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女だけど女の子にモテ過ぎて死んだけど、まだ女の子を抱き足りないの!  作者: ガンホリ・ディルドー
最終章 第二次中央戦争編
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清宮姫子の誘い

 これで人魚の少女は大丈夫だろう、あとは時が解決してくれるはずだ。

 我が一番気になるのはもう一人の方。


「ここ、は」


 辺りを見回し、どこか気の抜けたような声を出している変わった装束を身に着けている少女。

 先程まで獣人の少女と一歩も譲らない戦いをしていたが、今は全く殺気を感じない。

 それどころか不安そうに辺りを見回し、不意に目を抑えて苦しみだした。


「おい、大丈夫か?」

「うぅ、酷いです悪魔さん。私なんにも悪くないです」


 何やら理解不能なことを呟く少女。

 ひょっとしてミューズに操られた後遺症でおかしくなってしまったのだろうか。

 だが私の心配をよそに、人間の少女は立ち上がって船の外へと自らの足で移動した。


「ヘイヴァーの港、戻ってきちゃったんですね」


 港町の景色を見て、少しため息を吐く少女。

 そしてそのまま船を降りようとしたが、何故か再び悲鳴を上げて座りこんでしまった。

 慌てて駆け寄ると、少女は荒い息をしながらもどうにか平静を取り戻していた。


「本当に大丈夫なのか?」


 その時ようやく我々の存在に気が付いたのか、驚いたように目を見開いた。


「ごめんなさい、ひょっとして私を助けてくれた人ですよね?」


 正確にはトドメを刺したのは我であるというだけで、助けたのは我個人では無いのだが、白黒の人魚殿は気絶した者達を運び出すのに忙しそうであるし、この少女を直接相手にしていた獣人殿はどこかへ行ってしまった。


「先程から目を抑えているが、何か痛むのか?」

「いえ、これは持病のようなものなのでして。それよりも、先程私と戦ってらした方は今どちらへ?」


 やはりこの少女もまた、洗脳中の記憶があるようだ。

 しかし追いかけてどうするつもりだろうか。

 まさか再び追いかけて、戦いを申し込もうとしているわけではあるまいな。

 思わず表情が険しくなってしまった我がそれを尋ねると、少女は物凄く焦った顔をして両手を突き出して否定して来た。


「そんなことはないんです! ただ、どうしても様子を見に行かねばいけないようでして、それで、その」


 自分で言っていても信じてもらうのが厳しいと思っているのか、歯切れが非常に悪い。

 そして私から目を逸らし、ある方向へと手を差し出した。


「その、そちらの方にも、付いて来て貰いたいそうです。いや、付いて来て欲しいんです」


 少女の手が示す方向に目を向けると、そこには我が主がティーエスと呼ぶ少女、つまり先程の人魚の少女がいた。


「え、私?」

「はい。私と一緒に、先程の人に会いに行って下さいませんか?」

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