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女だけど女の子にモテ過ぎて死んだけど、まだ女の子を抱き足りないの!  作者: ガンホリ・ディルドー
最終章 第二次中央戦争編
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ボーズの苦悩

 中央王都から帰って来てから奴の様子が何やらおかしい。

 執務から逃げ出すことも無くなったし、どうせ終わってないだろうと思って仕事の確認をしに行ったら、終わっているどころか、兵士達を相手にまともな訓練を行っていた。


 ありえん。

 本当にペンドラー・ドレッドか?

 中央王都で入れ違った別人じゃないのか。

 いや、仕事の消化は捗るし、私の手間もかからなくなったから最高ではあるのだが、完璧すぎて絶対におかしい。


 と思っていたが、どうやら本当におかしかったようだ。


「同胞達よ、今こそ立ち上がれ。人間達と手を取り合うなどと馬鹿馬鹿しい。劣等種共に格の違いを見せつけねばならん」


 本当に誰だ、アイツは。

 事の始まりは、敬愛すべき主であるサー・ガラード様が突然行方不明になってからだった。

 そこまではいい。

 ガラード様は私用で探索に向かわれることはあるし、居場所も毎回伝えられているから今まで問題になったことは無い。

 だが、今回に関しては本当に行方不明だった。

 誘拐の可能性も考えはしたが、この国の王である彼女は最強の存在であり、そんな人物を周りに一切気取られずに誘拐する存在などいるとは思えなかった。


 そしてこの騒動だ。

 今日まで大人しかったと思っていたドレッドの馬鹿が、突然慎重に進めてきた中央王都との和睦政策に対して牙を剥いたのだ。

 一番積極的に政策へ携わり、その未来について笑顔で語っていた女の突然な裏切り。


 しかもやけに行動が早い。

 事前に根回しをしていたとしか思えないほどの人員獲得率。

 そのほとんどが、自ら積極的に稽古を付けていた兵士達や、和睦政策の中心に関わらせていた官僚達だ。

 最悪なことに、民衆の殆どは未だ人間に対して差別意識を持っている状態な上、なんなら私自身もそうである。

 間違いなくドレッドの起こした行動は主流になるし、止められる力のある者はいないだろう。


 だが何故だ。

 どうして突然こんなことを始めた。

 ここへ招待した人間と分かり合い、人間と友好関係を結ぶことに決めたんじゃないのか。

 他ならぬお前が!


 ガラード様が行方不明な件も、ドレッドが何か知っているのではないかと推測する。

 彼女を捕らえることが可能な存在は、力量で考えれば奴しか存在しない。

 だが、ドレッドがガラード様を誘拐するかと考えると、これまた疑問が生まれる。

 ガラード様はドレッドに対しては激甘であるし、ドレッドの考えに賛同はしなくとも反対をするとは思えない。

 彼女が奴にとって障害になり得るはずがないのだ。


「いずれにせよ、奴に聞いてみる他あるまい」


 自分の考えが合ってるかはわからないが、考えるだけよりは動いた方がいいのは間違いないだろう。

 悩んだ私は、理解不能な馬鹿野郎に向けて歩を進めた。

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