第三話
全然話が進まねぇや...
呼吸の音、唾を飲み込む音が聞こえる静寂の中、朝比奈洋輝が第一声をあげた。
「なんで俺たちなんだよ!もとの場所には帰れるんだろうな!」
皆が思っていることである。しかし、こういう状況になると頭が真っ白になり、すぐに言葉が出ないものである。朝比奈が代弁してくれなかったら、未だ静寂のままだったであろう。
「帰る方法はありますが、今すぐには無理です。とにかく私の話を聞いてください」
「今、この世界で起こっている事を順を追って説明していきます。」
「昔この世界は、人間と魔族による戦争が行われていました...」
そう話し始めた王女の声色が変わり、一気に場の空気が変わった、気がした
「人間と魔族による戦いの歴史は長く、昔は魔物の知能の低さもあり、被害は人が襲われたり、家を荒らされたりなど、それほど脅威的ではありませんでした。」
「が、時間が流れるにつれ魔族の知能、身体能力、魔法などの面でも人間とほぼ同じになり、拮抗した状態が続づき、この頃はまだ、国の兵士、魔術師達の力でなんとか抑えることが出来ていました」
「しかし、魔王の誕生により、更に強く勢力を伸ばしていった魔族は遂にこの世界の住人の力だけではどうにも侵略を阻止する事ができないほど、凶悪な存在になってきました」
「国民もそれに対応すべく、身体能力、魔法、剣技に長けた者の集まり、ギルド というものを作り国に守られるだけでなく、自ら冒険者として魔物と戦いまだなんとか均衡は保てていました」
辺りを見ると王女の話に皆、飲み込まれているのが分かる
「この頃は、冒険者という職業が報酬もよく人気になり、冒険者人口も増え、その分経済も回り、おかしな事ですが、国が豊かになり、1番良い時代だったのかも知れません」
「が、こんな日々も長くは続かず、あの大量虐殺の日を迎えてしまいました」
「魔王自らが出向き、町一つをほんの数秒で壊滅させてしまったのです」
「名を轟かせていた冒険者も死に、人々は絶望しました」
「しかし、1人の魔術師が当初から魔族に対抗するための方法が何かないかと研究を重ね、最終的は異世界の存在が明らかになりました。そこで異世界人に助けて貰うべく異世界人を召喚する魔法を考え出したのです」
「早速、私達人間は、異世界の者を勇者として召喚することに成功し、この世界にはない異世界の能力を持った勇者により見事に魔王を滅ぼす事ができました」
ふむ、ここまでの話を聞いて、全く日常から離れた話でもあり多少混乱することもあるが、皆同じ事を思っているであろう。
「じゃあ、この世界はもう魔王も倒され平和なんだろ。なんで俺たちが呼ばれてるんだよ」
朝比奈が言う
「はい、いまの話は私のおばあ様が王女だった時の話です。魔王も倒され国はかなり平和になりました。でも今は違う問題があるのです」
「また昔の話に戻りますが、魔王を倒すために勇者を異世界から召喚したと言いましたよね」
「勇者と言っても数人ではなく、今回のように魔族に対抗するため、沢山の人数、それぞれ3つの異世界から召喚しました」
「1つが、科学技術というものがとても発達している世界の異世界人。自らをサイボーグと」
「1つはこの世界の魔法とも似ている力を使う異世界人。自らを超能力者と」
「1つは人並み外れた身体能力を持つ異世界人。自らを獣人と」
「サイボーグ、超能力者、と呼ばれる者の戦闘能力は凄まじく、次々と魔物達を殲滅していきました」
「また、獣人の者は、その名の通り獣に姿を変え戦うのですが、先の二者に比べるともともとの戦闘能力は劣るものの、こちらの魔法との能力と相性がよく、次々と強力な魔法を取得し、また新たな魔法をも作り出すことにも成功し、引けを取らない強さを手に入れました」
「その事が俺達に何の関係があるんだ」
「はい、ここからが問題なのです」
「現在の話に戻りますが」
「いま、魔族の脅威が去った後、この世界は大きく分けると、私達のいるラムリル王国、サイボーグ達のいる機械都市ギルン、超能力者達のいる学園都市エスペアーダと4つに分断されています。そして、それぞれが牽制しあっている状態です」
「それぞれが自分の理想とする世界を作ろうと、表向きでは仲良く行こう。とはなっていますが、裏では自分達の有利になるよう力を蓄えており、いつ戦争になってもおかしくない状態になっています」
「そうなってしまったら、まずはじめに手をかけられるのは1番勢力の弱いラムリル王国です」
「この様な最悪の事態を防ぐ為にも、力を貸して頂きたい」
そう王女は言うのであった
次で、クラスメイト達のチート能力が徐々に明かされていく予定...?
今書いてる途中だけど、蛇足蛇足でどんどん本筋から逸れていく...結果話しがすすまねぇよ...難しい