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女だけど女の子にモテ過ぎて死んだけど、まだ女の子を抱き足りないの!  作者: ガンホリ・ディルドー
最終章 第二次中央戦争編
195/291

合流

「よし、確かこの辺だったよね」


 フィストの幻術のお陰で、途中で大きな攻撃に巻き込まれることもなく、無事にアイディールさんがいると予想される砦へと辿り着いた。

 そこかしこで忙しく軍人さんと思われる人々が走り回り、気を抜くとぶつかりそうである。


 アイディールさんのいる場所はすぐに分かった。

 てっきり砦の中で指示を出しているのかと思えば、外に出て身武一体の姿で戦況を直接目で確かめながら、傍に駆け寄る人々に指示を出しつつ、時折天秤から極太のレーザーを発射して攻撃もしている。

 いきなり現れると周りの人に混乱を与えてしまうと思ったので、フィストにはまだ幻術を行使してもらいながら、アイディールさんへゆっくりと近付いた。


「どうしよ。凄い忙しそうで話しかけるタイミングが……」

「なぁ、私達がここで姿を現したら大変なことになるんじゃないか?」


 必死の形相で動いているアイディールさんへと声を掛けるタイミングを見計らっていると、キハーノさんが心配そうな声を上げた。

 人間と人工生命体の共存を目指している彼女であるが、現在この状況で自分達が姿を見せるのは流石にヤバいと感じているらしい。

 アイディールさんはトレボールで作戦会議をした時に、通話でキハーノさん達と話をしたことがあるはずなので大丈夫だとは思うが、他の人達は驚いてしまうだろう。

 ならばここで姿を見せるのは得策ではない。


「そうだね、ごめんフィスト。取り敢えず私とロウターの姿だけどうにか他の人にも見れるようにしてくれる?」

「わかったわ」


 フィストが頷いた次の瞬間、アイディールさんとその周囲にいた人が驚いてこちらに振り向いた。


「アイディールさん!」

「テンジョウイン! 本当に無事だったのですか」


 突然姿を見せた私に、その場にいた殆どの人が銃を向けたが、アイディールさんと面識があるという事実が分かると、大体の人が警戒を解いてくれた。


「心配かけさせて本当にごめんなさい」

「残念ながら今の私に貴女の謝罪を受け取る程余裕はありませんし、ぶん殴ってやりたいところですがそんな暇もありません」


 そう言ってアイディールさんは私の額に天秤を突き付けた。

 いつぞやのように痛みが走るのかと思って身構えたが、何も起こらなかった。

 その代わりにアイディールさんが私の目を見て、口を開いた。

 

「貴女はトレボールのスパイではない、本物のヤコ・テンジョウインですか?」

「え? あ、はい」


 いきなり聞かれた質問に戸惑いつつも、素直に答えると、アイディールさんは暫く黙った後、天秤が何の反応を示さないのを確認して、私の額から天秤を離した。


「すみませんね。貴女が本当にヤコ・テンジョウインなのかどうかだけ確かめさせてもらいました」


 あぁ、いつだったか海底都市に入国した時も、真意の宝珠とかいう噓発見器のようなものを使われた覚えがある。

 確かに私がゼロに操られていたとしたら、アイディールさんにとってかなりマズい状態であるだろうし、彼女の行動は一切間違っていない。


「すぐにフリジディ王女の下へと案内します。あちらも貴女と会いたがってましたしね」

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