクスト王へ、一気に突っ込む。
ペニバーンの一撃が見事に決まり、崩れた砦の瓦礫へと吹き飛ばされるエクスト王。
やっぱりゼロと違い、エクスト王は特殊能力に特化のようで、身体能力はあまり高く無い。
下手に反撃を食らうのはよろしくない、徹底的に追い打ちをしとこう。
私はそのままエクスト王が吹っ飛んでった方向へ突っ込み、体当たりで瓦礫を蹴散らしながらエクスト王を探す。
見つけたので胸倉を掴んで宙へぶん投げ、翼で飛んで踵落としを叩き込む。
なんか「ぐぇっ!」っていう汚い音が聞こえた気がするが、風の流れる音で運ばれていった。
まだ息があるかもしんない、不安だからもうちょいやるか。
地面が陥没してエクスト王が埋まったので、引っこ抜いて揺らしてみる。
立派な衣装はボロボロだし、光沢を放ってた髭は引きちぎれてる有様でもう満身創痍っぽい。
『『『うわぁ……』』』
あまりの酷さにドン引きする完全変態組。
お爺ちゃん息してるかなこれ? 流石にやり過ぎたか。
老骨に鞭打つどころか金棒でぶっ叩くくらいの勢いだったしなぁ。
流石に心配になってくると、エクスト王の目がゆっくりと見開かれた。
「ゆだんしたな?」
あ、なんかヤバそう。
そう思った私は、地面にエクスト王を埋め直した。
土葬。そんな言葉が頭を過ぎる。
暫く何か周囲に異変が無いかと構えたが、変化の起きる様子はない。
どうしよう、今のでトドメ刺しちゃったかな。
『完全に老人虐待ね』
『これは擁護出来んな……』
えぇ、さっきまでの皆で力を合わせて悪を討つぞというテンションを返して欲しい。
本当にエクスト王が見る最後の光景になってしまったかもしれん。
現実から目を背ける為に、キハーノさん達の方はどうなったかなと視線を移すと、とてつもない爆音と眩しい閃光が辺りに響いた。




