気持ちの整理
フリジディ王女の空間から部屋へと意識が戻った。
彼女と身武一体した私の姿は、股間部にペニバーンというのは点でいつもの姿と変わらないが、私の胸部に貼ってあったニップレスが二枚の丸い盾へと変化している。
周りを見渡すと、相変わらず転がる少女達の姿。
『で、もう一度彼女達を見て、貴女はどう思うのかしら?』
「別に。許せることじゃないよ」
床に転がる彼女達を、私は抱きかかえてベッドの上に寝かせていく。
持ち上げても一切の重さを感じさせることなく、そして全く反応を示すことなく彼女達は横たわっていた。
「ねぇ、彼女達を元に戻せないの?」
『出来るわよ、死ぬほど面倒だけど』
なんでも、そもそも洗脳を行ったのはフリジディ王女自身であるらしく、それの解除程度なら非常に簡単らしい。
ただ、解除した後に正気に戻った少女達が錯乱すると手が付けられない上、フリジディ王女が今まで遊んできた少女は今ここにいる子の数十倍はいるそうなので、その子たちを戻すことまで考えたらもう面倒を通り越して笑えてくるそうだ。
「まぁ、全部やらせるんですけどね」
『やらなくていいじゃないのよ……だって許される立場だったんだし』
「手伝うから頑張ろうね」
彼女の責任が非常に重い。だが彼女を受け入れると決めた以上、それは私の責任でもある。
そして彼女がやった行為はクズ行為と形容して間違いないものだが、私も正直大概なことをやっている。
クズの責任はクズが一緒に背負うくらいが丁度いいだろう。
『でも、今は本当に時間が無いの。残念だけど、たかが数人の女のメンタルケアをしている暇があったら、今外で死にかけている数万人の命を救うほうが優先度は高いわ』
それは事実だし、ある側面から見ればそれでも女の子たちの救出を優先させたいと思う心がある私がクズに見えるのだろう。
まだまだ私は甘いのだろうか。
『ほんとバカね、いつまで迷ってるの?』
ベッドの上で眠る少女達をしばし見詰める。
全く動かない、飾られた人形にしか見えない彼女達。
「ごめん」
これは言い訳なのかもしれない、自分の心を慰めているだけの偽善的な言葉なのかもしれない。
でも、彼女達を救うために、傷付いて壊れた彼女達が再び笑える可能性のある世界を作る為に、私は戦わなきゃいけない。
必ず助けるからと私は最後に誓って、部屋のドアノブを捻った。




