BLOODY→SCHOOL←「神霊編」
この物語はフィクションです。
実在する団体、地域、人物名とは何の関わりはありません
第壱話「フタタビ」
俺の名前は頃原歳次。
今は亡き父、高谷竜太郎の息子だ。父はひとつ年上の女性、母親に当たる「手塚雲母」という人と20歳の時に結婚して2年後に俺が産まれたらしい。
だけど俺は母親の事は余り覚えていない。
あれは俺が10歳の時だったかな。
父親に「話がある」と言われて行ってみると、母がいなくなったとのことだ。父が探しに行くと言っていた。だから「俺も行く」って言ったら少しの間があったがOKしてくれた。
気づけば、母を探して3年の月日が経っていた。そして...最悪の事態は突然やってきた。
父が死んだ。俺のせいで...。
世界の再構築で生まれた「異物」から逃げている時に死んだ。「異物」の攻撃から俺を庇って。
でも、父は強かった。深手を負っていても、その異物を倒した。異物を倒した後、父は俺を呼んで「ある物」を渡してくれた。父の話によるとそれは家にある倉庫の鍵らしい。
そして、父は息をしなくなった。俺は沢山泣いた。馬鹿みたいに泣いた。どれくらい泣いたのかは覚えてはいない。
その後俺は独りで家に帰り、父から貰った、倉庫の鍵を使った。倉庫の中には刀や銃などの武器が置いてあった。刀は錆びていた。けど、手入れをすれば使えそうだった。その中から俺は刀を2本持って家に出た。
ー砂野真野学院・廊下ー
「.....てる?ねぇ、頃原!」
「ご、ごめん。考え事をしてて...、聞いてなかった。」
「もぉ...」
彼女は「本宮榛香」俺と同じクラスで、幼馴染みだ。母を探しに行くって言った時はすごい泣いていた。それに、俺が毎日刀を持っている理由も知っている。再構築で生まれた異物と戦っていることも知っている。
そしてこの「砂野真野学院」の先生は全員、前世の戦闘員だった人達で父の名前を使い「手伝い」という形で刀の持ち込みの許可を貰っている。
「ところでさ、昨日も異物と戦ったでしょ!」
「な、なんで怒ってんだよ…」
「頃原...アンタの事が、心配だからよ...」
顔を赤くして、外を見る榛香。
「榛香...お前...」
言葉を言いかけた時チャイムがなった。
「あっ、教室に戻ろっ!話は後で聞くから」
そして榛香は俺の手を取り教室に向かった。
ー教室ー
「!!」
教室の扉を開けた時だった。中からは魚が死んだような生臭い匂いがした。
「な、なに?この匂い」
外は明るいのに、教室の中は暗かった。
そして榛香が電気をつけようとしていた。
「ダメだ榛香。電気はつけるなよ。それと、後ろを向いたら、振り返らずに外に出るんだ」
「き、急にどうしたの?」
「アイツが居る。それにまだ生きている人が校舎内にいるかもしれない、その人たちを探してきてほしいんだ。出来るか?」
「さ、探すだけなら...」
「よし、行け!」
俺は榛香の背中を軽く押し、榛香を廊下に出した。俺に押された勢いで榛香は走っていった。
「榛香には刺激が強いし、あまりこの匂いも嗅がせたくない...」
少し息を吸って言葉を吐く
「居るんだろ?出てこいよ。ここには俺とアンタしかいない」
2、3秒くらいだった頃に、ピチャ、ピチャと液体の上を歩く音がした。
「...ナニユエ、ワタシノソンザイニキガツイタ?」
「馬鹿だな。こんな血生くせぇんじゃ、気づくぜ普通」
「...ダガ、アノオンナハキヅイテイナイヨウニミエタゾ?」
「そりゃあそうだろ。俺と榛香は持っているものが違うからな」
「ホホォ」
「いつでもいいぜ…こい!!」
俺は刀を鞘から出した。
「フン、カタナイッポンデ、コノオレヲタオセルトデモ?」
「こいつはただの刀じゃないからな。それにお前みたいな下級の異物なんてこれで十分だからな」
そして俺は呪文を唱えた。
「闇が光を飲み込む時、世界は今終焉を迎える!レクイエムモード!」
時間が止まる。
「これで終わりだな…」
(この刀で十分だとは言ったがこの刀は相手を殺すほどの力はない。でも、この呪文を唱えれば話は別だ)
「ここの状態は誰にも見られない。だからこっちの刀で...」
もう1本の刀を抜き技を唱えた。
「全ての光を取り込み、あらゆる空を切る!終わりだ、インフィニティ・スラッシュ!!」
異物の体を切る。時が止まっている為、異物の体は床には落ちなかった。
「静止した時は動き出す...」言葉を吐いた途端に時が動き出し、異物の体は崩れ落ちた。
「ナ...ナニガオキタンダ...!?」
「お前らの知能じゃ、理解は出来ないだろうな…」
「... ... ...」
「つまらない...ん?なんだこの音」
外で誰かが走ってくる音が聞こえた。
その時「ガラガラ」と勢いよくドアが開いた。
「誰だ!」
「ひっ!」
俺は入ってきた人に問いかけた。でも、帰ってきたのは驚きの声だった。
「あぁ、悪ぃ。驚かせちまって」
「あ...い、いえ。ただ急に声を掛けられたので...」
「ん?もしかして...緑川真奈さんですか?」
「そ、そうですけど…。ってサジ君?」
彼女は緑川真奈。俺の一つ上の年齢で、クラスは3年2組だ。紅い眼鏡が特徴。生徒会会長で俺の姉的存在である。
「サジ君、ここで何してたの?」
「ん~、ちょっと...ね」
俺は真奈さんから目を背ける。
「!それって血?どこか怪我したの?」
真奈さんが俺の体をあちこち触る。何も無いのに。
「あの…あまり触られると恥ずかしいんですけど…」
「あっ、ご、ゴメンね。それよりさ、昔みたいに呼んでくれないかな?」
「え、あ...分かりました。真奈姉」
そんな話を真奈姉としていた時だった。何かが俺の体を貫いた。
(な... ...何かが...起きた...)
「さ、サジ君?」
(マズイ...このまま...じゃ、真奈姉が...死ぬ...)
「に...げろ... ...」
「な、なに?」
「はや...く、逃げろ...真奈姉...」
「やだよ!」
「だったら...そこを、動くなよ!」
「ソンナカラダデ、ワタシヲタオセルノカ?」
(確かにそうだ。今この状態で勝てるかは解らない......でも)
「... ... ...それでも、俺は大切な人を、守る為に、この力をもらったんだ!負けられるかよぉぉぉ!」
「ソンナヒーローゴッコナンテ、タダノアソビダ!サッサトシネ!!」
異物が俺の体に刺さっている物を引き抜く。凄い痛みだった。
(チャンスは今しかない!)
「喰らえ!翔破残!!」
素早い斬撃が異物をバラバラにする。
「サジ君!!」
「あ... .....ま、真奈姉.....」
真奈姉が、後ろから俺を抱き寄せる。泣いているのが分かった。
「取り敢えず、ここから出よう…。他の人もいるかもしれない」
「うん... ...」
真奈姉の声は少し震えていた。
でも、俺はまだ気づいていなかった。
またここに戻ってくることになるなんて... ...




