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女だけど女の子にモテ過ぎて死んだけど、まだ女の子を抱き足りないの!  作者: ガンホリ・ディルドー
最終章 第二次中央戦争編
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七色の英雄の存在理由

「二百年もの歳月を掛けて台本作りをした茶番を始めようか。エクスト」


 ゼロは目の前に広がる光景を満足そうに見下ろし、その最奥に構える人物へと視線を移す。

 中央王都の最高権力者、リリー・エクスト王。

 選ばれた『世界の六柱』の一人であり、この状況の立役者。

 中央王都で生活する人間全てに対して戦闘命令を行い、ゼロ率いる人口生命体軍団と徹底抗戦を行う構えだ。


 これは二百年掛けて計画されていた展開であり、この日の為にゼロ達は存在していると言っても過言ではない。

 自らの役割の集大成を目前にして、ゼロは思わず口角を上げて薄ら笑いを浮かべる。


「他の柱達も上手くやっているようだな」


 戦艦トレボール。

 帝国トレボールをそのまま空に浮かべたその巨大戦艦の最奥にて、ゼロは世界各地の映像を確認していた。

 魔大陸においては柱である『魔王・サタン』の号令。

 海底都市では『歌姫・ミューズ』による精神操作。

 エンジュランドでは『精霊龍・ペンドラゴン』と一体化した獣人による鼓舞。

 古代森林では『世界樹・ユグドラシル』が操る大災害や化け物。


 それぞれが自分の与えられた役割を全うし、最終的にはこの中央王都にて全人種が激突する手筈になっている。

 この人口生命体と人間の戦いは、その長く続く争いの一つに過ぎない。


「抗えるかな? フリジディ王女よ」


 ゼロが見下ろすのは、世界の六柱と対を為す存在である、『七色の英雄』が一人。

 リリー・フリジディ王女。

 そもそも七色の英雄とは、世界の六柱がその存在を維持する為の犠牲として用意された者の総称である。


 死ぬことはリセットである。

 ゼロ達を率いる『マスター』は、ゼロ達を選んだ時にそう言った。

 死ぬと、『徳』と『業』を天使と悪魔によって判断される。

 人は決められた『天命』に従って死ぬことで、その徳と業を積む期間を終える。

 徳が高ければ、それに応じた褒美を。

 業が深ければ、それに応じた罰を。

 

 だが、マスターにはその天命を延長する力があった。

 しかしその代償として相応に強力な存在の魂を引き換えにする必要があり、その為に作られた存在が七色の英雄だ。

 柱が六人しかいないのに対し、英雄が七人の理由は、その魂を昇華させる人間をこの世界に呼び込む際に、もう一人の魂が必要な為である。


 つまり、ゼロ達はマスターの指示に従って世界を発展させる上で、自分達がその天命を超えて生き永らえる為にフリジディ王女を含む七色の英雄達を育てたのだ。


「さて。本気で相手になろうじゃないか」

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