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女だけど女の子にモテ過ぎて死んだけど、まだ女の子を抱き足りないの!  作者: ガンホリ・ディルドー
最終章 第二次中央戦争編
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行雲流水

 普通の人間であれば、空に浮かぶ戦艦への侵入に四苦八苦するだろうが、私達は魔族。

 かといって飛行能力を持つのはビッケだけなので、私を抱えて飛んでもらうことになった。


「ま、フィストは昔から軽かったからいいけどね」


 子供の頃から、ビッケにはこうして空を一緒に飛んだことがある。

 昔は翼に憧れて、背中に欲しいと魔王に無茶なお願いをしたこともある。

 結局、私は私にしか出来ないことがあるのだからと諭され、その話はお蔵入りになった。


「流石にこのまま突っ込んだらバレると思うわよ、どうするの?」

「私の幻術でなんとかするから、心配せずに飛んで」

「機械相手に幻術が効くの?」


 その気になれば魔王は私に翼を生やすくらい出来たのではないかと今でも思うのだが、彼女なりの考えがあったのかなとも思っている。

 翼が貰えなかった私は、ビッケに負けないように必死で幻術の練習をしたし、それがあるからこそ今の自分がいるのだと感じる。

 だから、その力を存分に使って、精々暴れてやろうと思うのだ。


 私を抱えて空へと飛んだビッケにしがみついて、目を閉じて集中する。

 空に浮かぶ雲のように、穏やかに、形無く。

 吹き付ける風を肌に感じて、自分の身体が水に溶けて流れていくようなイメージを想起。

 私だけではない、共に飛んでいるビッケも、私と一緒に溶けて流れていく。

 空気に溶けて、風になる。


「『行雲流水』」


 あって当然ならば、時として見えなくなる。

 自然と一体化すれば、誰がその姿を見ても不審に思うことはない。

 故に機械が私を見付けたとして、私は異常では無いのだ。


「へぇ、使いやすそうな技ね」


 この技は確かにとても使いやすいが、気を乱せばすぐに効果が切れてしまう。

 例えビッケに話しかけられても、せめて戦艦へ辿りつくまでは平静を保っていなければならない。

 平静というのが中々の曲者で、ちょっと喋ったりなどすればアウトなのだ。


 技を使う前にビッケへ軽い説明をしておいたので、行雲流水を使用した後のビッケはすぐに戦艦トレボールへと向かってくれた。

 全速力で飛んでくれているようなので、割とすぐに辿り着くことが出来るだろう。

 問題は侵入してからだ。

 ヤコのヒントをどうやって見つけるか、それに懸かっている。

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