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女だけど女の子にモテ過ぎて死んだけど、まだ女の子を抱き足りないの!  作者: ガンホリ・ディルドー
最終章 第二次中央戦争編
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異変

 総攻撃をトレボール艦内から命令したゼロの背後に、一人の人口生命体が現れた。


「あぁ、そういえば追加任務の指令を忘れていたな」


 その人口生命体の名はS・パンサ。

 キハーノの傍で生活し、彼女がゼロへと反抗するように教育するようにとゼロに指示された個体である。

 ヤコとキハーノをゼロと戦わせるという任務を達成した彼女であるが、そういえばそれ以降の行動を指示していなかったと思い出した。

 プログラムだけで生み出した人工生命体は、次の目的を自発的に考えるということが出来ない。

 そこが人間を犠牲にして造り上げたゼロやキハーノとの違いであり、それが出来る人口生命体を生み出すことこそゼロの目標でもある。

 そんな自分の失敗作を目の当たりにしているも等しいゼロは、パンサを見て軽く口元を曲げた。


「お前は今すぐに中央王都侵攻の下級兵士隊へと加われ。正確なポジションは追って指示する」


 確かこの個体は、一般の下級兵士よりは性能は高いが、上級兵士程の戦闘能力があるわけでもない。

 まぁ王都侵攻の一番槍にでもして、敵陣で爆発させる程度の役目で十分だろう。

 そう判断して指示をしたゼロへ、しばし遅れてパンサからの命令を理解したというサインが届く。

 振り返って何処かへと走っていく、もう会うことはないだろう背中を見て、ゼロは改めて戦況を表示するモニターへと振り返る。

 人口生命体の動きを阻害する妨害電波を発する装置などを使って王都側は必死に抵抗しているが、最上級兵士達を中心として侵攻は着実に進んでおり、戦況は確実にこちらの優勢である。

 王女がまだ目立った動きをしていないのが不審なところではあるが、仮に動いたとしても彼女には欠陥があることをゼロは知っている。

 これは他の種族及び六柱が攻め込んで来る前に終わってしまいそうだ。


 攻めあぐねるようでは自ら出陣することも考えていたゼロであったが、想像以上に計画通りに進んでいる現状を見て、もうしばらくは静観することに決めた。


「……ん?」


 ゼロの部屋にはモニターが無数に存在する。

 現在その多くは中央王都との戦況を表示しているのだが、ほんの一部はトレボール艦内の様子を映し出している。

 その艦内の映像が突然ブレ始め、全て映らなくなってしまった。

 仕方なく戦況を表示するモニターの一部を艦内映像に差し替えると、これまたしばらくして映らなくなってしまった。


「どういうことだ!」


 モニターの調子が悪いのではない。

 明らかに艦内で異変が起こっている。

 調べさせようにも兵士は全て中央王都攻めに出払っており、艦内には整備用の人口生命体しかいない。

 こうなっては自ら出向いて解決するしかないだろう。

 大方の予想は付いている。

 中央王都攻めに問題がない以上、外部からの侵入は有り得ない。

 となれば予め内部にいた敵対派閥の活動だろう。


 ヤコ・テンジョウイン、D・キハーノ。

 そのいずれかだ。

 どちらも身動きが出来ないように拘束していたはずだが、なんらかの手段で脱出したのだろう。

 そう判断したゼロは、二人を拘束している部屋へと急いだ。


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