表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女だけど女の子にモテ過ぎて死んだけど、まだ女の子を抱き足りないの!  作者: ガンホリ・ディルドー
最終章 第二次中央戦争編
169/291

空にも飛ばすし海では泳げるクラーケン

 ワイゼルに先程確認を取ったところ、ティーを乗せた潜水艦はもう出港してしまっており、中央王都に向かってそのまま真っすぐに突き進んでいるらしい。

 一応そのまますぐに浮上すれば、人間側の港町であるヘイヴァーと繋がっているのだが、道中で無駄な争いをせず、そのまま中央王都へと進軍するらしい。

 もしも到達してしまえば、中央王都の海軍部隊と戦いが始まってしまうだろう。

 それまでにどうにか食い止めて、ティーを正気に戻さなければ。


「案ずるな、潜水艦なんぞよりもクラーケンの方がよっぽど早い。すぐに追いつくさ」


 俺達人魚は、水中でも呼吸が出来るが、動力のある潜水艦に乗った方が移動は早いため、ヘイヴァーの様に余程の近場でもなければ船を選択する。

 クラーケンにのったことは無いが、どれほど早いのだろうか。

 というより、そもそもどうやって乗るのだろうか。


「じゃあ潜るぞ」

「えっ、ちょっと待て。どこに掴まればいいんだ?」


 その質問にヒストリアさんが答えることはなく、そのままクラーケンと共に俺達は海の中へと潜った。

 ここまで乗って来た車が海へと沈む。

 おい、海を汚すんじゃない。

 そして海に潜ったのはいいが、残念ながら俺はクラーケンの乗り方が全くわからない。

 まさか潜水艦よりも早い生き物に素手でしがみ付けなんていう程ヒストリアさんもアホじゃないだろうし、一体どうやって……?

 そんな俺の疑問に答えるかのように、クラーケンの八つもある触手の内の一つが、俺に向かって伸びて来た。


「まさか……」


 いやまさか、そんな、ねぇ?

 素手でしがみ付くと同レベルの発想だぞそれ。

 クラーケンはその触手で俺の身体をガッシリと掴むと、ゆっくりと泳ぎだし、段々と加速を始めた。

 しっかりと掴まれている割には、吸盤が体に吸い付いて痛みなどは全く無い。

 隣をチラリと見ると、やはり同じ様に掴まれているヒストリアさんの姿が。


「二本は泳ぐのに必要なのだが、最大で六人まで同時に移動出来るぞ」

「オイ、これ顔に掛かる水圧とかで首へし折れるだろ」

「いや、先行するクラーケンの頭が水除けになっているから問題はない」


 意外によく考えられてる乗り物だった。

 いや、発想はバカ丸出しなんだけども。

 クラーケンの酷使具合が半端ではないが、俺達はこうしてティーを追いかけ始めたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ